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1031人が回答、「今使っている」ネットワーク機器。①

◯ IT管理者1031人が「今」使うスイッチのベンダーは? ランキングを一挙公開。

 アンケートではスイッチ部門、無線LAN(Local Area Network)部門、ルーター/UTM(Unified Threat Management)*1部門の3つで、主に使っているネットワーク機器のベンダー名や選んだ理由などを尋ねた。2023年調査で初めて調べた生成AI(Artificial Intelligence)*2の利用状況は、今回も調査を継続することで変化を明らかにした。

 スイッチ部門は3つの製品分野で調べた。パソコンやプリンターなどの端末を直接つなぐ「アクセススイッチ」、アクセススイッチをフロアや部署といった単位で束ねる「フロアスイッチ*3」、フロアスイッチなどを束ねて企業ネットワークの中核となる「コアスイッチ*4」──である。2023年調査に続き、シスコシステムズが3分野全てで1位となった。

 アクセススイッチ分野では1位から5位まで2023年調査と同じ順位だった(図1)。1位のシスコシステムズは2023年調査比でシェアを1.7ポイント増やし22.1%だった。

図1●アクセススイッチ分野のベンダー順位
図1、アクセススイッチ分野のベンダー順位
回答者が携わる企業ネットワークで主に使っているアクセススイッチのベンダーを、1社だけ答えてもらった。割合(%)は「分からない」「使っていない」などの回答を除く有効回答を分母にして計算。シェア3.0%以上のベンダーを掲載した。以降の図も同様の条件。1~5位までの順位は2023年調査と同じだったが、シスコシステムズが1.7ポイント増えた一方でバッファローは1.4ポイント減り、両社の差は前年と比べて3.1ポイント開いた。

 2位のバッファローは1.4ポイント減の18.8%で、2023年調査で0.2ポイントしかなかった両社の差は3.1ポイントまで開いた。なお図1はシェア3.0%以上のベンダーのみを掲載している。以降の図でも同様である。

 フロアスイッチ分野ではシスコシステムズの強さが目立ったものの、2位のアライドテレシスが差を詰めた(図2)。1位から4位までの顔ぶれは2023年調査と変わらない。

図2●フロアスイッチ分野のベンダー順位
図2、フロアスイッチ分野のベンダー順位
1~4位までの顔ぶれは2023年調査と変わらず。2023年調査でNECと同率だったバッファローは、シェアを1.7ポイント増やして単独3位に浮上した。

 1位のシスコシステムズは3.3ポイント減の31.9%だった。2位のアライドテレシスは0.7ポイント増の15.4%で、両社の差は4.0ポイント縮まった。2023年調査でNECと同率3位だったバッファローは1.7ポイント増やして9.2%とし、単独3位に浮上した。

 コアスイッチ分野でもシスコシステムズが圧倒した(図3)。1~4位の順位は2023年調査と同じ。1位のシスコシステムズは0.9ポイント増の45.8%、2位のアライドテレシスが1.5ポイント増の13.9%だった。

図3●コアスイッチ分野のベンダー順位
図3、コアスイッチ分野のベンダー順位
1~4位の順位は2023年調査と変わらず、4社の合計シェアは前年の71.9%よりも4.1ポイント高い76.0%になった。スイッチの3分野はいずれもシスコシステムズが1位で、3冠となった。

 3位のNECは0.5ポイント、4位のヤマハは1.2ポイントと、それぞれシェアを拡大。上位4社の合計シェアは2023年調査より4.1ポイント多い76.0%となった。

大規模はシスコシステムズ。

 続いてスイッチ各分野の上位3社について、規模別のシェアを見てみよう(図4)。アンケートでは企業ネットワークに接続するクライアント数を「1~20台」「21~50台」「51~100台」「101~500台」「501~1000台」「1001台以上」で回答してもらった。

図4●クライアント数(接続台数)ごとのスイッチベンダー上位3社の順位
図4、クライアント数(接続台数)ごとのスイッチベンダー上位3社の順位
アクセス、フロア、コアの各分野で、クライアント数が変わると各ベンダーのシェアがどのくらい変わるのかを調べた。クライアント数1001台以上のネットワークでは、全ての分野でシスコシステムズが2位に25ポイント以上の差を付け、強さを見せた。またアクセススイッチ分野とフロアスイッチ分野は2023年調査と同様、中小規模ではバッファローが、大規模ではシスコシステムズがそれぞれシェアを伸ばした。

 クライアント数1001台以上のネットワークでは、3分野全てでシスコシステムズが2位に25ポイント以上の差を付けた。アクセススイッチ分野では2023年調査と同様に、中小規模ではバッファローが、大規模ではシスコシステムズがそれぞれシェアを伸ばした。

 具体的には、「1~20台」と「21~50台」ではバッファローが1位で、「51~100台」「101~500台」「1001台以上」ではシスコシステムズが1位だった。「501~1000台」はバッファローとシスコシステムズが24.1%で並んだ。

 フロアスイッチ分野も中小規模でバッファローが、大規模でシスコシステムズがそれぞれ強さを見せた。50台まではバッファローが、51台以上ではシスコシステムズがそれぞれシェアトップ。全体2位のアライドテレシスは「21~50台」「51~100台」「101~500台」で約20%のシェアを獲得するなど、幅広い規模で導入されていると読み取れた。

 コアスイッチ分野ではクライアント数が1001台以上の企業のうち66.7%がシスコシステムズ製品を使っていた。大規模になるほどシスコシステムズの強さが際立つ中で、アライドテレシスは中小規模を中心に支持を集めた。

10GBASE-T対応が増加。

 スイッチが搭載するLANポートの通信速度も尋ねた。複数回答のため、グラフはパーセンテージではなく回答数で示している。

 全体の分布傾向は2023年調査と大きく変わらないが、アクセススイッチ分野、フロアスイッチ分野ともに、10Gbps(bit per second:ビット/秒)を搭載する機器を使うとする回答の割合が増えた(図5)。具体的には、アクセススイッチ分野は4.3ポイント増の14.6%、フロアスイッチ分野は6.6ポイント増の21.2%だった。10GBASE-T対応スイッチを使う企業が増えたといえる。

図5●アクセススイッチ及びフロアスイッチが搭載するポート速度の分布
図5、アクセススイッチ及びフロアスイッチが搭載するポート速度の分布
アクセススイッチ分野、フロアスイッチ分野ともに全体の分布傾向は2023年調査と同じで、最も多かった回答はLANポートの通信速度が「1Gbps」の製品を使うとするものだった。一方で「10Gbps」製品の利用が増え、アクセススイッチ分野では2023年調査の91(総回答数886)から99に増えた。
 
アンケートの概要と回答対象のネットワーク規模。

 企業ネットワークの利用実態を調べるアンケート「ネットワークの実態調査」は、本誌が2010年から実施している。本誌や日経クロステックのメールマガジンなどで回答者を募り、Webシステム上で回答してもらった。有効回答数は1031件で、本誌メルマガからの回答が約75%を占めた。

 回答者が携わる企業ネットワークのクライアント数で最も多かったのは「1001台以上」で30.6%(図A)。拠点数で最も多かったのは「本社などの1拠点のみ」で21.4%だった。

図A●回答者が所属する企業のネットワーク規模
図A、回答者が所属する企業のネットワーク規模
回答者が携わる企業ネットワークのクライアント数と拠点数を選択してもらった。
 
*1 UTM
ファイアウオールやマルウエア対策(アンチウイルス)など、複数のセキュリティー機能を統合した機器の総称。
 
*2 生成AI
大量のデータを学習したモデルによって、画像や文章、音声、プログラムコード、構造化データなどを生成できるAI(人工知能)の総称。
 
*3 フロアスイッチ
企業ネットワークの3階層モデルでは、アクセススイッチを束ねる役割を果たすのは「ディストリビューションスイッチ」と呼ばれる。ただ「そのフロアのLANを束ねる」役割からフロアスイッチと呼ばれることが多いため、ここではその呼び方を使う。
 
*4 コアスイッチ
アンケート調査の質問では、一般にコアスイッチの役割を果たすレイヤー3(L3)スイッチのベンダーを尋ねている。

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