畳刺 父ちゃんの日々

畳替え、安売りチラシについて

先日色々な酷い施工を載せたついでに、最近までにお世話になったお客様に実際聞いた安売りチラシ業者の話をしたいと思います。

まずは今日お世話になったお客様が当店の前に見積もりを依頼した国際規格を売りにしている安売りチラシ業者の話です。
見積もりに来た従業員はしきりに中国産の畳表を薦め、最後は熊本産の畳表で12,000円の表替えで8畳分を見積もりしたそうです。
その後、その従業員はお客様の受注を待たず、畳を上げ始め(驚愕)、『明日には仕上がりますから』と言ったそうです。
慌てた奥様が旦那さんを呼び、畳を敷かせて帰らせたと言う事でした。

また別のお客様の所では、20年経ったワラの畳を見て、『隙間も直らないし、20年も経った畳からはシロアリも出るので全て新畳に取り替えないと使えません』と言ったといいます。
それもボードを使って1枚18,000円(古畳処分代別)での見積もりで部屋数もあったので相当高額になったということでした。
私が見た限り、まだ表替えで施工可能でもちろん隙間も直しますし、当たり前ですが畳からシロアリが出ることはありません(激怒)
お客様を不安がらせ、高額な見積もりを出していく。
そのお客様の所も旦那さんが疑問を感じ、注文はせずに当店に相談頂いたのでありました。

また高層マンションのお客様の所では2層式のボードに1万円以上の表替えの見積もりを出したのでとても予算に合わずご相談頂き、お話をしてお見積もりを出し注文を頂きました。
10年以上経った2層式のボードに本来我々【畳店】が使用する1万円以上の畳表がつけられる事は大抵ありません。
畳表が良すぎて畳床が負けてしまうのです。
もし1万円以上の畳表がつくようなら私達一般の畳店が扱う畳表とは異なる物になります。
良い畳表というのはしっかりした土台(畳床)があってこそ使用できる物なのです。



あるグループ系列の別の安売りチラシ業者の話しですが、熊本産の畳表替え3千円台と謳っていたのでお客様がお見積もりを頼んだ所、チラシに書いているにも拘らず、中国産の畳表をとにかく薦め、国産の畳表は1万円以上になると言ったらしいのです。
もちろん疑問に思ったお客様は、とりあえず見積もりしてもらいその後、当店に相談下さったと言う訳です。



また当店近くにある大型ホームセンターの話ですが、隣町のお客様がベンチに置くちょっと特殊な寸法の畳を作ってもらおうと、受付の従業員に話した所、『うちではそういった畳は作れないのでちゃんとした畳屋さんに注文したほうが良い』と言われたと当店に来て注文頂きました(苦笑)
その受付の従業員もよく、お客様にそういった話しをしたものだと私も笑ってしまいました。



限定3日間、先着何名様限り、当店通常7千円の品を3千円で!  ・・・なんて本当に出来るでしょうか?
良く考えてみて下さい。
農家さんが1年を鰍ッ育てたイ草で畳表を織り、そこに縁や縫い糸やその他の副資材料が鰍ゥり、さらにそれを加工する職人の手間が入る。
それが7千円の品を4千円も安く出来るでしょうか?
それぞれに利益が生まれるでしょうか?
畳屋(職人)とはそんなイイカゲンな商売ではないのです。

最終的には上手く言いくるめられ、国産の畳表を使ったから1万円!という事になっていくのです。

チラシの値段だけで決めてしまうのは本当に恐い事ですよ!



今では街で店を構えている畳店の他にも色々な業者が沢山あり、お客様も何が本当の値段か分からなくなってしまっていると思います。
畳替えをご検討の際は、まず見積もりに来てもらい、品物を見て、説明を受け、ちゃんと納得した上で注文をした方が良いと思います。
また店によって扱っている品物、価格の設定は違うのでそれぞれの業者の品物を見て説明を受けた上でそれが高いのか安いのか判断した方が良いと思います。

決して値段だけでここは高い、こっちは安いと決めてはいけません。
値段だけでは何も分かりませんが、品物を見て説明を受ければ本来、畳はどなたでも解るものなのです。



また、畳屋とは技術職(職人)です。 
長年使用する物ですので値段だけに惑わされぬよう、しっかりした仕事と適正な品物を選んで頂きたいと思います。



業者によって扱う品、価格のつけ方はもちろん自由です。
お客様がそれぞれの業者に頼み、その品物、仕事で満足頂ければそれで良い事なのですから。
でもたまにお世話になるお客様の畳を見て以前やった業者の施工、品物に対してこれは酷いなと思うことが多々あるのです。
職人として自分以外の業者が見ても恥ずかしくない品物と施工、また本当にお客様に喜んで頂ける仕事を心鰍ッたいものです。

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コメント一覧

畳刺 父ちゃん
加藤畳店様

初めまして、コメント有難うございます。
ここ千葉県でも聞いて驚く業者は沢山おります。
我々《畳屋》がお客様にきちんと説明をして色々畳の事を伝えないと《畳》が軽視されてしまいます。
今年もそういった業者に負けないよう日々努力です。
これからも気になった記事など御座いましたら、お気軽に足跡残して下さいませ。
宜しくお願い致します。
通りすがりの畳店
http://kato-tatamiten.com/
はじめまして。 たまたま見かけさせていただきました。 安売りチラシは毎日のように入ってきますね。お客様の中には見積もりといってきたのに「お宅に付いている畳は15000円のものなので同じものをつけておきますね!」と言って勝手に畳を引き上げて行ってしまったみたいです。そのあと奇跡的に返還されて当店で仕上げました。 お客様に対して後のことはかまわずにその時だけの仕事しか考えていない業者が沢山いることが信じられません。とても参考になりました。ありがとうございます。
畳刺 父ちゃん
hei-soda様

建築職人の中で1番機械化が進み、仕事がおかしくなってきたのは畳屋だと思います。
昔はそれこそ職人しか出来ない仕事だったはずが、素人業者やホームセンターまでもが参入し・・・。
本当に情けない事です。
このまま行ったらこの業界は衰退する一方、何とかしなければと思うのですが、個人で出来る事は本当に微力で・・・難しいです。
畳刺 父ちゃん
畳職人でございます。様

TVでそれが当たり前のように放送されてしまうのだから恐い事ですよね。
速さのみを強調して、いかに手抜きなのかを伝えない。
困ったものですよね。
目乗りも無い、どうやって上前の基準を決めてるんだろうと思う畳、本当にありますよね。
畳屋を始めた20年前にはここまで酷い仕事はあまり見られなかったのに、最近は呆れる事ばかりが多いです。
hei-soda
実際の話を聞くと浮「ですねえ、ひっかからに様に自衛しないといけない
町の信頼できるお店に頼むのが一番なんだけど
いろんな商品も、こういった風に 悪質が多くて。
注意注意。
畳職人でございます。
http://www.tatami-hamoto.com/
家の地域でも安い価格のチラシが入っております。
先日テレビで24時間営業中の所をやっておりましたが、
畳を剥がすのに1分?寸法は職人の経験なので、測らなくても大丈夫、
機械で縫って作業始めから完成まで5分?との事でした。
道具の名前も違う言い方してました(^_^;)
私も時々安価にやっている所の後を施工しますが、
隙間、段差は当たり前、
殆ど畳床は壊されていますし、寸法も目乗りも全く無し酷い物でした。
価格も遠回しに聞くと、
この畳表がそんなに高い値段だったのかと思ってしまいました。
畳刺 父ちゃん
aoyagitatamiten様

ですので我々【畳屋】がお客様にきちんとした情報と《畳》を伝えなければなりません。
業界全体としても、個人としても。
消費者に1番に接する【畳屋】が伝えなければ、畳を支えているイグサ農家さんや製畳屋さん(ワラ畳)、その他の副資材料屋さんが報われません。
この道を歩く以上、頑張りましょうね!
aoyagitatamiten
http://aoyagitatamiten.blog.so-net.ne.jp/
そんなイカれてる行動を取る業者が.....
ある程度の規模がある業者や、グループ企業がそう言った商売をしていると畳業界が全部そう言った目で見られかねないですよね。



畳刺 父ちゃん
sugitatami様

ISOを売りにした月に数回、安売りチラシを入れる業者です。
sugitatami様の所にはまだ無いでしょうか?
話を聞いた時にはそんなことするの!?とビックリしました。
夜なべから帰ってきて投稿している内、ちょっと熱くなっちゃいましたね(苦笑)
記事も結構修正いたしました(反省)
sugitatami
http://sugitatami.com
お疲れ様です。
 国際規格?
凄い営業というか、行動ですね・・・!
 
 続いたせいか、何時になく熱いですね。

 最低限、次の機会に、同業者に見られても恥ずかしくない仕事(材料+施工)をしておきたいと思っております。
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