多摩爺の「時のつれづれ(睦月の62)」
海外投資の源泉を辿る。
トランプ2.0がスタートして1週間が経った。
突っ込みどころ満載の大統領令に次々サインしているようだが・・・ ちょっと気になったのは、
この国を代表する大企業2社が表明した、アメリカ国内への投資についての扱いの違いである。
その一つは・・・ 日本製鉄が141億ドル(約2兆円)を投資するUSスチールの買収であり、
そしてもう一つは、ソフトバンクグループがアメリカの企業3社と共同で、
先端技術分野を対象としたデータセンターやAI関連のインフラ構築に、
4年間で最大で5000億ドル(78兆円)の投資をすると発表したことである。
ところが、アメリカの新大統領は、どちらも投資(アメリカ国内への出資)なのに、
後者は大歓迎で、自ら主催する記者会見に同席させているのに、
前者に対しては、ケンもホロロだから・・・ なにがなにやらである。
まっ、それはそれとして・・・ そのおカネ(巨額な投資額)って、
もとをただせば、いったいどこのだれ(資金の源泉)が出したおカネなんだろうか?
たぶん、どこのだれも、そこんところを気にしてないので不思議に思っている。
ビジネスというか取引って、基本的には大企業から小さな店舗を含んだ、法人の間で行われるか、
大企業から小さな店舗を含んだ総ての事業者が、仲介する事業者や個人などのツテを経て、
最終的に個人に至るかに大別されていて・・・ 一般的には「B(ビジネス=企業)toB」とか、
「BtoC(コンシューマ=個人)」のように、すでにビジネス用語になっている。
さらに最近では・・・ toの部分と、toの先には、
M(マシン=機械)や、G(ガバメント=行政)、E(エンプロフィー=従業員)が、
含まれる場合もあったりして、私が現役の時と比べて随分と多様化しているようだ。
まっ、能書きはさておき・・・ 日本製鉄とソフトバンクグループが、
出資しようとしている資金の源泉は、いったいどこにあるのか、ちょいと考えてみた。
ひらたく云えば・・・ 「そのおカネって、メチャメチャ大金なんだけど、
いったい、どこのだれが工面してくれたのか?」ということである。
ジョークなら、銀行から融資だと云えば・・・ それで済むが、
気になるのはそこんとこじゃなくて、もともとの源泉はどこにあるのかであって、
2社の源泉を辿れば、そこには明確な違いがあった。
日本製鉄の場合は、もちろん法人取引(BtoB)から得た売上であり、利益からだと思うが、
一方でソフトバンクグループの場合は、投資会社としての運転資金や運用益もあると思うが、
その大半は同社と契約して、月々の通信料や通話料を支払ってる、この国の個人から得た売上であり、
当該法人と契約した、個人の支払い(BtoC)が源泉になっていることに気づかされる。
そして、通信事業を基軸にしているこの会社のホームページを見てみると、
先端技術に関する研究所を作ったのは3年前だから・・・ いまごろって、思ってしまった。
以前に別の名称で、そのような組織があったかどうかまでは分からなかったが、
この規模の企業でこれには驚きを隠せないが・・・ 「やっぱりな。」という思いもあったりする。
別にアンチではないが、私の捉え方が偏っていると云えば、そうかもしれないので否定しないが、
これまでの当該企業は・・・ 研究や開発に関する投資には消極的に見えていて、
穿った視点で恐縮だが、技術については汗を掻かずにおカネで買ってきて、
サービスや料金に反映させてきたイメージがあり、他人の褌で相撲を取っている印象が強かった。
そういったイメージの企業が・・・ 海外に大金を投資するのであれば、
企業には企業なりの事業方針があるので、その方向性にイチャモン付けるつもりはないものの、
大金の元手を拠出しているはずの、国内の利用者へのリターンは、いったいなんになるか、
まずはそのリターンについて、真っ先にコメントすべきだったと思うが・・・ 如何なものだろうか?
国内の企業が、海外にビジネス展開をするのが悪いと言ってるわけではない。
ただ、あくまでも個人的な視点になってしまうが・・・ 「BtoB」ならグローバル展開なんだが、
「BtoC」で得た利益を原資に海外に投資するのは、生業のグローバル展開とは思えないし、
カネに色は付いてないと云うが、出所(源泉)は庶民の生活費からだから、蟠りがないわけでもない。
個人的な思いとしては・・・ AIなどの成長分野の研究に投資することは、
知的財産の確保にも、人材の育成にもつながるので、どんどんやれば良いと思っている。
しかし、インフラを構築するのために、人件費を含む諸物価が高騰したインフレ経済のアメリカに、
巨額の投資をすることについては、疑問ありと云わざる得ない。
もしも、同じものを国内に作ったら、かなり投資額を抑えることができるし、
国内経済にも、知的財産の共有にも・・・ 計り知れないぐらい寄与できるんじゃなかろうか?
そう捉えれば・・・ 私の視点が偏っていると、お叱りを受けるかもしれないが、
同社はアメリカファーストに上手く便乗して、同社の企業ファーストを巧みに演じており、
「良い仕事してるな。」的なイメージを、メディアを通して国民に見せつけてはいたが、
業界の発展とか、国内経済への寄与については、期待とは逆の方向に向いている気がしないでもない。
今国会でもまた、議論の中心となるであろう・・・ 企業・団体献金のありかたについて、
政権与党にすり寄っていると、ことさらに経済界への批判を繰り返す勢力は、
こういった事案については、なにも云わないんだから、これもまた一つの偏りであり、
賛成か反対かは別に、なんらかのコメントを発すべきだと思うが、そんな声は聞こえてこない。
以上が、あまりにも巨額な投資を表明した、国内企業への思いになる。
最後に・・・ わけの分らんことを、小難しい言葉でグダグダ綴ってしまったが、
本文は私の勝手な思い込みであって他意はなく、コメントを頂戴しても議論するつもりはないので、
申し訳ないが、ご理解いただければありがたい。
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言いだし番長だろうと思います。
なので、実際に出資するかどうかは不明だと思う(笑)
そうであれば良いんですが・・・
目立って悪いとは言いませんが、相乗りを巧みに演じているようですが、私には悪乗りしているように思えます。