(「『あだ名』の効果(1)」の続きです)
2校時終了後,
クラスの子ども達は席を立たずに
私の話を待っている。
「5年生の女子に対して嫌な思いをさせた2人は,
休み時間に謝ってきました。
ただ,
彼らが落としてしまった6年生の評判は,
彼らだけでなく,
みんなの手で回復していくしかありません。
全ては卒業の花道につながっています。」
と報告する。
そして,
「本人達も反省しているようなので,
これ以上は,
その件にはふれません。
次はクラスの中の問題です。」
と前置きをした上で,
踏み込んだ指導をするための雰囲気作りを始める。
「学校の最高責任者である校長先生は,
始業式で『あだ名』を禁じました。
どうしてだかわかりますか?」
「『あだ名』は親しみを表すのに便利な場合もあります。
私自身も,
学生の頃からの20年来の友人からは『たろお』と呼ばれているし,
今さらに名字や名前で呼ばれたりしたら,
『借金でもしに来たのか?!』なんて驚いてしまいます。」
「A男さん,
あなたは『○○(彼のあだ名)』と呼ばれるのは嫌ですか?」
A「いいえ。」
「本心から,呼ばれても良いと思っていますか?
がまんしていませんか?」
A「はい。」
「私の『たろお』と同様に,
彼は本心から許可をしてくれたから,
こういう場合は,
A男さんを『○○』と呼んでも問題は無いわけです。」
授業中などの公の場は別ですけど。」
「では,改めて聞きます。
皆さんの中で,
自分にとって嫌な『あだ名』で呼ばれている人はいますか?
できたらここで申し出てください。
後でも良いのですが,
この場で言えれば,
みんなの前で確認することができます。」
という指示に,
まわりを見回しながら,
2人の男子が立つ。
男子「ぼくは,『さる』と言われることがあります。」
男子「ぼくは,『もぐら』と言われています。」
「動物の名前で呼ぶのは,
とても失礼なことですよね。」
「彼らをそのように呼んだ経験がある人達に,
お昼休みまで時間をあげます。
それでも責任をとれない人たちは,
校長先生も交えて話をしましょう。」
と指導を終えようとする。
ところが,
一部の女子が
「言いなよ。」
「言った方がいいよ?」
と,1人の女子を励ましている。
その子は
「いいよ。あとでいい。」
と言いながらも,
とうとう泣き出してしまった。
彼女自身の希望もあって,
一旦,全体への話は終えることにした。
最初に相談に来た男子のまわりには,
彼を『あだ名』で呼んだ仲間達の人だかりができている。
「ごめんな。」
「もう二度と言わないから。」
と言われ続けて照れ笑いをし,
まんざらでもないという顔をしている。
これで「2件目」が落着。
そうして,
「隠されていた3件目」を抱えた女子達が,
私のまわりに集まってきた・・・・・・
(「『あだ名』の効果(3)」に続けますm(_ _)m)
2校時終了後,
クラスの子ども達は席を立たずに
私の話を待っている。
「5年生の女子に対して嫌な思いをさせた2人は,
休み時間に謝ってきました。
ただ,
彼らが落としてしまった6年生の評判は,
彼らだけでなく,
みんなの手で回復していくしかありません。
全ては卒業の花道につながっています。」
と報告する。
そして,
「本人達も反省しているようなので,
これ以上は,
その件にはふれません。
次はクラスの中の問題です。」
と前置きをした上で,
踏み込んだ指導をするための雰囲気作りを始める。
「学校の最高責任者である校長先生は,
始業式で『あだ名』を禁じました。
どうしてだかわかりますか?」
「『あだ名』は親しみを表すのに便利な場合もあります。
私自身も,
学生の頃からの20年来の友人からは『たろお』と呼ばれているし,
今さらに名字や名前で呼ばれたりしたら,
『借金でもしに来たのか?!』なんて驚いてしまいます。」
「A男さん,
あなたは『○○(彼のあだ名)』と呼ばれるのは嫌ですか?」
A「いいえ。」
「本心から,呼ばれても良いと思っていますか?
がまんしていませんか?」
A「はい。」
「私の『たろお』と同様に,
彼は本心から許可をしてくれたから,
こういう場合は,
A男さんを『○○』と呼んでも問題は無いわけです。」
授業中などの公の場は別ですけど。」
「では,改めて聞きます。
皆さんの中で,
自分にとって嫌な『あだ名』で呼ばれている人はいますか?
できたらここで申し出てください。
後でも良いのですが,
この場で言えれば,
みんなの前で確認することができます。」
という指示に,
まわりを見回しながら,
2人の男子が立つ。
男子「ぼくは,『さる』と言われることがあります。」
男子「ぼくは,『もぐら』と言われています。」
「動物の名前で呼ぶのは,
とても失礼なことですよね。」
「彼らをそのように呼んだ経験がある人達に,
お昼休みまで時間をあげます。
それでも責任をとれない人たちは,
校長先生も交えて話をしましょう。」
と指導を終えようとする。
ところが,
一部の女子が
「言いなよ。」
「言った方がいいよ?」
と,1人の女子を励ましている。
その子は
「いいよ。あとでいい。」
と言いながらも,
とうとう泣き出してしまった。
彼女自身の希望もあって,
一旦,全体への話は終えることにした。
最初に相談に来た男子のまわりには,
彼を『あだ名』で呼んだ仲間達の人だかりができている。
「ごめんな。」
「もう二度と言わないから。」
と言われ続けて照れ笑いをし,
まんざらでもないという顔をしている。
これで「2件目」が落着。
そうして,
「隠されていた3件目」を抱えた女子達が,
私のまわりに集まってきた・・・・・・
(「『あだ名』の効果(3)」に続けますm(_ _)m)