ボーナスと云っても、寸志である。
5万円.....。
休憩時、他の同僚や上司がボーナスが入ったからなのか、何やら皆が愉しげに会話が弾んでいた。
吾は皆と離れたテーブルの端で独りコーヒーを飲んでいた。
すると、2ヶ月分で幾ら貰ったとかの話が聞こえて来た。
2ヶ月分?
〇〇万円?
皆が一律なのかと思っていたが、そうではなかった様だ。
まぁ、ボーナスは任意の支給であるから、どの従業員に幾ら出すかは、会社次第。
査定しての結果であろう。
皆よりも仕事が出来ず、評価が低い為5万円が査定の結果だったと云う訳である。
職場で真面目に又、真摯に仕事をしていても、上層部が「此奴は仕事が出来ず使えんな」と判断したら、使えぬ社員なのである
毎日幾ら努力して、真摯に仕事に向き合っても、上層部の胸三寸なのである。
「努力というものは報われない行為である」
とは真理である。
最近はボーナスの支給が不定期だった為、無いものだと思い込んでいた。
5万円は支払いに回る。
0円よりはいいとせねばならない。
周りが貰う金額と比べてもどうしようもない。
因みに事務の女性よりも少ない。
此の扱いが正当なのか、否かなのかは解らない。
上層部が吾をそう査定したのだろう。
支給日、帰宅して仏壇の写真立ての祖母にボーナス(寸志)を貰った報告をした。
「婆さん、ボーナスを貰ったよ。5万円。他の同僚は二桁ほど有ったらしいで」
少し愚痴を含めて祖母に話し掛けた。
暫く写真立ての祖母を見詰めていたが、写真立ての祖母はにこやかに笑うばかり。
「まぁ、ボーナスが一切出ない企業も在るのだから、少額でも貰えたら有り難いと思はねば」
と、己に云い聞かせた。
カネは無くとも元気が有れば何とかなる。
たぶん.....。
何が在っても笑っていれば乗り越えられる。
おそらく.....。
今回の年末年始の休みは9連休になりそうだ。
9日間、何をして過ごそうか。
予定もカネも何も無い。
在るのは暇な時間のみである。
その日その日に思い付いた事をして過ごそうか。
今年もあと二週間余り.
泣こうが、笑おうが年月は過ぎ行く。