時のつれづれ(北多摩の爺さん)

下り坂を歩き始めたら
上り坂では見えなかったものが見えてきた。
焦らず、慌てず、少し我儘に人生は後半戦が面白い。

人間も生活インフラも老朽化

2025年02月01日 | 時のつれづれ・如月 

多摩爺の「時のつれづれ(如月の44)」
人間も生活インフラも老朽化

揉めに揉めた某テレビ局の記者会見が未明に終わり・・・ やれやれと思っていた矢先、
埼玉でとんでもない事故が起こってしまった。
幹線道路の交差点が陥没してできた大きな穴に、トラックが呑み込まれてしまった。

クレーン車を呼んできて、トラックを吊り上げてドライバーの助け出した後、
現場検証と復旧工事に入るんだろうなと・・・ 高を括っていたら、
陥没内で土砂崩れが起こったり、水が湧き出したりで、穴はどんどん大きくなり、
近隣住民どころか、かなり広域の住民の生活にまで影響がでて、とんでもない事態になっている。

人命救助の精鋭部隊でもあるレスキューが、夜を徹して救出の任に就いていたが、
昨日の時点ですでに4日が経過し、5日目の朝を迎えたが、
いまだにドライバーを救出することができず、時間の経過とともに安否が気にかかるなか、
ただ、ただ、見守るしかないのが辛いし・・・ 悔しくて堪らない。

この国の地下にある生活インフラ(上下水道、雨水、通信、ガスなど)の配管は約49万㎞あり、
月までの距離を遙かに超えていて、なんと地球を12周しているらしい。

だからどうのと言うわけじゃないが、
この国が抱える深刻な問題に・・・ 少子高齢化があるように、
生活インフラそのものではないが、埋設された配管などの老朽化が深刻で、
人間の高齢化と同様に・・・ 設備の耐用年数(50年)が、月々日々に迫ってきているらしい。

さらに問題視しなきゃならないのは、政治は国土強靱化を掲げ、事態を深刻に捉えてはいるものの、
調査や点検をする人々や、復旧や保全の工事に携わる人々が不足しているにも拘らず、
この国に暮らす生活者の大半が、それを他人事のように聞き流していて、
視点を変えてみれば、そちらの方がもっと深刻なのかもしれない。

かく言う私も、聞き流している者の中の一人だから、
他人のことをとやかく言ったり、揶揄するつもりなどないが、
「財布にカネ(予算)はあっても、仕事をする人が足りない。」といった事態を直視すれば、
現実はもっともっと厳しい状況にあるということなんだと思う。

今回の事故を踏まえ、幹線道路の地下に多くの配管があることに不安を抱く人が多いらしい。
確かにそのとおりだと思うし、不安に思う気持ちも分かるが、
一方で、そこに人が居るから設備が必要になったと捉えることもできるので、
鶏が先か、卵が先かの議論をするつもりはないが・・・ 責任の所在がややこしい。

また、国や自治体が、土木工事(国土強靱化)への予算配分を推し進めれば、
「利権と癒着が生まれる。」と危惧する方々がいて、声を大にして抗議活動を展開してくる。

まっ、土木工事の発注が、絶対に不正の温床にならないとは言い切れないものの、
利権と癒着の結びつきを心配する前に、
契約の透明化に知恵を絞る方が先だと思うが・・・ 間違っているだろうか?

それでなくても・・・ 土木作業に従事する人手が不足し、
外国人労働者に頼らざる得ない現状を「どう捉えるのか?」という重大な課題があり、
論点に拘って着手が遅れると、それだけ工期が長引き、生活にも影響が出る場合もあるので、
外国人労働者頼みとなった人手不足は・・・ おそろしく深刻な問題になっているようである。

もう15年以上も昔のことになるが・・・ 「コンクリートから人へ。」と云う
耳障りの良いキャッチコピーを掲げて、政権を担った政党があり、
暮れの補正予算では、能登の災害復旧予算の増額に、ことのほか執心していたが、
今回の陥没事故は、いったいどう捉えているのか聞いてみたい。

災害復旧(事後対応)は、進捗が見えるし、票になるので汗を掻くが、
防災(事前対応)は、その成果が見え辛く、票にならいので良きに計らえだったら、
なんて言ったら良いのか・・・ 次の言葉が出てこない。

防災とは、そもそも災いを防ぐということであり、
天変地異が起こってから、復旧の任を担うということではなく、
本来あるべき仕事は、事後対応がメインではなく、事前対応こそがメインであって、
国土強靱化そのものだと思うが・・・ 如何なものだろうか?

先月末から審議が始まった・・・ 115兆円(一般会計)を超える2025年度予算には、
国土強靱化に関係する予算が、約4.3兆円が見込まれているらしい。

その内訳が・・・ 道路なのか、河川なのか、護岸なのか、橋梁なのか、山岳なのか、
どこにどれだけなのか、詳しいことは分からないが、
崩落や倒壊、陥没、浸水などを予防するための、保全強化や整備取替にかかる予算であり、
天変地異による災害復旧とは別物だと思うが・・・ 如何なものだろうか?

総理は・・・ 昨秋の与党の総裁選に挑んだときも、総選挙後に総理の任に就いてからも、
強い決意を持って、各省庁の権限を集約した防災庁を作ると述べていたが、
いまこそ、リーダーシップを発揮していただき、
迅速な防災予算の執行に、全力を尽くしていただきたいと願ってやまない。

ここで年寄りの戯言(たわごと)を・・・ 一つだけ記させていただきたい。
説教のように見えたら申し訳ないと思うが、私のような年金で暮らすものの大半は、
30年も経たないうちに、鬼籍に入ることが約束されていて、現状に特段の不満はないが、
30年後に困るのは、現役世代や学生を含む多くの若者たちであることを、忘れないでいただきたい。

そんな若い方々が、駅前や街角でマイクを向けられると、
「結婚に興味がない。」とか、「子どもはいらない。」とか、平然と応じている姿を見ると、
我々世代が育て方を誤ったかも・・・ と、反省するとともに、
30年後に同じ質問を受けたとき「愚痴を溢すことだけは勘弁してくれ。」と申し上げておきたい。

政治に100%責任がないと、断言するものではないが、
さまざまな環境のなかで、人を生み、人を育み、人に託すということは、
人としての意識の問題であり、成熟度のバロメーターだと思うが・・・ 如何なものだろうか?

もちろん、良縁に恵まれない方々が多数いて、
子どもが欲しくてもできない方々が多数いることも承知しており、
言葉足らずだと、お叱りを受けるかもしれないが、
そういった方々に向けての発言でないことは・・・ 文面でご理解願えるだろう。

くどくて申し訳ないが・・・ マンパワーが不足する少子高齢化対策は、
若者の未来対策であることを、
若い方々は、いま一度考えていただければと願ってやまない。

最後に、本文はあくまでも個人的な思いを綴ったものであり、
コメントを頂戴しても議論するつもりはないので、申し訳ないが了知願いたい。

追伸
暦が変わった如月の朔日・・・ 北多摩は厚い雲に覆われた朝を迎えた。
女房から「牛乳、買ってきてくれる?」と言われ、駅前のコンビニに出かけたら、
近所の私立中学を受験する親子が、改札口からたくさんでてきた。

「良かったね。雨が降らなくて、雪が降らなくて・・・ ホントに良かった。」
買った牛乳を持って帰宅する途中、
受験に向かう親子の後ろ姿に「ガンバレ!」と心の中でエールを送っていた。
頑張る子どもたちが、真新しい制服を着て入学してくる・・・ 草木萌動の春が待ち遠しい。


コメント (2)    この記事についてブログを書く
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2 コメント

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Unknown (多摩爺)
2025-02-01 09:26:18
けんすけさん、おはようございます。

政党には政党の思想信条があり、それを踏まえたうえで政党の老朽化は投票で変えられるので、
むしろ有権者の老朽化の方に問題ありと私は思っています。
ジェンダーについてもさまざまなご意見がありますが、新陳代謝というか世代交代は必要なことであり、
後期高齢者となった政治家は第一線から退き、責任を持たないご意見番としてコメントを発するべきだと思っています。
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おはようございます (けんすけ)
2025-02-01 08:39:49
直ぐに思ったのが自民党の老朽化でした。
政治は固定化してはなりません
今は富裕層優遇ではなく国民の多くが幸せとなるべきです
時代の招請に応じて考え方を変えるべきです。
と思いました。
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