別カテゴリーで「男から女性へ💁🏻♀️」を書いていますが、そちらは当時のことを辿りながら、ストーリー仕立てにしてあります。
こちらでは、実際に女性ホルモンを男の身体に投与した事で起きる変化などについて書いていきたいと思います。
それまではせいぜい女性ホルモン様の成分が含まれているホルモンクリームなどを肌荒れの治療のために塗布していた程度で、直接的に女性ホルモンを経口投与するなどは全くしていませんでした。
女性ホルモンの投与方法は経口や筋肉注射などいろいろあります。
日本国内において性同一性障害の治療目的として、生物学的に男性の身体へ女性ホルモンを投与するには、性同一性障害の診断確定がされていることを条件に、医師の指示や処方箋によってのみ投与可能となります。
女性化を希望する人の中には、個人輸入のホルモン薬を経口投与していたりするようですが、性ホルモンの役割、影響はとても大きく強いものなので、自己判断でホルモン投与はあまりにも危険です。副作用も人それぞれ違ってきますし、肝機能へのダメージや血栓症など、この年齢からでは命の危険もあるので、私は安全な方法として性同一性障害の診断確定を受けた、といったところですね。
私の場合はMtFですので、女性化が目的となります。
投与するのは女性ホルモンになりますが、大きく分けて二種類があります。
女性化の効果があるのは一般的に卵胞ホルモンと言われており、私が投与しているのも卵胞ホルモンで、ペラニンデポーを筋肉注射で投与しています。
それぞれのホルモン的役割はリンク先をご覧ください。
女性化を目的として投与した場合に期待できる効果はどういうものなの?
女性ホルモンを投与する前に医師から以下の効果が見込めると説明がありました。
- 乳腺・乳房の発達による女性化乳房の発育
- 肌質・髪質が女性的に変化する
- 体臭・脂肪のつき方が女性的に変化する
- 毛髪の増加・体毛の減少
- 生殖器の萎縮、生殖機能の喪失
次に、女性ホルモン投与をしても変化しない点の説明がありました。以下になります。
- 骨格
- 髭等、既に成長した男性的特徴
- 声
では実際に変化した内容はというと。。。
目につくところからいくと、乳房、胸ですね。
先生によると、変化は個人差があるけれど、女性ホルモン投与だけで膨らむ大きさとしては、最大でBカップ程度とのことでした。
が、私の場合はちょっと違ってまして、そもそも私、右の副腎に腫瘍ができて摘除しているので、性ホルモンの分泌自体、平均値よりかなり少なかったんですね。
そのため、男性ホルモン値は低く、閉経後の女性と同等程度。逆に女性ホルモン値が平均よりかなり高かったため、どうやら女性ホルモンの効果が早くかつ強く出て、一年半の投与でDカップまで育ってくれました(笑)。
次に肌質と髪質。
これは一番早く効果が現れた部分です。
投与して二ヶ月くらいした頃、肌の油分、脂質がかなり少なくなり、それまでは脂性?と思っていた肌が、一気に乾燥肌になりました。
表面のキメも細かくなり、現在はかなり女性的な肌質に変化して落ち着いています。
体臭・脂肪のつき方。
これは息子に言われて気がついたのですが、投与前には既に加齢臭が発生していた私(笑)、これが全く感じなくなりました。投与開始から二ヶ月くらいで息子に言われたので、これもかなり早く現れる効果なんでしょうね。
髪質も変わりましたが、これはちょっと難しいところ。
というのも、もともと長髪にしてワンレングス的にしていたので、肩甲骨辺りまでのロングだったんですね。
投与を開始して一ヶ月くらいした時、やたら髪が纏まらなくなった時期がありました。それもそのはず、新しく伸びてくる髪は女性ホルモンの影響を受け始めていたので、髪質自体が柔らかくなり、太さも細くなっていたようで、根元が女性的髪質→そこから先は男時代の髪質なわけで、重さ的に耐えられなかったんですね。
そのまま髪を伸ばし続け、たまに整える程度にカットしてきたので、今では男時代の髪は残っていないと思います。すっかり柔らかサラサラヘアになってくれて本当に良かったです。
毛髪の増加・体毛の減少もはっきりわかりました。
もともと髪が多かったのですが、加齢と共にさすがに髪が減ってきていたと思うんですね。そこに女性ホルモンの効果で髪質が女性化していき、髪自体の太さが細くなったこともあって、毛髪が増えたーというよりはなんか多くなってきた?くらいの感じ。
体毛も、もともと脛も脇も腕もほとんど毛がなかったんですね、私。それがつるっつるになって、これなら永久脱毛しなくていいやーという感じになりました。
加えてVIOライン。
ここは特にVラインがはっきり変わりました。生殖器としては男性器がそのままなのに、毛の生え方、生えている範囲は女性的になっていきます。毛の太さも変わったなーという感じがありますので、これもわかりやすい変化の一つですね。
生殖器の萎縮、生殖機能の喪失。
はっきり変化したなと感じるようになったのは、投与から一年くらい経ってからですね。
この部分は医師から何度も説明があり、投与から半年程度で萎縮・機能喪失すると聞かされていたのですが、私の場合は遅かったみたい。
実際の機能としては、小さくはなったもののちゃんと機能するんですよ。ただ精子は作られなくなったので、精子なしの精液(分泌液)が出るといった感じですね。
生殖器自体もイメージ的には50%くらいになっていますので、下着を穿くのが楽になりました(笑)。
次に変化しないと言われた部分。
一度成長した骨格は変わりようがありませんので、全く変わりません。
私、身長183cmあるので、そうとうでかいおばはんになるわけですよ(笑)。
こればっかりはどうしようもないのでねぇ。もっと若いうちから手を入れていたらとも思いますが、15歳で180cmを超えていたので、まぁ無理なものは無理という事ですね。
髭等、既に成長した男性的特徴。
実はホルモン療法に入る前に、医療脱毛のクリニックでカウンセリングを受けたことがあるのですが、そこの医師の説明では髭自体は無くならないけど、髭の毛質は変わるとの事でした。
実際、髭はいまだに生えてきやがりますが、伸びる速度はかなり遅くなり、二日くらい放っておいてもそのままお化粧して出掛けられるレベル、といった感じ。
髭の質もかなり変わって、投与前より明らかに柔らかくなって、少し細くなったようですね。ただ、生えてこなくなるわけではないので、もう少ししたら永久脱毛しようかなと思っています。
声。
これはとっても重要な部分ですね。
実際、MtFがホルモン投与をしても声帯が変化するわけではないので、基本的に声質は変わりません。これがFtMの場合は声の音域が低くなり、男性的な声質に変化するようです。
私はもともと喉仏が全く出ていないんですね。基本的な声質はもちろんおっさんそのものですが(笑)、性同一性障害の診断確定という事実と、ホルモン投与を開始したという事実は、無意識に自分自身を女性化していくようで、喋り方自体さらに女性的になる事で、発声も高くなり、女性的に変化していくようです。
実際、友達などと話をしていても、声が女になったと言われますし、業者さんやカスタマーサポートへ電話した時など、顧客情報に女性名が入っているので、本人確認の際に「お電話口は奥様でいらっしゃいますね💁🏻♀️」と言われるようになりました。そこであえて“はい、女性化途中の偽女性です”とは言いません(笑)。
最後に重要なことを。
性ホルモンが身体へ及ぼす影響はとても大きく、またホルモン療法による治療は非可逆治療になるため、一度失われた男性機能など大半は、ホルモン投与をやめたからといって元に戻るわけではないということを、事前の説明と承諾書で意思確認をしてから行います。
もちろん私は全てにおいて同意できますし、性同一性障害の診断確定に際して、年齢への考慮だけでなく、既に子供がいて、新たに子供をという意思がないこともあって、これらの治療に進んだわけです。
また、別の記事で書きますが、ホルモン療法はメンタルにも大きな影響を与えるので、そういった点でも、あくまでも正当な手段として性同一性障害の診断確定をしてから医師の指導下で投与をすることは、とても大切なことです。
もしこれから自己判断でホルモン投与をと考えていらっしゃる方は、この点を充分に考えてくださいね。
では〜💁🏻♀️