糖尿病性腎症による透析患者にとって、栄養管理は最も大事なことの一つです。
カロリー・塩分・水分・カリウム・リン・血糖値・・・など、
数値制限のあることばかりです。
勿論、適度な運動と良質の睡眠・便通など、皆大事なものばかりですが、
とりわけそれらの数値は透析病院に管理され、適切な指導と治療を
受けられているものの、日常の生活は全て
「自己管理」に委ねられています。
これはある意味で自由度が大きいと言えますが、
実際には自己管理ほど難しいものはありません。
特に栄養管理では、基本的に何を食べてもいいのですが、
その量は厳しく管理しなければなりません。
糖尿病性腎症と宣告されてから早15年、そこから栄養成分表と
にらめっこしながら食事コントロールに励むことになりました。
今までは仕事中心でストレスをたっぷりと溜め、
健康のことなどまともに考えることもなく、
空いた時間に好きなものを好きなだけ食べていた生活から、
ガラッと切り替えることを決意しました。
というよりは、そうせざるを得なくなるほど追いつめられた結果でした。
食品の栄養成分に対して全く知識のなかった自分に、
管理栄養士の指摘と指導は一言でいえばショッキングな出来事でした。
自分の日常生活は、健康学的にはでたらめな生活をしていたことが、
ハッキリと自覚できたからです。
そして食べた食品の栄養成分と、体調と血液検査の結果が、
常に一致していることも分かりました。
管理栄養士にたとえ私が曖昧な報告をしたとしても、血液検査の数値は
そう簡単にごまかせるものではありません。
全て「お見通し」なのです。
管理栄養士の鋭い指摘に観念して、これからは体をちゃんと労わって、
体に優しい食生活に切り替えることにしました。
自ら食品のカロリー・タンパク・塩分・カリウム・リンを
計算しながらの食事作りをするようになりました。
特に外食では塩分の制限が難しく、カロリーや蛋白の量など、
栄養成分をなかなか把握できません。
和食は素材と調理法がはっきりしている分だけ、把握しやすいと言えますが、
洋食や中華など成分を計算しにくい外食は殆どしなくなりました。
スーパーで何かを選ぶ時も、必ず成分表示見てからでないと
買えなくなりましたし、ましてや成分表記のないもは基本的に選ばなくなりました。
栄養成分の管理は体調管理に直結していることが分かったので、
その対策のとして、
①0.5mg単位で量れる量りを購入すること。
②毎回の食事を栄養ベースで方眼5mm幅の手帳(Handy pick 17)に
記録すること。
この手帳は方眼タイプなので線を引きやすいことと、胸のポケットにも
収まるところが気に入ってます。
③外出時でも簡単に栄養成分を把握できるように、自分なりの
ポケットサイズの簡易一覧表を作成し携帯するようにしました。
以来15年間、食事作りの時は台所にある量りを使い、
出来上がったものは食事テーブルの上に置いてある、
量りで計算する生活が始まりました。。
勿論食べたものは基本的にすべて手帳に記録します。
時々忘れることもあって、続けるのは大変でした。
それでも今日まで途切れることなく続けられてきたのは、
主治医と看護師・管理栄養士の温かい励ましがあったからです。
この手帳は他に起床時間・朝晩の体温・血圧・体重・水分量・小水・
お通じの回数などを記録しています。
こうして「量りと管理手帳」は、私の療養生活の大事な「友」となって、
今も活躍してくれています。