正定寺の閑栖  (しょうじょうじのかんせい)

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秋のお彼岸申込

2015年09月07日 | 日記
数日前から秋の水塔婆の申込が始まりました。

ご先祖の戒名を施餓鬼袋に記して申し込む方法です。

申込の施餓鬼袋


この施餓鬼袋に各家で戒名を書いていただくのですが、戒名の字が判りづらかったり
戒名の字が抜けていたりするお家もあります。

水塔婆と読み上げをこしらえる二人の寺庭は、首をひねりながら私に尋ねて来ます。

水塔婆(経木塔婆)


施餓鬼読み上げ用


私はまず「申込の檀家さんは、どこのお家ですか?」と聞きます。
そうするとそのお家の様子が判ります。

おおかたは出来のやや悪いお嫁さんがいるところです。

その申込袋を取ってじっくりと見ました。

申込の字はわかりづらいですが、一生懸命に書いている事がうかがえます。
たぶん、このお家の80歳を過ぎているおばあさんが位牌を見ながら書いたのだろうと
想像できます。

その檀家さんの家は、
長男さんもそのお嫁さんも同居しているのですが、秋のお彼岸は二人にとって人ごとなのかも知れません。
お母さんに任せっきりで協力もしないのでしょうね。
明らかに字は高齢のおばあさんが書かれたものだと判ります。


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80歳を過ぎた方々の中には、初等教育を終えると家の田畑や山林の労役に従事した者も多いので
字を書くのが苦手な方々が大勢います。

その点、若い夫婦は親から高等教育まで学校に通わせてもらっています。
戒名に記されている漢字のおおかたは見て書けます。

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目も不自由で高齢の姑さんに代わって同居のお嫁さんが申込の戒名を
書いてあげればと思うのですが、出来のやや悪いお嫁さんは知らん振りなんでしょうね。


なのに、おばあさんは申込の施主名を長男の名前にしています。
供養料も年金から出したのかも知れません。

表に書かれている戒名は、おばあさんの亡きご主人の戒名と若夫婦の間に生まれて
3歳でなくなった最初の子供の戒名でした。

若い夫婦は、知っているのでしょうか?。

おばあさんがどのような思いを込めて申込袋に戒名を書いたのかを
想像しながら寺庭に話すと「私は良い嫁になります」と新命和尚の嫁が手をあげて宣言していました。

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昔はお寺の和尚さんが媒酌人をする事が多く見受けられました。
それは、檀家さんの中の良い娘さんと出来の悪い娘さんがわかるのではありません。

和尚さんはその娘さんのお母さんを見ていたのです。

そうです、出来の良いお嫁さんに育ててもらった娘さんが「出来が悪い」はずがありません。

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最近、ブログがとても過激な文章になって来ています。

そろそろ皆さんとお別れする時が近づいたので、
最期の「言いたい放題」のブログになって来たのかも知れません。

まあ、もうしばらくは「言いたい放題」が続くと思います。

なので、お気に障りましたらどうかご寛容下さい。













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