畳刺 父ちゃんの日々

見えぬ所に掛ける手間

今日はマンション1階のお客様の入れ替え仕事でした。
10日ほど前、2階の水道管が破裂し、滝のように溢れた水が1階お客様の元へ hi
和室と洋間一部が水浸しになる被害を受けたとの事でした。

なるべく早くとの事でしたので見積もりと共に畳の処分、採寸をすると、幅は(江戸間)標準より2寸(6㎝)小さく、丈が標準より5寸(15㎝)大きい。
古畳を引き上げる時、何か大きいと思ったのですが、このマンションでは初めての事だったので想定外でした。

このままだと本間《ほんけん》(京間)物を使うしかなく、それだと幅が小さいので、凄く勿体無い。
そこで寸5角(4,5cm)の巾木(無節)を入れ、何とか江戸間寸法で使えるようにしました。

   

これでこれからもギリギリ江戸間として標準の材料、価格で済み、お客様にも 《 優しい部屋kirakira2 》 となりました。

またこの和室の角にはマンション独特の大きな切り欠けが。

ボードを使えば何も苦労は無いのですが・・・。
ワラやワラサンドではそうも行きません。

落としの前にしっかり、縫い止めです。
仕上がれば全く見えなくなりますが、これをやらないと膨らんでしまって大変な事になります。


    

寸法を確認し、2箇所ずつ縫い締めておきます。

    

切り欠けの寸法に合わせ落とします。
縫い止めをしてあるので膨らむ事がありません ok 
この作業をやらない(出来ない)素人業者も多々おりますが、職人なら皆やる作業です。
どんな職人でも、見えない所にこそ手間を掛ける事が多いのです。
お客様は仕上がった表面しか見ることはありませんが、中身に手間を掛けるとその物の表情も必ず変わります。   

    

きっちり仕上がり、お客様にも大変喜んで頂けました。
今日も笑顔を頂きましたので手間を掛け、色々工夫した甲斐がありました。
有難うございました。


その後は、別の現場の引き上げや見積もり(2軒)など、そんな1日でございました。



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コメント一覧

畳刺 父ちゃん
hei-soda様

有難うございます!
京間の畳と江戸間の畳ではずいぶんと単価に差が出てしまいますので。
頼んで良かったなんて言われたら最高に嬉しいものです!
hei-soda
いい仕事ですねえ
お客様の立場に立って
少しでもコストを抑える
喜んでいただけたでしょうね
いつも、いつも ご苦労様です
畳刺 父ちゃん
sugitatami様

今回も1本、入れてしまいました(笑)
たった1本の巾木ですが、されど非常に重い1本です。
本間と五八では随分と違ってしまいますからね!

見えぬ所に鰍ッる手間、背中に背負った文字に偽りはありません(笑)
sugitatami
http://sugitatami.com
大工仕 父ちゃんさん
 お疲れ様です。
見えない所の手間は大事ですね。


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