正定寺の閑栖  (しょうじょうじのかんせい)

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施煙(せえん)

2013年05月02日 | 日記
大きな行事や法要には、近隣の和尚さんが手伝いに
来てくれます。

車もない時代は、数日間泊まりがけで手伝いに
来てくれていました。

たばこを吸う和尚さんもいるので
各部屋には「煙草盆(莨盆)」が置かれていました。

今は倉庫の棚に眠る「煙草盆」



四角い灰のところに炭火が入っていて
竹筒は灰皿です。
キセル用なので煙草は刻みタバコだと思います。

このように手伝っていただく和尚さん方に
煙草でもてなしをしました。
これを「施煙」と言っていました。

私が戻った30年前はフィルター付きの煙草を1カートンずつ
和尚さんの控え室に置いていました。

施煙・・「煙を施す」情緒がある言葉ですが、今では
いかにも健康を害するネーミングとなってしまいました。

このタバコですが、昔は貴重なものでお酒と同様に、
接待などでは欠かせないものだったのかも知れません。

正定寺に存る160年ほど前(嘉永年間)に記録された
年中行事記録には、お歳暮(歳尾)にタバコ(莨)を
1斤(600グラム)今だとタバコ30箱ほどを
「岸の上」という集落の庄屋エ届ける旨が記されています。



庄屋さんや寺社奉行への進物も年中行事帳には
記されています。






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1 コメント

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Unknown (まろゆーろ)
2013-05-02 08:32:34
おはようございます

歴史も風情もある素敵な煙草盆ですね。お接待のひとつに施煙というのがあったとは知りませんでした。人が喜ぶことをすることすべてが布施の心でしょうか。我々が施すという言葉を使うのは憚られるような思いがしますが、お寺さんが使うと何だかとても有難く感じます。
七施……、せっかくのGWですからもう一度ゆっくりと自分の心と照らし合わせてみます。
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