たろおの小屋

昼間は「聖職者」を演じる永遠の若造「たろお」のつぶやき。
仕事,家族,後遺症・・・。感謝の日々を綴っています。

「あだ名」の効果(2) ~ 「あだ名」と「悪口」は紙一重? ~

2010-01-31 08:02:07 | お仕事
「『あだ名』の効果(1)」の続きです)




2校時終了後,
クラスの子ども達は席を立たずに
私の話を待っている。

「5年生の女子に対して嫌な思いをさせた2人は,
 休み時間に謝ってきました。
 ただ,
 彼らが落としてしまった6年生の評判は,
 彼らだけでなく,
 みんなの手で回復していくしかありません。
 全ては卒業の花道につながっています。」
と報告する。
そして,
「本人達も反省しているようなので,
 これ以上は,
 その件にはふれません。
 次はクラスの中の問題です。」
と前置きをした上で,
踏み込んだ指導をするための雰囲気作りを始める。

「学校の最高責任者である校長先生は,
 始業式で『あだ名』を禁じました。
 どうしてだかわかりますか?」
「『あだ名』は親しみを表すのに便利な場合もあります。
 私自身も,
 学生の頃からの20年来の友人からは『たろお』と呼ばれているし,
 今さらに名字や名前で呼ばれたりしたら,
 『借金でもしに来たのか?!』なんて驚いてしまいます。」

「A男さん,
 あなたは『○○(彼のあだ名)』と呼ばれるのは嫌ですか?」
   A「いいえ。」
「本心から,呼ばれても良いと思っていますか?
 がまんしていませんか?」
   A「はい。」
「私の『たろお』と同様に,
 彼は本心から許可をしてくれたから,
 こういう場合は,
 A男さんを『○○』と呼んでも問題は無いわけです。」
 授業中などの公の場は別ですけど。」


「では,改めて聞きます。
 皆さんの中で,
 自分にとって嫌な『あだ名』で呼ばれている人はいますか?
 できたらここで申し出てください。
 後でも良いのですが,
 この場で言えれば,
 みんなの前で確認することができます。」
という指示に,
まわりを見回しながら,
2人の男子が立つ。

   男子「ぼくは,『さる』と言われることがあります。」
   男子「ぼくは,『もぐら』と言われています。」
「動物の名前で呼ぶのは,
 とても失礼なことですよね。」
「彼らをそのように呼んだ経験がある人達に,
 お昼休みまで時間をあげます。
 それでも責任をとれない人たちは,
 校長先生も交えて話をしましょう。」
と指導を終えようとする。

ところが,
一部の女子が
「言いなよ。」
「言った方がいいよ?」
と,1人の女子を励ましている。
その子は
「いいよ。あとでいい。」
と言いながらも,
とうとう泣き出してしまった。


彼女自身の希望もあって,
一旦,全体への話は終えることにした。

最初に相談に来た男子のまわりには,
彼を『あだ名』で呼んだ仲間達の人だかりができている。
「ごめんな。」
「もう二度と言わないから。」
と言われ続けて照れ笑いをし,
まんざらでもないという顔をしている。
これで「2件目」が落着。


そうして,
「隠されていた3件目」を抱えた女子達が,
私のまわりに集まってきた・・・・・・



(「『あだ名』の効果(3)」に続けますm(_ _)m)

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