僕はまた、別れを経験した。
けものフレンズVぷろじぇくとでは二度目だった。
けものフレンズVぷろじぇくと、通称「けもV」。
このブログでも複数回記事を書いている。
この記事を読みに来てくださっている方々なら、大半の方は既にご存知だろう。
「けものフレンズ」の、公式VTuberプロジェクトだ。
10人のメンバーが日々配信をするけもV。
既にその歴史も、それなりに長くなっている。
最近の動向としては、3D未実装だった5人のうち3人の3D化が実現し、2回目のライブも開催、さらに2024年はオンラインライブではなく我々の住む"ヒトの国"でのライブも決定。さらにオリジナル曲「けもののこどう」も登場しリリースされる…などなど、まさに絶好調といったところだ。
そんな中で、この別れは訪れた。
シマリス。
ここではあえて、愛称の中から「ちゃま」という呼び方を使おう。
ちゃまはけもVメンバーのうち、2022年9月に続々とデビューした5人、「けもレン」のひとり。
そんな「けもレン」の中で彼女は、実力者・出世頭的なイメージが強かった。
純粋に配信頻度も高くその内容も面白く、歌などの才能もあり、またかなり登録者数の伸びが早かった。けもレンでダントツなだけでなく、先立ってデビューしていたダイアウルフやカラカルまで追い抜いていくその様子はただただ驚くばかりだった。
そして個人的には、ちゃまに対してすごくしっかりした子という印象があり、まさにあらゆる面で信頼を置いているといえる、大事なメンバーだった。
3月に入ってからのこと。
ちゃまから、「大切なお知らせ」の配信があるとの告知が…。
わかる人にはわかると思うが、「大切なお知らせ」とあると、どうしても身構えてしまうのが性というもの。
この時も、告知があってからほぼ丸1日、気が気でなかった。
まさかないだろうと思っていたかったが、ついに発表された。
シマリス、4月末でけもVを卒業。
ある程度想定してはいたが、やはりショックだった。そして、あまりにも突然だった。
寧ろちゃまは少し前に3D化があったりと、「さあこれから」という空気さえあった。
けもVでの過去の卒業者、ケープペンギンのことをどうしても思い出してしまう(それについてはこちらを参照)が、ケープはいくつか兆しを感じていた中での発表で、ショックだったのは変わらないが「やっぱりきたか」といった気持ちだった。
それに対してちゃまは突然すぎて、「そ、そんな…」という気持ちが強かった。
しかし、気が気でなかった丸1日の間に思い出したのだが、ちゃまの方も兆しが皆無なわけではなかった。
えるすりー(定期的に開催される、VTuberが集まるオンラインライブイベント)最新回の参加者に、ちゃまの名前がなかったのだ。
新たに3D化された3人のうち誰かが参加者に入るのは当然の流れとして、その中に実力者たるシマリスが選出されなかったのはどうにも不自然だと思っていた。
そのことを思い出して、ちゃまの卒業が一気に現実味を帯びたように感じ、その予感が的中した形になった。
ケープ卒業を予感した兆しのひとつにも、えるすりー未登場という点があった。奇しくも、またもえるすりーが伏線になった形だ。
僕はけもVは一人一人みんなが好き、「10人のけもV」というものに強い愛着があった。だから正直、誰が抜けてもショックだったろうが、実力者かつ強い信頼を置いていただけあってその分ちゃまの卒業は残念な気持ちは強かった。
寂しいけど、受け入れるしかない。くよくよするのは良くない。笑って送り出すのが一番だというのは過去の経験からも自分がよくわかっていた。残りの時間も、しっかり楽しく過ごそうと、そう思った。
というわけで、ちゃまとの最後の2ヶ月弱が始まったわけだが、どうしたことか、ずっとその実感が湧かなかったというのが本音だった。それが何故なのか、はっきりとはわからない。変わらない、いつも通りのちゃまだったからかもしれない。でも、それはちゃまのいいところでもあった。
なんにしても、ちゃまが卒業してしまうのは事実だ。配信で応援するのはもちろんのこと、プレゼントやお手紙も送りたかったし、イラストも描きたかった。その日までに、やりたいことはたくさんあった。
そして、実感が湧かなかったとはいっても、卒業ならではの企画は当然あり、ありがたいものだった。
ひとつずつ、その間の思い出を振り返ろう。
特に自分にとっても強く心に残っているのが、「おはなし会」。ちゃまと、オンラインで1対1でトークができるのだ。
トークポートというアプリを使ったこのような企画自体は僕自身、過去に何度もやってはいるが、けもVにおいては正真正銘初めての企画となる。
ちゃまと直接お話できたことそれ自体が何より嬉しかったし、3分間と短い時間ながら感謝の言葉や気持ちも伝えられて、卒業前の忘れられない思い出となった。
そして、22日には「シマリスお別れ会」があった。
有料配信ではなく通常枠ではあったが、全身で動き回ってわちゃわちゃするのはこれが最後だ。
ゲストにシマハイ、カラカル、ウサコを招いての、最後の思い出作り。
全員集合は叶わなかったが、2年前にケープのお別れ会があったあの場所で、楽しい時間を過ごすことができた。
ゲーム企画でひとしきり盛り上がった後は、お歌やウサコからのお手紙の時間。
お歌はシマリスソロでお別れにぴったりの「YELL」、ウサコとのデュエットで思い出の曲「なかよしマーチ」、4人揃ってけもフレといえばこの曲「ようこそジャパリパークへ」。
ウサコからのお手紙は、1年7ヶ月ちゃまやみんなと一緒に過ごしてきた一ファンとしても、とても胸に迫るものがあった。ちゃまは、本当に卒業するんだと感じた。
まさに、笑いあり感動あり。素晴らしいイベントだった。
卒業1日前には、最後の「けもレン」でのコラボ。グルルとジェネが実質入れ替わりという形になって、5人全員で揃うことはできなかったが、それでもけもレンというくくりで最後にトークの場が与えられたのはありがたい。1年7ヶ月を一緒に歩んできた5人の仲間による振り返り、そしてメンバーからちゃまへ、ちゃまからメンバーへのお別れの言葉は、やはり心に沁みた。
そして、28日、本当に最後の配信。それは21時から始まった。
3時間にわたって、初配信から現在までが振り返られた。
本当に、いろんなことがあったよねと、とても感慨深く感じた。
名残惜しくても、その時はやってくる。お別れの言葉を告げ、たくさんのリスナーちゃまに見送られながら、シマリスの配信活動は幕を閉じた。
これにて、シマリスはけもVを卒業した。
別れというものは何度経験してもやはり寂しいもの。
でも、自分なりにやるべきことはやったし、きちんと見送ることもできた。ちゃまのこれからが幸多からんことを願いつつ、引き続き変わらずけもVを応援していくのみだ。
ちゃま、今まで本当にありがとう。
けもVのみんな、これからもよろしくね。