七宝焼ってなんぞや?
魅力ってなに?
伝統工芸って?
後を継ぐことって?
どんな生活してるの?
どんな作品があるの?
そもそもおまえだれやねん
など、職人としてみなさまに知っていただきたいことや、
七宝の魅力はもちろん、ここだけの話、
知ってたらちょっと面白い話、わたしのこと、
いま取り組んでいることなどを書かせていただけたらなと思っています。
文章拙い部分もあるかもしれませんが、
なにかこの記事を通し、みなさまとのご縁ができればうれしいです。
どうぞあたたかくお付き合いください。
七宝焼って?
まず今回は七宝焼ってなに?の話からさせていただこうと思います。
「ロクロを回すんでしょ?」とよく聞かれますが、まわしません。
「こんなの失敗だ!パリーン!ってやるんでしょ?」やりません。
七宝焼は、金属にクリスタルガラスを焼き付ける宝飾工芸品。
絵柄を描くのに金や銀を使用し、繊細な絵柄を描きます。
「デザインできる宝石」「宝石で絵を描く」とも形容される、
美しい伝統工芸品です。
多数の工程数があり、
700~800度の窯で工程ごとに焼きます。(焼成と言います)
ですので、完成までに10回程度焼くこともあるのです。
工程数が多い工芸品ですので、制作には時間と手間がかかります。
話は戻りますが、
よく「ロクロ回すの?」と聞かれます。
七宝工芸は、金属工芸とガラス工芸が合わさった合体工芸です。
素地が金属で出来ていますので、ロクロを回すわけではありません。
どちらかというと彫金。
ロクロを回すのは、土やセラミックなどで形成する陶器、陶芸です。
有田焼、備前焼、萩焼、瀬戸焼などなど・・・
「焼き」がつくこの手のものは全て「陶芸」というジャンルになります。
使用用途は日用品。お茶碗などをより良くしようと派生し今に至ります。
七宝焼も「焼き」がつきますし事実焼くので大変紛らわしいのですが、
「陶芸」ではなく「七宝工芸」という独立ジャンル。
最初から宝飾品として発展してきました。
昔は宝石と同じく物品税が工芸で唯一ついていたほど、宝石扱いだったのです。
ちなみに、
「陶芸」にはいろんな焼き物があるのに対し、
「七宝工芸」には七宝焼しかありません。
陶芸は陶芸で素晴らしい魅力あふれる工芸品ですが、
七宝工芸とは歴史もジャンルも用途も素材も違うのです。