◯ 3年間で50億円の売り上げ目指す。
伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は2024年10月17日、「AI(人工知能)エージェント」の構築支援サービスを開始した。必要な処理を自律的に実行するAIエージェントの構築や、導入後のチューニングなどを支援する。ヘルプデスクや社内申請などの業務で効率化を図る企業を中心に提案し、3年間で50億円の売り上げを目指す。
AIエージェントは、大規模言語モデル(LLM)がユーザーの指示を解釈して作業計画を立て、必要な処理を自動で実行するシステムだ。RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)と比べ、非定型の作業を柔軟に自動化することが可能になる。
構築支援サービスでは「Dify」や「LangGraph」など、オープンソースのLLMアプリケーション開発プラットフォームを組み合わせてAIエージェントを構築する。AIエージェントの設計や構築のほか、回答精度の評価やチューニング、活用範囲の拡大や変更に伴うデータソースの追加など導入後の支援も実施する。
10月17日に開催した記者説明会の席上、CTCの藤岡良樹常務執行役員デジタルサービス事業グループ担当役員はサービス開始の背景について、「生成AIの活用とR&D(研究開発)の間にある空白地帯を埋め、実際の業務においてより使いやすくする工夫が必要だ」と話した。
同説明会では、経費精算対応におけるRAG(検索拡張生成)チャットシステムとAIエージェントを比較するデモも披露した。RAGチャットシステムでは社内データを参照した回答ができるものの、ユーザーの最初の問いかけのみをキーワードとして、該当する文書から情報を抜き出して要約した単純な回答となった。AIエージェントはユーザーとの対話を繰り返して追加情報を聞き出し、よりユーザーの状況に合わせた分かりやすい形で回答を返した。