頂き物は一流の品

檀家さんから供養される
野菜は一年を通していずれも
超一流のものばかりです。

大根・白菜・玉葱・水菜・春菊・
アスパラ・キャベツ・里芋・ジャガイモ
サツマイモ・ネギ・キュウリ・茄子
青梗菜・大葉・オクラ・ゴボウなどなど

取れたての自慢の野菜をいただきます。


生活農業(仕事)での作物栽培から菜園(趣味)の
畑地の活用になったこともあり、野菜も
昔に比べ種類が多くなりました。

お父さんを先の大戦でなくした、
75才の檀家さんが畑から引き抜いたばかりの
ワケギを持って来てくれました。



昨年、93才のお母さんを見送りました。

信心深く朝夕の仏壇でお経を唱える姿は、
戦後からなくなる数ヶ月前まで欠かさず
行われていたと亡母の在りし日の事を
早口でKTさんは話します。

KTさんにとっては、一つの時代が終わったのかも
知れません。

大東亜戦争では、40万人におよぶ「戦争未亡人」が
いたと言います。

このKTさんも「正定寺大好き人間」です。
昔から「正定寺はナンバー１」と自慢しています。

和尚にとっては大切な檀家さんです。

その大切な檀家さんが作る「ゴボウ」は
絶品です。

「3月ゴボウはうえるな」と昔から言うらしく
KTさんは2月20日に植え、
「初物は和尚に持ってくる」と
言い残して軽トラで帰って行きました。

後で思ったのですが「初物は和尚に」が
怪しい・・・。
実際は「初物は奥さんに」のようでね。

お寺では奥さんが苦労していると
檀家さんは感じているようですね。

苦労している奥さんに食べてもらいたい
と思っているようです。

最近、私が応対に出ると

「奥さんはいないのですか？」
「新命さんはいないのですか？」

と言う方が多いのに気づきました。

それと「大奥さんはいますか？」と
やってくる方々も多く、
先代の人気は未だに衰えていません。

お寺を支える寺庭の力は
あなどれません。

※「寺庭」・・お寺の奥さん