多摩爺の「スポーツ観戦(その31)」
メンツと見栄とプライドの祭典(北京2022)
「北京2022冬季パラリンピック大会」の開幕が1週間後に迫った2月24日、
ロシアがウクライナへ侵略戦争を仕掛け・・・ 平和の祭典はすっかり興醒めしてしまった。
IOCを始め、FIFAなどの国際的なスポーツ連盟の多くが、
ロシアとベラルーシを、国際大会から閉め出す決定を次々と下すなか、
開会式が前々日に迫った2日、IPC(国際パラリンピック委員会)は、
個人資格でメダルがカウントされない、中立という立場での出場を一旦は認め、公表したものの、
相当の批判があったのだろう・・・ 前日になって、ロシアとベラルートの参加を認めないとした。
スポーツに政治が介入すべきではないという声は・・・ 正論だとは思うものの、
国連の安全保障会議で常任理事国でもあるロシアが、ウクライナに仕掛けた侵略戦争で、
いままさに・・・ 多くの死傷者がでている最中(さなか)、
スポーツと政治を別次元のことだとして切り離すのは・・・ 無理がある。
砲撃によって・・・ 人が亡くなっているのである。
子供たちや老人を含め、病気の人々など、
自らの足での行動が困難な人々が標的となり・・・ 犠牲になっているのである。
そんななか、瓦礫と廃墟と化した町から、北京にやって来たウクライナ選手団は、
ニコリともせず、険しい表情で拳を突き上げながら・・・ 開会式の入場行進を務めると、
IPC会長は「いま、世界で起きていることに恐怖を感じている。」として、
「PEACE(ピース)」と絶叫し・・・ 平和を訴えたが、
ホストを務めた中国では、10数秒間の沈黙とともに同時通訳をさけ、無視することを選んだ。
これもまた・・・ スポーツへの政治介入と言わず、なんというのであろうか?
盛り上がりに欠け、すっかり注目度を失った「北京2022」の後半戦が・・・ 昨夜閉幕した。
まずは世界から北京に集ったパラアスリートたちと、
彼ら彼女らを、陰日向なく献身的に支えてきた、家族や関係者の労を労いたい。
さて、開催国は、それでも「北京冬季パラリンピック大会」は、大成功だったというのだろうか?
閉会式での注目はその一点だけだったが・・・ 中国のトップは語らなかった。
語るつもりがなかったのか? 語ることができなかったのか?
そこんところは分らないが・・・ メンツを重んじる、見栄っ張りの国だけに、
ロシアに泥を塗られた大会で語ることは・・・ プライドが許さなかったのだろう。
あくまでも個人的な主観だが、商業主義だと批判されているオリンピックだが、
スポンサーがいることで国際大会が放映され、選手のモチベーションにもつながると思えば、
一概に商業主義だからといって批判する必要はないと思っている。
しかし、北京2022のように、人権問題があり、尚且つ平和を訴えるスピーチを遮るような国で、
国際大会を行うことには甚だ疑問があり、当該国で戦火は上がってないものの、
こういった行為は、まさにスポーツへの政治介入だと思っており・・・ 正すべきだと思う。
IOCなど、国際大会を主催する組織に、その力がないのであれば、
あくまでも一時的にだが・・・ ロシアや中国を中心とした国際大会と、
民主的な国々で行う国際大会に分かれて開催するのも、
検討する必要はあっても良いとさえ・・・ 思ったりしている。
残念かもしれないが、スポーツに政治は介入しないなんてことは詭弁であって、
大規模なスポーツ大会などは、政治が補完していると捉えたら・・・ 実に分かり易い。
スクラップ&ビルドすれば良いと思っている。
こういったタイミングを好機と捉え、大会の狭間で一度バラバラにして再構築すれば良い。
他国を侵略し、ドーピングに開き直る国や、人権問題に頬被りする国と、
スポーツでメダルを競えといっても・・・ それは無理だと言える、絶好の機会ではなかろうか?
まずは、あるべき姿から議論を進めていけば良い。
併せて、多くの人々が疑問を持っている商業主義についても、
重要なような課題として・・・ 議論すれば良いのではなかろうか?
まぁ、そんなことを、そこら辺りに屯する爺さんがぐだぐだ言っても、だれも相手にしないが、
それにしてもだ・・・ 参加国数も、参加人数も、競技数そのものが少ないのも分るが、
国際的な平和の祭典なのに、ライブ中継がほとんどなかったのはなぜだ。
どうせ見るのは隠居した暇な老人だけだから、
視聴率が取れないって言われたら・・・ それまでのことだが、
民放ではニュース番組のスポーツコーナーでちょっと触れるだけだし、
NHKは、ほとんど録画で、結果は既にネットで知れ渡っており・・・ 感動の度合いが違う。
BS放送で、どこかで見たような再放送番組を流すぐらいなら、
パラリンピックのライブ中継をしてほしかったと思うのは・・・ 私だけではなかっただろう。
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2022年 3月 4日(金)~13日(日)
冬季パラリンピック 北京大会
[金メダル] 4個
1. 5日(土) アルペンスキー 女子滑降(座位) 村岡桃佳
2. 6日(日) アルペンスキー 女子スーパー大回転(座位) 村岡桃佳
3. 7日(月) クロスカントリースキー 男子20キロクラシカル(立位) 川除大輝
4.11日(金) アルペンスキー 女子大回転(座位) 村岡桃佳
[銀メダル] 1個
1. 7日(日) アルペンスキー 女子スーパー複合(座位) 村岡桃佳
[銅メダル] 2個
1. 5日(土) アルペンスキー 男子滑降(座位) 森井大輝
2. 6日(日) アルペンスキー 男子スーパー大回転(座位) 森井大輝
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