![]() | 卒業TIME ~僕らのはじまり~ (初回限定盤)WaT,ウエンツ瑛士,小池徹平,田辺恵二,前嶋康明,小松清人,華原大輔ユニバーサルミュージックこのアイテムの詳細を見る |
(「卒業式の裏話(1)」の続き)
「卒業式で泣かない担任」,
私はそういう教員である。
「たろお先生は,絶対に号泣するよね♪」
とよく評価されるのだが,
式が終わると
「どうして泣かないのか不思議・・・・・・」
と言われる。
子ども達と関わっていないわけでもない。
思い入れがないわけがない。
もちろん,
それほど冷たい人間でもない(と思う)
しかし,泣かないのである。
というよりも,
「泣けない」のである。
それは,
「一人ひとりの名前を間違えることなく,
しっかりと呼名し,
晴れ舞台を最後まで見届けて評価する。」
という,
担任としての最大にして
最も責任の重い仕事を遂行しているからなのである。
だから,責任感が邪魔して「泣けない」のである。
ところが,
今年は非常に困ったことになった。
前のクラスの証書授与を見ている間に
目頭が熱くなり始めてしまった。
式の前に,
「引き留める私の言葉を振り切って行きなさい。
私は,あなた達一人ひとりとの思い出を心に浮かべながら,
引き留めようと一生懸命に名前を呼ぶから,
それにしっかりと応えて,
振り切って行きなさい。」
と話してあった。
その言葉が,担任としての私自身を追いつめることになった。
証書授与を待っている子ども達の顔を見て,
名前を確認していくだけで気持ちが高ぶっていく。
思い出なんて,一瞬でも思い浮かべただけで,
涙が吹き出してくる。
「呼名できなければ式は台無し」
と,結局,心に湧き上がってくる懐かしい映像にふたをしながら,
思い出と涙を必死に抑えながら何とか全員の名を呼び終えることができた。
しかし,本当の戦いはここから始まることになる・・・・・・
(「卒業式の裏話(3)」に続く・・・・・・続けます。)