空座町に住む死神代行の黒崎一護の元へ集まった死神達。
そして、突如虚圏より現れた破面。
ギリアンクラスの破面と冬獅郎、乱菊、恋次、一角は奮闘しつつも何とか勝った。
ヴァストローデ級、しかも十刃に1人。グリム・ジョーと戦っていた一護は卍解して奮闘していた。
突如現れた尸魂界を裏切った死神。元九番対隊長東仙要により中断された。
が、東仙のおかげで一護が生き延びる事が出来たのは事実だ。
それくらい破面の、特に十刃とは力の差がある。
このままでは周りの人達は愚か、己すら守る事が出来ない。
今回は運良く誰一人として死なずに済んだが、次はどうなるか分からない。
それに一護は己の中に居る虚が戦いの最中だろうと邪魔をしてくる。やはり彼をどうにかするしかないのは誰の目にも明らかだ。
残された時間は少ない。早く決断しないと己が喰われかけない。
ルキアを乱菊に任せて、一護も恋次と共に織姫達の所に向かった。
皆の所にたどりついてまず目に入ったのは―――――。
「冬獅郎!!―――そのケガ…。」
冬獅郎の上半身に巻かれた痛々しい程の包帯。
「ん、ああコレか。大した事ねーよ。」
「そんなので大した事無いとか言うなよ!」
一護はうつむいて唇を噛み締めた。
己の無力さを改めて痛感した。
「一護、自分を責めるなよ。コレは俺の力が足りなかったせいなんだからな!」
「でも…。」
「ったく、一護お前は一人で何でも抱え込み過ぎなんだよ!一人で何でも抱え込もうとするな!いいな?」
「…うん。ありがと、冬獅郎。」
ルキアは織姫の治癒能力で怪我もいとも簡単に治った。
それぞれ義骸に戻り、ルキアは一護と共に家へ帰った。
その他も各自散って行った。
一護は自室のベッドの上に座り込み、寝もせずに外を眺め何かを考え込んでいた。
――――朝早く、皆がまだ寝静まっている時刻。
誰にも気付かれる事無く、一護は家を抜け出した。
「皆、……冬獅郎、ごめん。」
そう誰にも聞かれる事の無い呟きを残して。
一護はウルキオラとヤミーと戦った場所へ来ていた。
ヤミーによって抉られた地面をただただ睨み付けた。
数時間程そうした後、ある場所を目指した。
誰にも使われなくなった廃倉庫。
その中の1つへと入って行った。
「…ようここが判ったなァ、一護。」
中に居たのは、仮面の軍勢と呼ばれる者達だ。
「そのカオ、や―――っとついたみたいやなア。オレらの仲間ンなる決心が。」
「―――ああ。けど、条件がある。」
「条件?」
「オレは、力が欲しい。―――皆を守る力が欲しいからアンタらの仲間になる。けど、仲間や友人達を助ける事を黙認して欲しい。」
「…死神らを助けるつもりなんか?」
「ああ、助ける。大切な仲間だから。それに友達だって霊力が高いって理由だけで奴らに狙われてるんだ! オレに力を貸してくれた、だったら今度はオレが守る!」
「は――、分かったわ。黙認したるわ。けどオレらはこの件に関して手ー貸さへんで?」
「ああ、かまわねーよ。」
「交渉成立やなァ。―――――仮面の軍勢へようこそ、歓迎するで一護。」
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