のり巻き のりのり2

飾り巻き寿司や料理、己書、読書など日々のあれこれを書いています

伊藤千代子の生涯

2022-05-08 09:45:46 | 日記
84歳の知人は、今もって精力的に平和活動をしています。
戦前の思想弾圧、最悪な法律「治安維持法」によって検挙され、命を落とした人たちを丹念に調べ、光を当てる活動です。

具体的には戦争の間違いを指摘し、検挙された地元の教師についての資料を集め小説を書いています。
これが自分のライフワークだと言って出版を目指している84歳、先輩としてその姿にはただただ尊敬の念しかありません。

その方の関係で映画を見てきました。「わが青春つきるとも」





伊藤千代子は過酷な弾圧に対して戦争反対、主権在民を主張して戦ったのですが、治安維持法により拷問収監、そして発狂、肺炎と24歳の若さで亡くなってしまいました。
東京女子大在学中、東大法学部卒の浅野晃と結婚し、夫婦別性を取り入れた先駆的なジェンダー推進者でした。

二人とも検挙されたのですが、夫である浅野氏は戦争推進派に思想転向をし、戦後も要職に就き生き抜きます。
千代子はショックを受けたけれど、意思を曲げず短い生涯を閉じたのです。

どんな時代も先駆者たちには過酷です。
私たちはその人たちの引いたレールの上を歩いているだけですから、なんの痛痒を感じていません。

私の尊敬する84歳知人は決して偏った思想主義者ではありません。
伊藤千代子だって、もともと貧困をなくしたい、みんなが幸せに暮らせる世の中を作りたいと主張しただけなのです。

100年たってまた帝国主義の国が力をもたげ、あちこちで戦争の兆しが見える時代に戻っています。
こんな時代だからこそ、過去を振り返ってこれからを考えることが大切だと考えさせられます。

伊藤千代子、歴史の教科書にも出てこなかった一人の女性のことを初めて知りました。
時代に順応して生きていたら、きっと大きな仕事を成しえたでしょう。
強く賢い女性を失ったのは国家の損失でした。








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2 コメント

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のりのりさんへ (くりまんじゅう)
2022-05-09 14:08:43
伊藤千代子さんのことは知りませんでした。この映画を観たいけれど
田舎ではやってないし ある期間置いたらアマゾンプライムテレビ
で観られると思いますので 楽しみにしています。

千代子さんの生きた時代は 国の方針に異を唱える者は重罪人と見なされ
千代子さんは投獄され それでも苦しい拷問に耐えたが 同志であるはずの
夫の心変わりを知って彼女は精神を病み 24才の若さで亡くなったのですね。
小林多喜二も拷問で殺されましたもの。
言われるように今また世界が 帝国主義時代にもどりつつあります。

>どんな時代も先駆者たちには過酷です。
ほんとにそうです いばらの道を開いてくれた彼・彼女たちが命を落とし
何年も経ってから その働きが評価されますもの。
どうぞ84才の先輩の方が いいものが書けて出版できますように。
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くりまんじゅうさんへ (のりのり)
2022-05-09 16:21:35
いつになったら戦争がない平和な世界になるのでしょう。
いつもどこかで戦争が起きていますもの。
当たり前の生活が当たり前でなくなったら困ります。
この映画は見ていてつらいものがありました。
もっとハッピーな映画を見たい人には向かないかもしれません。
84歳の知人、すごいパワーのあるかたです。
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