卵と私の日常サタン事

認めたくないけど…
金銭に余裕がある時は
ストレスも比例してたまって…
貧しい時は…何だかんだ楽しいwww

あの日見た秘密基地がどうなったか僕達は知らない

2021-10-22 11:06:57 | 日記


あの頃…俺たちが作った秘密基地は…
どうなったんだろうか。


持ち寄ったエロ本、ラジオ、傘とか畳。
それら全てをほったらかして
俺たちは大人になってしまった。

楽しかった。
すっげー夢中だった。
世界も広かった。
なんせ
学校区以外は
行っちゃいけなかったから
未知の世界だった。

俺らの基地は
近所の林だか山に
でっけーテリトリー築いてたけどな。
コンビニとかスーパーから
ダンボールもらいまくった。
そこでラーメンつくったり
ロケット花火飛ばしまくった。

俺がみんなを呼ぶ声…
みんなが俺を呼ぶ声…
どんなことしゃべってたか
ぜんぜん思い出せない。

夏休みがすげえ楽しかった。
なんか今とは違う
暑さだったっていうか。
毎日のように友達と遊びに行って
飽きもせずにアイス食ったり
プールで大騒ぎしたり…
夏の終わりの花火は
今思い出すと本当に泣きそうになる。

電線で爺ちゃんが作ってくれた
ブランコは革命だった。
林の中に秘密基地を作った。
草むら掻き分けて寝室とか台所とか…

自分は途中参加だったから
試験みたいなのがあった。
秘密基地の近くにある
岩の斜面から飛び降りるってやつで
今思えば3~4メートル
くらいのもんだったけど
当時小4だった自分には
かなりドキドキもんだった。

そこは工事現場で
そのもっと前は原っぱで…
焚き火をしたり
穴を掘ったり
虫を捕まえたり
喧嘩したり絶交したり
拾ってきたガラクタを
古い煉瓦の焼却炉にかくしたり
ドブで溺れてた小さな蛇を
綺麗に洗って干したり

学校になじめない
年上の姉ちゃんが
川のほとりで怖い話をしてくれたり
そんな思い出が
いっぱいいっぱいある場所なんだ。

死んだ鳥やハムスターが埋まってて
そいつらが苦しくないかなって…
たまに胸が痛い。
あんまり上手に思い出せないから
もっと胸が痛い。
かえりたいけどかえれない。

でも…擦り切れた想い出だけは残ってる。
砂場で一心不乱に山作ってた時
ふと陰って…見上げたら
雲が流れてた。
よく晴れた日で
何で雲が早いのかとか
全然分からないままに
ただボケーッと見ていた。

土手を近所の店でもらった
ダンボールで滑って
でもダンボール小さく分解しすぎて
ケツがはみ出てて
結局泥だらけになったり
木にロープかけて
ターザンごっこしたり
クワの実とったり
枇杷の実とったり
ザリガニ取ったり
ドジョウすくったり…

今日やった遊びが面白かったから
『続きは明日な♪』
って言ってても
次の日って大抵もっと
面白そうな事が出来てて
昨日のことなんか
忘れちゃうんだよ。

花火をしてると
自然と友達が集まった。
砂場でサッカーやバスケを
日が暮れるまでして
腹が減ったら家に帰る日々。
あの頃は一日が長くて
そしてとても楽しかった。

そうだな…
そうだったよ…
俺たちはそんな時間を過ごせていた。
幸せだったんだよ。

飽きるほどに通った公園なのに
いつまでも飽きなかったのは
どうしてだろうな。

思い出は
なぜだか夕焼けに染まっている。
裏手の幼稚園から
『七つの子♪』
が流れてきて
それがさよならの合図だった。

よく友達と
近所の抜け道や細い道を探しては
無意味に探険したり
駆け回ったりした…
もう二度と通らない道なんだと思うと
せつなくなる。

土曜日は午前中授業で
全生徒校庭に集まって校長の話の後
一斉下校。
他の班と一緒に
ガヤガヤ騒ぎながら
帰るのが楽しかった。
解散する前に遊ぶ約束して
昼飯食った後すぐに家を飛び出して…

なんだろうなぁ。
あの土曜日の昼の空気って
すごい特別だった。












小学生の頃
ガケの下にコンテナを発見して
改造しまくった。

近所の粗大ゴミ捨て場から
えっちらおっちら
いろんなの持ってきた。
椅子とか。
変な木の像とか。
レースのカーテンを拾ってきて
窓っぽいとこにつけた時は狂喜乱舞。
親に隠れていろんなことした。
本読んだり
木からミカン取ってきて
みんなで食べたり。

しばらくしたら
俺が転校することになって。
みんながその秘密基地を俺にくれた。
拾ってきた板に
彫刻刀で全員の名前を彫って
出入り口のところにつけた。

一番大きく彫られているのは俺の名前。

泣いた。

学校のお別れ会では泣かなかったけど
それ見て泣いた。

今は当然もう無いだろうけど
それでもいいんだ…

俺は覚えてる。

嬉しかった。
引越し前日
布団の中で泣いた。



それから十余年



君達とまたいつか逢えたら
髭の生えた顔をあわせながら
昔のワルガキ仲間同士で
酒を酌み交わしたいもんだな。

あの頃は
本当に何でも輝いて見えていた。
親父やおふくろも
近所のおっさんも
みんな幸せそうに見えた。

きっと今も変わらないんだろうけど
毎日が楽しくて仕方なかったから
退屈なんて言葉
知らなかったから
そう見えたんだと思う。



今じゃ
カルキ臭くて飲めない水道水を
ゴクゴク飲んでた。

今じゃ
汚らしくて触れない虫を
大量に掴んでた。

今じゃ
もう出せない声で
めいっぱい笑ってた。


あの少年の日
時々思い出せば
この忙しい都会で生きる事に疲れても
頑張れると思う。


今ではあの空き地にも
立派な高層マンションが建っている。


マンションの下に眠ってる
クッキーの缶の中には…



あの夏の空気も入ってる。



想い出が色褪せないように…



今を精一杯、生きよう。












回〓たまこ〓顧


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