トッポい奴ではなく、内向的な暗い男である。
此奴が中途で入って来て半年が過ぎた。
当初も今も朝の挨拶が出来ない。
此方が「おはようございます」と挨拶しても返って来ない。
何やら口元を動かしている様であるが、言葉として全く聞こえない。
此方が云わねば、奴から挨拶する事は無い。
吾は何時しか、此奴への挨拶をやめた。
そうこうして半年が経とうとした頃、か細い声で「おはようございます」と云って来た。
仕事中も此の様である。
作業の説明をしても「ふんふん」と鼻息を漏らすだけ。
当然、仕事の覚えも悪い。
半年経っても、自分で段取りすら出来ぬ。
此奴の何処を評価して採用したのか不思議でならぬ。
作業で解らぬ事があっても聞いて来ない。
じっとフリーズしているので聞くと、
「解らないので」
解らなければ聞けばいい。
よくこれで前職を務めて来たものだ。
此奴が云うには、「人見知りなんで」
アホかっちゅうねん。
ガキじゃあるまいし。
30超えて人見知りだと、よく平気な顔をして云えるものだ。
人見知りなんぞは、せめて学生の間だけの話だ。
生まれながら様に、潜在的な要因は別の話である。
人見知りだから挨拶出来ないのか?
人見知りだから仕事が解らなくてもフリーズすればいいのか?
他人と関わり乍ら生きて行くには、コミュニケーションが必要である。
苦手ならば、出来る様に努力しなければならない。
其れも込みで仕事をすると云う事である。
「かまってちゃん」...。
お近付きにはなりたくない輩である。
社会人の皆さん、未だに“人見知りなので” 等と云い訳として云わぬ様にお気をつけ下さい。
呆れられてしまいますので...。