かの人がくる夕べ
我は鏡に向かいし
黒髪を
梳けずり
梳けずり
梳けずる
黒髪は
艶をまし
滑らかに
波打つ
我の髪の
魂を吸いし
柘植の櫛
櫛の歯を数える
微かに奏でる
もの寂しき音
かの人が来た夜
褥に共寝せし
かの人は我を
静かに抱く
闇に紛れし黒髪
かの人は
我の黒髪を
梳けずり
梳けずり
梳けずる
そして
我の髪に
顔をうずめて
眠りにつきし
杏の香りが
漂う夜
我は鏡に向かいし
黒髪を
梳けずり
梳けずり
梳けずる
黒髪は
艶をまし
滑らかに
波打つ
我の髪の
魂を吸いし
柘植の櫛
櫛の歯を数える
微かに奏でる
もの寂しき音
かの人が来た夜
褥に共寝せし
かの人は我を
静かに抱く
闇に紛れし黒髪
かの人は
我の黒髪を
梳けずり
梳けずり
梳けずる
そして
我の髪に
顔をうずめて
眠りにつきし
杏の香りが
漂う夜
確かにイメージとしては、いろんな感情が入り混じっている感じです。
そこを感じて頂けて、とても嬉しいです。
…「疑い」。
櫛が奏でるもの寂しき音は後者を思わせているようで、愛しい男(ひと)を待つ女の切なさを感じました。
とてもしっとりした詩で、私は好きです。