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One Step ~ 橋本新企画公式ブログ

32)赤羽の片隅から~無料弁当雑記

5/9(日)

無料弁当40個+お菓子、トイレットペーパーなどを21:30から出して、23:30に残4。弁当づくりと同時に、昨日SOSの連絡があった方と、いつも役所へ同行して下さり、相談にのってもらっている区議との面談。「いつも区議頼りではいけない」と、弁当つくり隊のSさんも、お二人に許可をもらい、勉強の為に同席させてもらう。

派遣切りにあい住んでいた寮を追い出されたこと、先輩の家に一泊だけの約束で泊めてもらったこと、困っているときに「ホームレス支援」と検索し当アカウントに辿り着いたこと。区議は傷ついた彼の心に寄り添うようにして話を聞き出す。これまでの相談者と違い、路上生活の経験は無いのだが、これでいい。

路上に出れば危険な目にあい、体を壊して心を病み、社会復帰が遠のく可能性が高くなる。住居がある時点で申請するのがベスト。彼は、親から虐待されたことが原因で家を飛び出し、数十年音信不通。「無料低額宿泊所は劣悪な環境である可能性もある。逃げ出す方も多い。けれど、その時は連絡を下さい。必ず、力になりますから」

彼は「すみません」と頷いた。今夜の宿泊先をどうするかと相談された。前述と矛盾するが、今夜は路上で寝てもらうという提案しかできなかった。お金を貸すことはできるのだが、全ての方に同じ対応はできないだろうし、ルールを決めきれていない。食事をとってもらった後に、安全な場所を案内することに。

そこは路上脱出第一号の方が寝床にしていた場所。とある駐車場なのだが、地上からは一段高く、屋根がある。夜に駐車する車は無い。近くに公園のトイレがあり、人目にはつかない。近くにベテランのホームレスがいるが、いい人なので安全。公園は深夜に宴会をする若者が多く、危険な場所になってしまった。

小学生女子とSさんと共にスーパーで寝床用の段ボールをもらい、某所へ行って寝床をつくった。隣のベテランさんには「一泊だけお隣をお借りします」と許可を得た。(本来は彼の許可を得る必要はないのだけど、一応マナーとして)女子が弁当を渡すとニコリと微笑み喜んでいた。

「申し訳ないけど、今夜だけ我慢して下さい」「大丈夫です」朝7時にはここを離れること、段ボールは公園のゴミ箱に捨てることを伝えた。女子は、役所に行く前に顔を洗う用のタオルと弁当を渡した。「必ず、うまくいきますから」そう言って別れた。

彼の派遣先はコロナ禍で売上が落ちていたとはいえ、会社が生き残るための調整弁として非情にも退居させられた。
残酷な派遣切りの実態に、胸が痛む。



(5/10のTwitterより 一部修正)
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