青く燃え盛る空に
浮かんで、鮮やかに映える
でも、その雲は
知らず、知らず
みるみる、育つんだ
入道雲
おどろおどろしく
灼熱の夏の青空に
育ったかと思えば
あっと言う間に
真っ暗に、空を
覆い尽くして
稲光り、遠い雷鳴
でも、すぐに
雨粒が
微かに、頰を打って
あっ、やばいって
思う間もなく
土砂降りの雨になる
子どもの自分が
友だちと遊んでいた
あの昼下がり
いや、子どもだった息子たちと
海辺に遊んでいた
いや、違う
いぬたちを、連れて
燃え尽きた、真夏の夕方
のんびり長い
あの田んぼ道だった
かも知れない
急ごう
雨宿り出来る場所なんて
どこにもないよ
さあ、もっと
急ぐんだ
でも、ずぶ濡れの
土砂降りは
もう、上がって
あの里山の
向こうには
もう、夕焼けだ❗️
でも、今の自分は
リビングに、寝転んで
ひとりだ
もくもくと、育ってくる
あの入道雲を
ぼんやりと、眺めている
幼かった友だちも、いないし
幼かった息子たちも
もう、いる筈もいない
そして、雲行きが怪しくなった
目の前の庭には
もちろん、いぬたちもいない
真夏の昼下がりだ
でも、この部屋の中で
雨には、濡れないけど
自分は、ひとりだ…