今年はやはり異常気象、113年前から始まった気象観測以来、過去最高の暑さ!頷けます。
私の住む印西市では全く雨が降っておらず、家庭菜園をやっている親父は悲鳴を上げております。
畑の野菜は育たず、値段も高騰なんて良く聞きますよね(困)
ただし、私たち畳店には悪い事ばかりではありません。
風も無い日が多く、田んぼでは真直ぐに稲が育っておりました。
そこで私たち畳店に欠かせない良い藁が取れるのです!!
(・・・ちょっと訂正。 知り合いの農家さんに聞いたところ、雨が降らず日照りが強かった為、豊作なのですが籾が厚くコメの粒が小さいらしいです)


稲穂(お米)を取った稲(茎)の部分を乾燥させると藁になります。
先週、近所のお世話になっている農家さんに声を鰍ッ、2反歩(600坪)分の藁を譲っていただけるよう頼みました。
ちなみに私の住んでいる印西では『1反ぶり、2反ぶり』と反歩に『リ』をつけ言っています。
ちなみに田んぼや畑の面積を言う時の単位は1畝【いっせ】(30坪)、1反歩【いったんぶ】(300坪)、1町歩【いっちょうぶ】(3,000坪)と言います。
また1坪は畳2畳分です。
昔なら農家さんが、藁を小束で縛り【おだ鰍ッ】をして乾燥させ、それを大束にして自分で使用したり、それぞれの業者などに売ったりしておりました。
それは手間が鰍ゥる作業です。 手間が鰍ゥる割りにそこまでの利益もありません。
そういうこともあり、今では藁を取る事がなくなり、農家さんも粉々に砕いて田んぼに落としてしまいます。
しかしそれでは使い物になりませんので、長い状態のまま落としておいてもらいました。
それを田んぼに広げておいて丸5日間干しておきました。
今の気温、気候ならあっという間に乾燥します!
そこで今日、乾燥した藁をまるき(巻き)に向かったのです。
1反歩分の藁は小束で言うと手狩りなら1200、機械狩りなら1500束あるそうです(親父談)
2反歩分ですからその倍です(大汗)
ちなみに1反歩から取れる藁でワラ畳を作ると普通品で、畳1枚に100束使うそうなので12畳~15畳しか出来ないそうです(これまた親父談)
上級品ならその数はもっと少なくなります。
(・・・もし詳しい方がいて、これが違っていましたら訂正下さい)
ですのでワラ畳は貴重品という事が良く解りますよね(凄)
今、ワラ畳が少ないと言うのも頷けます。
藁を取り、それを使うまでにするという事は本当に大変なのです!!

2反歩の田んぼです。

炎天でのこの作業、汗が滝のように流れます。


藁の影にはカエルやイナゴ、バッタにコオロギなどが沢山いました。
昨日私たちが仕事をやっている間に親父が約1反歩分を巻いておいてくれていましたので、朝7時前から始めた作業は11時になる頃、終了しました。
暑さと普段やらない作業でもう皆クタクタです(滝汗)
縛った藁を工場へ。

普通車&軽トラ満載で4往復しました。
工場の藁小屋では昨日のうちに出しておいた数年前のすぐった藁(普通に使って5年分はあるかな!?)を下1面に下ろし2階部分を空けておきました。

そして縛ってきた藁をすぐらずに2階に上げます。

硬くとても良い藁でした!!
ちなみに持ってきた藁はそのまま使いません。
藁の元にあるハカマの部分をすぐって畳の隙間直しや、厚み調整に使います。

我が家ではハカマを取る時、脱穀機を使用します。
(親父が修理、改造し、足踏み式にモーターを付け電動式にしてあります)
今回出番はありませんでした。
そして夕方、藁小屋の2階を一杯にし今日の作業がやっと終わりました。

3人で藁小屋の2階を見上げホッと一安心、普通に使って10年分以上あるでしょう!
藁は濡れてしまってはダメですが、乾燥していれば何年でも使用できるのです(凄)

親父曰く、『床作りをせず、こんなに藁を持っている畳屋は千葉県でうちが1番だろうな』と笑っておりました。
・・・私もそう思います(苦笑)
無事終わり、クッタクタになりました(激疲)
余分な物が多い私は1日で体重が2~3キロ減りました・・・が、夜、水分(アルコール含む)や食事で一気に取り戻した事は言うまでもありません!
そんな1日でした。