今夜も雨だったので無料弁当60個を２個ずつ袋に詰めてお菓子を入れたセットを30つくった。21:30から出して23:00頃に完パケ。開始時に行列はできなかったものの、次々に訪れる。シトシトと雨が降る夜であったが、順調にハケていく。
偶然通りかかったホームレスらしき男性に声をかけると、喜んで受け取ってくれた。初めて見る顔。聞けば線路の反対側にある公園で寝泊まりしているとのこと。自転車に荷物を載せ、色々と慣れているようなのでベテランなのかもしれない。
常連と話していると、目の前に電動車椅子が止まる。何も話さないが、恐らくは弁当を取りに来た方。前に他のスタッフが対応していたのを思い出し「以前に一度来られた方ですよね？」と声をかけるも、キョトンとした顔でこちらを見ている。弁当の入った袋を渡した後に、彼女が耳の不自由な方で、数ヶ月前の来店時に、他のスタッフがホワイトボードで筆談をしていたことを思い出す。
とっさに手話で「ありがとう」と示すと、手話で「ありがとう」と返してくれた。その手話しか知らないけれど、思い出せてよかった。雨の中を取りに来てくれてありがとう。
路上脱出五人目の方はハローワークで求職活動を始め、いくつか面接に行ったと報告に訪れた。路上脱出一人目の方へは、スタッフのSさんが毎晩弁当を配達して話している。「弁当の効果か健康的になったように見える」とSさん。呪文のように繰り返す後ろ向きな発言が徐々に減り、アルコール依存の治療に前向きになっているそう。
アンダンテ.カンタービレ=歩くような早さでゆっくりと。自分のスピードで、自分の歩幅で、一歩ずつ一歩ずつ前に進もう。それを応援するからね。
（9/4のTweetより 一部修正）
