カバと思ってたらサイ

両親を見送って1年。終活って残された人のためにちゃんとせにゃ。と実感つつ、両親を送るまでの日々を時系列に綴っていきます。

小春日和に逝く

2023-11-18 10:28:04 | 日記
八朔です。

通勤電車から富士山が見えます。他の山だとなんとも思わないのに富士山は見えるとうれしいのはなぜでしょう。
他の人が
「あ。富士山」
というのを聞いて見つからなかったときの悔しさときたら。


さて。

「最近の様子だといつ来ても」
みたいなことを言われて、
「とりあえずは救急車を呼んでください
と頼んで1ヶ月以上。
今までどおり予約して面会に行って。みたいな日々の繰り返しで、季節的に落ちる時もあるんじゃない?と戦中派の粘りを感じてた頃。

会社に妹から電話が。
「パパが死んでしまったって」
「え?え?」

「父が亡くなったみたいなので」
「えーー。」
早退して施設に駆けつける。

寝てる父。
いや、寝てるみたいな父。

妹家族が先に来ていた。
「朝ごはんのあと、見に行ったら居眠りされてるのかと。10時のおやつで起こそうと思ったら、もう。」

日当たりの良い部屋でうとうとしたまま。だったみたいで。
まだ温かい父は、ホントに寝てるみたいでした。
「起きろー」
と、念のため、耳元で呼んでみたくらい。

あれ?俺、死んでるのか?
って、幽体離脱して近くで言ってそう。
そうだよ、お父さん。

そんな父を前に、悲しいというより、こんな感じでよかったと思っていました。

温かい11月のお昼でした。




骨折は天国の入口か

2023-11-16 15:32:52 | 日記
八朔です。

朝なし、昼コンビニのおにぎり、夜焼き鳥とかで一杯。
こんな食生活なのに、人生史上、最大重量なのはなぜ?
教えて、アルムの森の木よーーーっ
なぜーーっ


さて。

そろそろ終末期の話をします。
人工透析のシャント(透析の点滴をするための入口)も寿命があって、2年持たずに新しいのを作ることになります。
父の老健は一階が透析室になっているし、隣接の病院があるのでそこで作ってもらえます。
一応、退去して入院して退院して入居するという一連の儀式はあるけれど、ノンストレス。

この老健でも割と色々な行事があって、クリスマス会や縁日的なこともしてくれるところで、
「なんだ、くだらん」(by父)
とか言いつつ、サンタの帽子で笑ってる写真なんかも見せてもらいました。

スタッフにカメラが趣味の人がいて、敬老の日に帽子をかぶっておしゃれした写真を気に入って、何度も見てるというから
「遺影はこれにしようよ」
「バカヤロー。親不孝もんっ」
と笑ったのを覚えています。

この頃はコロナがまだあって
面会は一階の受付で刑務所みたいなアクリル板越しで一回30分とかでした。

次の人が来てるから。と言うと、
「じゃ、喫茶店でもいこう」
「コロナだから出られないんだよ」
「なんだ、そりゃ」
全く「透析」も「コロナ」もなんだかよく理解しないままの男。

そんな頃に「転んで大腿骨を折った」と老人あるあるの事故で緊急手術して入院。
これは隣接病院じゃなかったし、なんだかトゲトゲしい看護士が多くて、一言多い父が波乱を起こすのではないかとヒヤヒヤ。コロナであえないし。

ここでの入院が、父を急速に弱らせたように思います。
骨折して入院して心身共に落ちるルート。

退院して老健に戻ってきてからケアマネージャーに呼ばれて、またクレームかとおずおず姉妹で行くと
「お父様はもしかしたらもう長くないかと。」
という話。
延命治療をどうしますか?という再確認でした。

わかってるけど、しょんぼり。

しょんぼりしてるのがわかったのか、「ついでに会っていきますか」
コロナながらもサービスしてくれました。

長くなったので続く。











高齢化なのにIT化とかどうかしてるぜ

2023-11-14 07:48:00 | 日記
八朔です。

先月、簡単に増えるというので癒されたいと思ってメダカを買ってみました。
思いの外、簡単に減ってあと一匹です。
もう増えない。。。なんでや。


さて。

両親共に施設に入ってからも、自宅介護の人に比べたら大したことではないのかもしれないが、それなりに色々あります。

多いのは連絡がきての救急搬送、生活用品の補充や入れ替え、スタッフからのクレーム(父に限るw)などなど。
最初、キーパーソンは私がなっていたのだけど、仕事中の呼び出しに「もう無理ー」と悲鳴をあげて、父担当は妹、母担当は私とキーパーソンを分けることにしました。

妹がいてよかったー。
同世代の友人もみんな両親の介護とか病院とかで同じような状況だけど、「お兄ちゃんとか全然役に立たないし、奥さんじゃ気兼ねするし」
で男兄弟には不満タラタラが多い。

1人っ子だったら、男も女もないだろうけど、うちみたいに同時進行で両親介護だと、もう生活が破綻するわ。身も心も。
パートみたいに時間仕事だったら、休んだりもしにくいし、金銭的にも影響大。

考えるとホントに大変な状況の人は多いのだろうなー。

言い方悪いけど、同じように手がかかっても、子供を育てるのだと幼稚園になればとか小学校に上がればとか先が見えるけど、親は、いつまでか先が読めない。親孝行の気持ちがあっても、時々折れる訳です。
悲しい事件もありますよね。

昔読んだ「星新一」で、親が段々小さくなって、赤ちゃんみたいでみんなで面倒みるみたいな話があったなー。
なんて話か、話の内容もおぼろげだけども。
その時は、中学生くらいでなんとも思わなかったけど、今「星新一すごいっ」と思う。

タイトル知ってる人がいたら教えてください。







さすらいの施設探し

2023-11-12 20:29:17 | 日記
八朔です。

こたつを出そうか迷いつつ、こたつ布団を干したら雨にやられました。
寒いですー。


さて。

人工透析になってしまった父の施設を探した話です。
今までの老健では受け入れ不可でしたし、万一OKでも老健は長くて半年というのがあるので、安心して長くいられるところを探すことに。

母と同じところも新規が空いてないとのことでNG。父がわからんちんすぎるので、穏やかに過ごしている母を勝手に起きあがらせたりと迷惑かけそうな予感もあるし。事故防止の観点からも心配だったので
「今空いてなくてすみません」
という言葉にホッとしたのは事実。

病院のソーシャルワーカーは新卒すぎて何を聞いても
「よく知らないんですが」
「どういうところかわからないんですが」
と、頭につけての説明ばかり。
ネットの方がよほど役にたつ。腹が立つ。

「療養型の病院」なら、透析施設との連携があるのでいいかも。と妹と見学に行った都内の病院。名前を聞いたことがある美容外科のクリニックがやってるというからキレイかなと思っていきましたが、狭くて汚かった。
ライザップがやってる場末のチョコザップ。といえばいいのでしょうか。
みんなベッドで寝ててあまり動かないし話し声もしない。
係の人も「お父様はまだここまでの状態ではないかと」
静の空間すぎて、GPSのお守り持たされるじいさんの面倒なんか見きれないと思われるし。
ここで一気に朽ちていく父も見たくない。

私の家の近くに新しくできたという施設があったので、こちらも行ってみた。そこは老人ホームだが、割と安い。
行くとコンシェルジュというタキシードみたいな格好の貴族が説明してくれた。
グランドビアノがあって、週末はピアニストがくるとか。
コーヒーも「豆を選んでください」とか言われるし。なんだか気取ってる。
部屋もキレイで広い。
「まだ2年ほどなのでほぼ新品です。」
「部屋は空いているんですか。」
「大丈夫です」
「部屋によって値段が違いますよね」
「どこでも大体空いてます
って。どういう空き方?
聞いたらまだ申し込みは3組で入居してるのは1人だとか。
2年もその状態って。つぶれる匂いしかしないんですけどっ。
地主のボンボンが騙されて作っちゃったのでしょうか。あかん。。

結局、母の施設と1駅ちがいくらいの老健に落ち着きました。
ここは人工透析室が1階にある老健で、ほぼ透析の人というのもあって個室に入れば、老健の半年退去ルールから外れるという。
個室はちょっと高いけど、スタッフが透析患者になれているのもあるし安心かなと思って。
母のところに連れて行ってもあげやすいし。

やれやれ。
結局、父は最後までここで暮らすことになりました。



人生に終わりはない

2023-11-10 09:48:13 | 日記
八朔です。

昼の韓流ドラマを録りためてたのを見たらなんだかんだと10話で寝不足。なんだろう、この中毒性。
今年の忘年会にかに道楽を予約してしまったのは、韓流ドラマ間の蟹の通販CMのせいだと思います。
グルコサミンも買いそう。


さて。

父はもともと腎臓が悪くて通院していたのですが、ついに「透析」の話が出てきました。
透析ははじめたら、ずっと続けないといけないし、1日おきに何時間も拘束されるので
「できれば避けたい。」
と思って、何度か医者と相談して
「ではもう少し様子を見て
にしてもらっていたのだけど。

さすがに素人でももうやらなきゃだろ。という雰囲気から病状はわかる。

「透析はつらいからやらない。という選択肢もあります。」
「欧米とかの話ですか。」つい聞く。
「え?いや、日本でです。」

日本でもやらない人はいるのね。

「ただ、あっという間になります」

え。あっという間って。平然と言うな

「透析用の基地みたいものを腕に設置する手術をします。これは短時間の簡単なものです。」

「お願いします」
一緒に聞いてた父がさらっと言う。
本人が希望してるならいいや。肩の荷が降りる姉妹。
「よろしくお願いします」輪唱。

てことで、人工透析はじめました。

病院ではじめて、しばらく経過をみたら退院。
人工透析の送り迎えとかに対応してくれる施設を探すことに。

透析って1日おきなのに、やった次の日はダルくて寝込んでて、また透析という人生だという人もいると聞いてなんだか闇落ち気分の私たち。

「お父さんは大丈夫だと思いますよ」
医者は励ましてくれたけど。。

人工透析するから、面会日も限られる。
心配しつつ行ったら、病室に父がいない。
え?なんかあった?どこ?

「よう」
歩いて帰ってくる父。売店に行ってたそうで。
「看護婦がせんべい食べたいっていうから買ってやってた」
そんなこと言う看護士はいない。

「ちゃんと寝てなさいよ。」
「こんなお守りくれたんだ♪
それはお守り型のGPSだよ、お父さん。

ま、モテオトコ気分でご機嫌だからいいけどさ。

「体調どうよ?ダルくない?
「なんかやたら点滴ばっかやるからしつこいって言ってやった。」

お父さん、それが人工透析というものですよ。

ホントに父は大丈夫だった。