マグネシウム

2006-07-06 | ガジェット
近年、注目されている素材「マグネシウム」。

すでにパソコンや携帯機器などに用いられるようになって久しい。



そんな中、新潟市の金属加工、金型製造の「ツバメックス」では

国内で初めてマグネシウム合金製ボンネットとエンジンカバーを

商品化した。


それも、第1弾はロータリーマシンのマツダRX-8用。


といってもボンネットが48万円!、エンジンカバーが45万円!で、

まだまだ価格は高く、レースやマニア向けだとか。


既に東海地方のマツダ系ディーラーなどから引き合いがあるという。



「マグネシウム」の特徴は


1.軽量である。

2.天然資源が豊富で、リサイクル性にも優れている 。

3.他の金属よりも変形に対する抵抗力が大きいので、衝撃に

  よるくぼみが生じにくい。


4.振動エネルギーの吸収特性が良いので、駆動部品等の振動を
 
  減らすことができる。

5.アルミニウムと比較して切削性は良く、加工しやすい。



同じ軽合金に分類されるアルミニウム合金と比較すると、

アルミは密度2.7Mg/m3で、ヤング率が70GPaであるのに

対して、マグネシウムは1.74Mg/m3で42GPaである。

マグネシウム合金の方が比強度においては、やや劣る

ものの格段に軽い素材。




欠点

1.水、アルコール、各種酸と反応する。つまり耐腐蝕性が低い。

2.室温域での変形能が低い。

  特に、工業部材製造に一般的に用いられるプレス加工や絞り加工

  が室温域では、ほぼ不可能である。


3.切削で生じた切粉が非常に燃えやすい。発火時に水で消火を試みる
  
  と水素爆発する。   



昨年、マグネシウムの板を購入して、切ったり曲げたり溶接したりと

いろいろ試してみたが、やっぱり常温では曲げただけで割れてしまう。



レーザー加工機では何とか切断可能だったが、溶接は通常の鉄や

ステンレスと違ってチョット慣れが必要。



マグネシウムは常温域では加工が出来ないから、加熱しながら曲げなり、

絞り加工なりを行なう必要があってかなりの加工ノウハウが必要になる。


金型を加熱したりとコストがかさむ。




それでも、軽い素材は自動車にとって燃費の低減や運動性能向上

などのメリットをもたらすから、今後ボンネットだけでなくドアや

サイドパネル、ルーフなんかにも使われていくに違いない。


しかも前述のようにマグネシウムは埋蔵量が多く、今後、価格低下が

期待されるからそうなれば自動車メーカー自体が量産車に使用して

いく可能性も大きい。




マグネシウムは将来性のある素材なのである。
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