お見積もり時に1部屋は普通の表替え、もう1部屋は畳床が非常に悪く普通なら新畳になるのですが、離れの2階の和室を洋間に変え、その畳をとって置いてあるのでそれを使ってもらえないかというご相談を受けたのでした。
畳の程度、寸法を見てみると何とか使えそうだったので1部屋は切り合わせの表替えにすることに。
そして今朝。
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裏書きを確認後、10枚あるうちの程度の良い物を選びます。
ここでちょっと補足です。
あまり知られていませんが、畳の大きさは1枚1枚違います。
六畳間なら全て違う大きさの畳が6枚入っているのです。
ですので同じ部屋の中の畳を入り口の畳が傷んだから奥の畳と交換しようとしてもピッタリ入る事はありません。
これは部屋(敷居や寄せ)の曲がりに合わせて1枚1枚の畳を作るからです。
いうなれば畳はパズルのピースと同じ。
違う所に入れようとしても入らないのです。
農家のお客様で、友達に程度の良い畳を貰って来たからそれを茶の間に敷いてもらえませんか?と相談を受ける事がありますが、寸法を測って作り直さない限りそれは出来ないのです。
同じ家の2つの8畳間でも部屋が違えばピッタリ入る事は絶対にありません。
また8畳の和室と6畳の和室では大きさも大分違います。
洋間にただ置くだけの置き畳ならまだしも、和室に畳を敷く場合は必ず採寸をし、1枚1枚に寸法を割り付け、畳を作るのです。
ですので畳の裏には何処に敷く畳か方角などが書かれています。
もし機会があれば見てみて下さい。
和室の畳は全てオーダーメイド。
暇だから作り置きしておこう!・・・という単純な商売ではないのです。
話しは戻って
和室の畳を引き上げ、部屋の採寸をします。
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施工前
工場に帰って早速施工です。
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全ての畳のおおよその寸法を確認後、採寸した部屋の畳に合わせて直していきます。
これを 《 切り合わせ 》 と言います。
工事代金は畳表替えの値段+寸法修正代が鰍閧ワすが、新畳にするよりお安く済みます。
但し、使用する畳のサイズが部屋の畳より大きい場合は問題ないのですが、使用する畳のサイズが部屋の畳より大分小さい場合は使うことが出来ません。
ある程度、使う畳が部屋の畳のサイズに見合っていないと切り合わせは出来ません。
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寸法の大きい畳を基準とし、寸法を詰めたり、小さい場合は足りない寸法を足したり、物によっては非常に手間が鰍ゥります。
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寸法を大きく増やす場合はまずはゴザである程度出してからその後ワラで調整をして寸法を合わせます。
2回に分けて違う縫い方で寸法を合わせるのです。
今回の畳は平均で2分(ぶ)ほど、小さかった物は最大で7分(ぶ)増やしました。
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施工したのは熊本産の市松表(上品)です。
何年も置いておいた畳を使うのですから防虫紙加工もしました。
それでは施工後です!
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市松表に赤の無地縁が映えます。
お客様は 『 市松表とこの無地縁にして良かった! 』 とお気に入りの様子。
『 あの時、畳を捨てなくて良かった~! 』 と喜んで頂けました。
そんな切り合わせ仕事のご紹介でした。