台湾・札幌百合の会 「ゆりの会」(中国語・日本語での日本と台湾との交流会)taiwanyuri@outlook.com

札幌市地下鉄東豊線「学園前」の台湾語・日本語・中国語交流会。
taiwanyuri@outlook.com

台湾の少子化現象

2006年08月04日 | 観光と文化
少子化に対応し小学1年生の学級人数が来年度から大幅減少

 日本の社会でも少子化問題は大きな関心事となっているが、台湾教育部は8月1日、今後児童数が大幅に減少することが見込まれるため、全国の小学1年生の学級人数を来年度(2007年)から一クラス32人に減らし、5年後には29人を目標に調整することを決定した。

 台湾教育部の統計によれば、小学校の児童数は全国で各県市とも今後5年間一貫して減少することが見込まれており、とくに2008年以降は20%以上の大幅減少になると予測されている。全国の小学1年生の児童数は2001年には31万8,062人だったのが、毎年の新生児の減少に伴い、2011年には19万5,323人にまで減少すると予想されている。このため、現在の1クラス35人の学級編成を今後も維持すれば、学級数は今後5年間で9,970クラス減る計算となり、これに伴い教師の数は15,122人が過剰となり、このうち定年退職者を差し引いても4,774人が過剰になると予想されている。

 台湾教育部では少子化に対応するためすでに「国民教育精緻案」を策定し、学校教育指導のレベルアップと教師の安定した配置、教育資源の有効活用を重要戦略目標に掲げ、これ以上教室を増設しないとの原則のもと、全国の1年生の学級人数を2007年度から32人に減らし、08年には31人、09年には30人、10年以降は29人とする方針をまとめた。同案はこの日、行政院で承認され、政府はそのための予算として162億7,400万元(約570億円)を投入する。

 これに基づき、来年から小学1年生の学級人数が順次減らされる一方、小規模学校については一部教師を増員することも検討し、クラス数が9つに満たず児童数が50人を超える学校については教師1名を増やすこととし、その人件費は中央政府から学校の所在地である地方自治体に対し補助されることになっている。同措置により、今後毎年増え続ける教師の過剰問題を解決すると同時に、新たに300人の新人教師の採用枠を設け、学校現場の教師の新陳代謝を促し、教育人材を安定化させ、教育指導をレベルアップすることが期待されている。

 今回の少子化対策に関し、蘇貞昌・台湾行政院長は同日「少子化は既定の事実であり、現実に合った教育環境を改善していくことが必要だ。とくに、小中学校の教育課程は人間の人格形成に最も重要な時期である。立派な人格と情熱のある教師が教育分野に投入され、国際競争力の向上に努めてほしい」と期待を述べた。

 また、台湾全国教師会は「これにより教育の質が向上し、子供たちの幸福感が高まることこそ最大の恵みだ」と述べ、今回の措置を評価するとともに、中学校についても早めに対策を講じ、教育の質をさらに高めるため政府が適時資源を投入することに期待を示した。

                                         《2006年8月3日》



コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 台湾で放送中の日本ドラマと... | トップ | 台湾のグルメの祭典「台北中... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

観光と文化」カテゴリの最新記事