京急杉田駅のすぐ近くなのに、グーグルのストリートビューで見ることのできない銭湯がある。まるで秘境の中の露天風呂のような「杉田湯」だ。
京浜急行を背にして山側へ向かう狭い道路がスタート地点。
この道を進んでいく。奥には熊野神社のある小高い丘。なんだか山の中に入っていくような気分だ。
こんな場所に銭湯があるんだろうかと少し不安になってくる。煙突も見えないし……。
さらに奥へと進むが、銭湯らしき建物は見えてこない。
やっと「杉田湯」の文字を発見したが、ここが銭湯というわけではない。電柱のまき看板は「杉田湯」への方向を指示しているだけ。まだまだ先があるのだ。
矢印の方向を見ると……
銭湯が見えない……
この路地に入ってさらに進むのだ。
やっと煙突が見えた!
しかし、銭湯の入り口はまだ見えない。
さらにこの角を曲がると……
やっとノレンが見えた♪
「ゆ」と染められているのでここが「杉田湯」であることに間違いない。
左が女湯で右が男湯である。下駄箱はそれぞれ左右に分かれている。
真ん中にある箱は靴を入れるためのものではない。奥の深い傘入れなのだ。
男湯の扉をガラリと開けると、そこには昔ながらの番台があり、女将さんが座っていた。聞けば昭和30年代からの営業だという。ということは半世紀以上の歴史だ。
脱衣所の天井こそ格天井ではないが、立派な昭和のお風呂屋さんだ。右手奥に見えるのはアナログ式の体重計。嬉しくなって何度も乗ってみたくなる。
洗い場は高い天井で解放感満点。ペンキ絵に描かれているのは富士山。その手前は湖のような風景があるので、富士五湖あたりのイメージなのかな。
女湯は覗くことができなかったが、女将さんの話では石川県の見附島だという。銭湯の経営者には石川県出身の人たちが多いので、こういう風景画をよく見かける。
コインロッカーの他に、こんな懐かしい籐の脱衣かごもあるぞ。
湯船に浸かってペンキ絵を眺めていると、まるで山の中の露天風呂にいるような錯覚におちいる。470円で心身ともにリラックできた♪
【2019年 閉店】
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