多摩爺の「時のつれづれ(文月の27)」
大規模な通信障害に学ぶ。
先週末、大手のケータイ電話事業者が実施した深夜の設備工事で、なんらかのミスが発生し、
通話や通信が不通になってしまう事故(通信障害)が起こってしまった。
完全復旧までに要した時間は、86時間(3日と半日)というから、
ちょっと信じがたいような事態を・・・ 引き起こしてしまったと言わざる得ない。
とはいえ、事故を起こそうとして、設計や工事をしている担当者などはいないので、
担当者は針の筵(むしろ)であり、気の毒とは思うものの、
一つだけ安堵したことがあったとすれば、通信設備の事故であって、
情報が格納されたサーバーの事故でなかったことは、不幸中の幸いだったかもしれない。
ミスの影響は、ネット予約や物流など、さまざまな場面で不便や不都合を起こしただけでなく、
いま目の前にある危機(台風、コロナ、熱中症、救急、事件、遭難など)の現場では、
最悪で生死に関わるような、待ったなしの大ピンチに陥っていたとの報道もあった。
デジタル化の推進を、急務として取り組んでいる政府としては、
こういった事故(通信障害)によってかかるブレーキは・・・ 頭が痛いことだろう。
私の考えが正しいかどうか分らないので、間違っていたら訂正していただきたいんだが、
ケータイ電話という通信機器は、確かに便利で、生活に欠かせない社会インフラでもあるが、
今回のように、契約している事業者のネットワークが止まったら、
いったい、どう対処すれば良いのか・・・ それが分らない人が多すぎたようだ。
サブ回線として、他のケータイ事業者の回線を予め契約しておいて、
そちらに切り替えて使うという代替案があるが、
サブ回線の契約をしてなくても、
WiFiスポットを代替手段にすることを知っていれば、慌てることはなかった。
冷静に考えてみれば・・・ 地震や津波などの大規模な自然災害を除けば、
この国の通信サービスにとって最後の砦は、加入電話、公衆電話、緊急通報などの、
ユニバーサルサービスを提供する責務を負っている・・・ NTT東西の固定回線である。
ひょっとしたら・・・ WiFiを無線サービスだと思っていたのかもしれない。
WiFiルーターと、ケータイ電話との間は・・・ もちろん無線通信だが、
WiFiルーターから先は、固定の光回線に繋がっており、
おそらく・・・ なんの問題もなく、普通に使えていたはずである。
自宅のWiFiでも良いし、最寄り駅や、コンビニ、各種チェーン店、ケータイショップなどの
公衆WiFiのスポットに入り、ケータイの電源を入れて、
WiFiの利用可を示す、扇型のアンテナが出ていれば、
パスワードの設定が必要かもしれないが・・・ そんなに難しいことではない。
フリーの公衆WiFiだから、セキュリティの脆弱性には目を瞑らねばならないが、
送受信の双方が、WiFiに繋がってさえいれば、
パケット通信を介して、アプリを使った通話も通信も可能だったはずだ。
また、同意が得られるなら、他のケータイ事業者と契約しているスマートフォンを、
WiFiスポットとして使わせてもらい・・・ テザリング利用する代替手段もあった。
法人契約では、ビジネス仕様のシステムを、WiFiスポットで利用することは、
セキュリティ面が心配になり、会社の情報システム担当が許可しなかったとも思うが、
個人で利用するメールや、LINEなどの情報交換や、
SNSやネット検索などについては・・・ なんの問題もなく利用できたであろう。
こんなときのためにと言っちゃ、ユニバーサルサービスの、本来の主旨とは違うが、
ユニバーサルサービスの提供責務を負うNTT東西には、
ケータイ料金に加算されて、毎月ユニバーサルサービス料金を払ってるはずだから、
こういったときにこそ・・・ 活用しない手はないと思うがどうだろう?
別に今回事故を起こしてしまった通信事業者を、庇いたいわけじゃないが、
この国では、個人も法人も・・・ 通信コストを下げたいがために、
バックアップや、代替案という考え方が眼中になく、
非常時における、危機対応という考えが希薄だったと思うが・・・ どうだろう?
事業者に対して、文句の一つも言いたいし、八つ当たりしたい気持ちも分らんではないが、
だからといって、どうしようもできないものは、どうしようもできないのである。
事実、完全復旧宣言までに86時間(3日と半日)を要しており、
どうすることも・・・ できなかったのである。
もちろん、本件に関する責任は、なんらかの形で補償せねばならないと思われるが、
それはそれとして・・・ 利用者としても、被害を最小限でくい止めるように、
なんらかの手立てを準備するなり、代替手段の知識を持っておけば、
被害は・・・ もう少し抑えられていただろう。
とはいえ、事業者だってバカじゃないので・・・ 詳しく読んだことはないが、
サービス利用約款には、想定しうる限りのトラブルについて、
さまざまな角度から・・・ 免責事項が記してあるはずである。
よって、補償をしてもらっても、それがけっして満足できるものでないことぐらい、
だれでも分っているし、約款が防波堤になっていることも知っている。
世の中には、さまざまなIT機器や、ツール類が溢れ返り・・・ 本当に便利になった。
しかし、便利になればなるほど・・・ 信頼が高まり、頼り切ってしまうことから、
使えなくなるなんてことが、頭の片隅にもなくて、
よもや、よもやの想定外に、冷静さを欠いてしまい、対応できなくなったのではなかろうか?
こういった事態を「仕方ない。」と受けとめるのか、
「いやいや、そりゃ拙いよ。」と捉えるのか、
今回起こった事故は・・・ その選択に「どっちやねん、ハッキリせい。」と、
決断を求められたと思えば、分かり易いかもしれない。
こういった大規模な通信障害を、けっして軽んじるつもりはないが、
同じような障害は・・・ この先も、大なり小なり必ず起こると言っても、
けっして過言ではないんじゃなかろうか。
ましてや2~3年後には、太陽フレアによって、通信や放送、さらには送電などに、
大規模な電波障害が起こる可能性が高いとの・・・ 報告もでている。
そう捉えるとすれば、もしもの時に、慌てることなく、どうすれば良いのか?
事業者だけじゃなく・・・ 利用者も、
今回の事故を「他山の石」として学び、そして備えねばならない思うがどうだろうか?
追伸
多くの「文明の利器」が生まれた、昭和という時代
憧れの機器を手に入れるために、親たちは頑張って働き、頑張って節約し、
やっとのことで購入し・・・ それはそれは、大事に使っていたのを、子どもながらに見てきた。
半世紀以上の時を経て、「文明の利器」が「IT機器」と呼ばれるようになった令和の時代
いまや小中学生が普通にスマートフォンを持って、SNSやゲームに興じ、
まだまだ使えるのに、最新機器をねだり、手にしている現実がある。
恵まれた時代になったと感謝する反面、
ふと気になるのは、目の前で見えてるものにだけ反応していることである。
さまざまなことを正面からだけじゃなく、側面や背面からも凝視し、
考えぬいて、知恵を絞ることに、ブレーキがかかっているように見えて仕方がない。
生意気なことを言って・・・ 申し訳ないが、
若いうちは、もっと、もっと悩み、考えることを惜しまず、知恵を絞らなきゃ、
とっても大事なことを、見落としているような気がしてならない。
便利さと引き換えに、悩むこと、考えること、知恵を絞ることにブレーキをかけていないだろうか?
老婆心ながら、そこんとこが・・・ ちょっと気になっていた。
いつもお世話になります。
我が家は、家族割でa○でした。
ネットは、Wi-Fiで繋がっていましたが、
電話の不通が長かったです。
若い世代は、ラインで何とかですが、
その時猛暑続きで実家に連絡していただけに…
万が一のため、サブの電話を他のキャリアにしました。固定が無い場合、それが1番の得策らしいです。
読み違えていたら、スミマセン🙇
拙いブログをいつも読んでいただき、ありがとうございました。
賢い選択をされたと思います。
私が言いたかったのは、世の中に絶対はなく、想定外は経験の度に盲点になるということと、
いくら腹を立てても、約款に免責事項が記されてることを知っておいた方が良いと思っただけです。
因みに我が家は、光回線を契約してWiFiを利用し、外出時にはたまに公衆のWiFiを利用するようにしています。
業者は、営業所等々、Wi-Fiだったと思うのですが?
太陽フレア、知らなかったので勉強になりました。
SEの人達、大変だっただろうなと同情しています。
息子も同業なのでね・・・
「障害は無かった。」ではなく、「障害はあったが、WiFiを使えば障害は関係なかった。」ということです。
障害を起こした事業者のケータイを介したテザリングは使えませんが、
街中のWiFiスポットの多くは、NTTの光回線に繋がってますので、障害は関係なかったはずです。
Wi-Fiスポットでは、ネットや、ラインは
使えますが、電話はできません。
我が家は、翌日、朝顔市に行って、
docomoWi-Fiスポットで、実家に電話しましたが、ムリでした。近くの公衆電話は
長蛇の列だったそうです。余裕のなく
緊急を要する人にとっては、大変だったと
思います。太陽フレアに関しては、今回の件で大きく取り上げられました。
どこの携帯会社で起こっても不思議でない事故です。
今回の件で公衆電話の場所を確認できたのは、良かったです。
昨日に続き、すみません。
私が知ってる程度のレベルで申し訳ありませんが、
WiFiスポットで提供しているのは無線LANで、利用できるのはパケット交換方式のデータ通信です。
通話は1本の回線を占有する、回線交換方式なので、回線を占有しないデータ通信とは通信方式が違います。
とはいえ、LINEなどのアプリを使うと、パケット交換でも通話できる仕組みがあって、
通話時間には制限があるようですが、普通に通話することもできます。
WiFiスポットには人も多いので、そこで通話する人が少ないのが現実だと思いますし、
通信事業者によっては、通話を制限していることもあるようです。
私の知ってるというか、理解してるのはその程度なので、説明になってるかどうか分りませんが、
そこんところは、なにとぞご容赦いただければと思います。
それにしても、公衆電話の設置場所を確認されたのは立派です。
私も見習って確認しておこうと思います。
コメントを頂戴し、ありがとうございました。
今回は被害はありませんでしたが、例えばいざスーパーなどでの決済時
急に使えないとデザリングも店内のWifi回線も使うまでの数分が憚られます。
結局現金で決済しちゃうんでしょうが、持たずに出かけることが増えました。
SIMスロットに余裕があったり、eSIM使える機種であれば副回線を使えますが
先に申し上げたように脳味噌が追いつきませんで、契約しても様々なパスワードに悩みます。
最近はパスワードも複雑化されるよう推奨されるのでもう知能が追いつきません。
まだなんとかやってますがボチボチ危ないなと自認しています
ご心配良く分かります。
仰るとおりで、現金を持たないで出かけて、ハッとしたことが、つい最近私にもありました。
また、パスワードの複雑化も頭が痛いです。
女房に至っては、私と全く同じパスワードですから困ったものです。