ここ数年、これまでの夏の暑さとは更に質が違いますね。我々の時代、夏休みの宿題は「朝夕の涼しい時間帯でやりましょう」と教育されました。ところが現代では、朝から30度超えも珍しくありません。
野球のグラウンドではどうでしょうか?気温30度超えの炎天下。マウンド付近では40度を余裕で超えてきます。そこで気を利かせたグラウンドキーパーが水を撒いてくれるのですが、それが一気に蒸発してグラウンドはサウナ状態になります。人工芝の球場ならもしかしたら50度超え?と思うほど更に酷くなりますね。
夏の甲子園では熱中症の予防対策として昨年夏から導入された【クーリングタイム】。取り組みとしては良いかと思うのですが、医療に携わる者として気になることだらけです。
ベンチで首や背中、太もも周辺を氷嚢や輪っかのようなもので「冷却」している選手が散見されますが、あれは各部位の神経叢に鎮静指令を与えてしまうので、「絶対に」避けるべきです。
昨年の夏にそれまで絶好調だった沖縄尚学のエース東恩納くん(現中大)がクーリングタイム後の6回に制球が乱れて打ち込まれたことで何となくそうなんじゃないかと思っていたことが状況を重ねて、今大会もクーリングタイム以降に突如乱れたり、特に足がつって途中交代するケースがとても多くみられるようになっています。
野球に携わるみなさんは試合中にアイシングしますか?各結合組織を試合中に硬直させてしまうなんて、ちょっとありえない話です。
クーリングタイムはその名の通り「冷やす時間」・・ではなく「心と脳のリセット&カラダをリチャージする時間」と捉えなくてはなりません。せっかく戦闘モードに入っているカラダですから、どのようにしたらパフォーマンスが保てるかを考えて行きましょう。
涼むのは大いに結構ですが、冷却行為は絶対にNG。全くの逆効果になります。
球児諸君、コンディショニングをしっかり考えないと、全てが熱中症のせいになり、真面目に野球が7イニング制になったり、開催時期の変更、ドーム球場で開催になっちまうぞ!!(投手を守ることと3年生の想い出枠の意味で、個人的にはベンチ入り選手を20人から24人にして欲しい)
ここからが本題ですが、今大会甲子園で戦うウチの患者さんたちに持たせているのは「マイ保冷バッグ」です。(想像より大きくて驚くかも・・)