此の寒空の下、100歳の祖母を連れて放り出される事になりそうだ。
祖母が今の処に移って3ヶ月が経った。
祖母も今では、口からの食事、ベッドから車椅子迄ではあるが見守りだけで自ら移れる迄に回復した。
心原生脳塞栓症を発症して救急搬送された当時は、命の危機か又は完全寝たきりを覚悟していた。
併し、月日が経つにつれて徐々に回復して行った。
未だ失語気味ではあるが、言葉が出る様になっている。
下の方は矢張り介助が必要である。
此の病院では、介護医療院も併設されていて、今いるリハビリ病棟から介護医療院へ移る様に手筈が整っていた。
病院側は、
「口からの食事も摂れる様になりましたし、ベッドから車椅子に自力で移れる迄に回復されていますので、今後は介護施設への入所をお願いします」
と...。
まぁ確かに今いる処は飽く迄も病院なので、医療的処置が必要無くなれば退院しなければならないのだろう。
此の介護医療院も、自らの食事が出来ず医療的処置が必要な患者が対象である。
今の祖母の状態は、此の対象外となったと云うのが病院側の見解である。
正直困った...。
近い内に次の入所先を決めろと云われても、吾が調べ尽くした施設は何処もフル定員であり、空きを待つ予約だけでも数十組から数百もいる。
何時空くとも知れぬ現状で、近い内に出てくれと云われても困る。
そりゃあ高いカネを出せば入所出来る施設も在るが、吾の薄給では払い切れない。
金持ちか、高額な年金を手にする以前公務員か何かだった人向けの施設である。
吾の様な貧乏人にはとても手が出せない。
どうしたものか...。
せめて、最長の180日目迄入院させて欲しい。
其の間に何とか探せるかも知れない。
祖母が其処迄回復してくれたのは嬉しいが、其れに反して制限が増えてしまうのが複雑である。
又新たな悩みが浮上して来た。
此の寒空の下、今放り出されては二人共に共倒れである。
はぁ...一体どうなるんだろう。
又もや途方に暮れている。
此処は余り焦ってドタバタせずに、必ず流れが在る筈なので、其の流れを見逃さぬ様に気持ちを波立たせぬ様にしたい。
併し、悩みは尽きぬ...。