今夜も小学生女子と商店街のシャッターの前にいるホームレスへ弁当を配達する。フードバンクには来なかったらしい。「いつもありがとうございます」と、笑顔で受け取ってくれるようになった。店に戻ると、寄付頂いたものから何やら用意を始める女子。「もう一回行ってもいいですか?」と言う。
ポーチに洗顔料や絆創膏の入った救急セットができあがった。「顔が黒くなってきたから可愛そうだと思って…」汚れには気づいていたが、私には思いつかなかった。「タオルは無いの?」と提案を了承すると、寄付品管理のスタッフに「タオルありますか?」と走り寄る。二度目は顔見知りになっている親子に行かせることに。
しばらくしても二人が帰って来ないので、心配になり見に行くと、横になるホームレスの前に座りこみ、楽しそうに会話をしていた。邪魔をするのも悪いと思い、少し離れたところから見ていたが、時間も遅いので「もう寝る時間だから終わりにしようね」と、水を差した。「おやすみなさい」と、彼と別れた。
ここのところ連日配達しているので、私の名前も店の名前も認識しているとのこと。親子が質問してばかりではなく、彼からも色々と聞かれたらしい。「いつか勧誘されるのかと覚悟していて……だって…宗教じゃないんですか?」飲食店です。「何でこんな事をやってるんですか?」「お二人は…従業員ですか?」ボランティアです。
見返りを求めない無償の行為を、すぐには理解できなかったよう。携帯電話は友人が充電してくれるが、同居までは頼めない。某所を寝床にするのはフリーWi-Fiスポットだから。勤めていた会社が不正をして儲けるブラック企業だと分かり退職。その後、路上に出た。公園にもいたが、連夜の若者の宴会でうるさく、今の場所へ。
悪天候の日は居場所を探すのが大変だと話していたらしい。私が数日間かけて距離をつめ、聞き出そうとしていた事を、一夜でクリアする親子の行動力と会話力に驚く。数日前に「5人目になるといいね」と女子が話していたのを思い出す。これまでに無料弁当の活動を通して路上脱出した方の人数だ。
5人目にしよう。必ず。
(5/5のTwitterより 一部修正)
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