聖千秋著〖落花流水の情〗全3巻のあらすじとネタバレ感想。
重度のマリッジブルーに陥ったモモは結婚式をドタキャン。
それでも婚約者の青は変わらずモモに優しい。
だが、青の祖母の怒りはおさまらず……。
だが、青の祖母の怒りはおさまらず……。
『四百四病の外』全2巻の続編。
〖落花流水の情〗全3巻
■著者:聖千秋
■カバーデザイン:
松本哲児(BRiDGE)
■発売:株式会社集英社
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〖落花流水の情〗全3巻登場人物
〖落花流水の情〗全3巻あらすじ・ネタバレ感想
【前作】
〖落花流水の情〗登場人物
●浅尾モモ(あさお・もも)
文科省の役人で汚部屋の住人
青と婚約しているが……
青と婚約しているが……
●森野 青(もりの・しょう)
見た目の良さが災いするタイプ
航空会社の整備士に復帰
航空会社の整備士に復帰
●モモの友達・ナナオとカリナ
●青の叔母
●青の叔母の子・しゅうくん
●青の叔母の夫
●吉見 結(よしみ・ゆい)
青の叔母の夫の妹
高校生だが入院中
●青の祖母
結婚式をドタキャンしたモモに激怒
●森野翠砕(もりの・すいさい)
青の祖父で有名な陶芸家
●浅尾安哉子(あさお・あやこ)
モモの母でA大学教授
●浅尾 収(あさお・おさむ)
モモの一番上の兄で国税庁勤務
●浅尾修一(あさお・しゅういち)
官庁を定年退職
現在は外交史料館職員
名前しか出てこず
名前しか出てこず
●浅尾 櫂(あさお・かい)
モモの2番目の兄で外務省勤務
名前だけしか出てこず
名前だけしか出てこず
●企画課の課長
モモの憧れで目標・森野翠砕のファン
●青のストーカー
大学時代の元カノがストーカー化
なぜかモモに興味あり
なぜかモモに興味あり
●権藤悦子(ごんどう・えつこ)
キャリア教育課のモモの上司
全く仕事をしない
全く仕事をしない
●志村悠里(しむら・ゆり)
グランドスタッフの実習生
青が自分を好きだと勘違い
青が自分を好きだと勘違い
〖落花流水の情〗1巻あらすじ・感想
【そのまえに】『四百四病の外』全2巻あらすじ
●あらすじ
浅尾モモは9日後に結婚式を控えているが、未だにウェディングドレスを決めていない状態だった。
婚約者の森野青(しょう)は、モモの中学からの友人であるナナオとカリナに一緒にドレスを選んでやってほしいと頼む。
友人の後押しを期待した青だったがモモからは式をやめたいと告げられ、あっさり式をキャンセル。
ところが、ハワイで2人だけの結婚式を挙げることもできると気づいたモモは、再び結婚に前向きになる。
この事態についに青の祖母が激怒。
婚約者の森野青(しょう)は、モモの中学からの友人であるナナオとカリナに一緒にドレスを選んでやってほしいと頼む。
友人の後押しを期待した青だったがモモからは式をやめたいと告げられ、あっさり式をキャンセル。
ところが、ハワイで2人だけの結婚式を挙げることもできると気づいたモモは、再び結婚に前向きになる。
この事態についに青の祖母が激怒。
「あの女の子はだめ!あれは……!もう許さない……!」
(131ページ)
●感想
〖四百四病の外〗全2巻では想いが通じるまでが描かれている。
〖落花流水の情〗では結婚までの紆余曲折が描かれている。
どちらの作品もモモの恋愛ベタで変に頑なで真面目な性格が災いして事態をこじらせまくっている。
どう考えても意味不明な我が儘にしか思えないモモの発想や行動に青は常に付き合うのだから立派だ。
〖落花流水の情〗では結婚までの紆余曲折が描かれている。
どちらの作品もモモの恋愛ベタで変に頑なで真面目な性格が災いして事態をこじらせまくっている。
どう考えても意味不明な我が儘にしか思えないモモの発想や行動に青は常に付き合うのだから立派だ。
青は見た目が良くて今時珍しい高学歴・高収入・高身長で、住んでいるマンション以外にも物件を所有している。
金払いが良くて礼儀正しく優しい。
お付き合いする相手も結婚相手もよりどりみどりなのに、モモに強烈な一目惚れをしてしまったのが運のつき。
まあ、振り回される振り回される。
金払いが良くて礼儀正しく優しい。
お付き合いする相手も結婚相手もよりどりみどりなのに、モモに強烈な一目惚れをしてしまったのが運のつき。
まあ、振り回される振り回される。
式を挙げないことで青の祖父母の家に説明に行ったモモは、おばあさまからこんなことを言われてしまう。
「…女はね
川に浮かんだ
花のように
男の人に
流されてれば
いいの
流れに逆らわず
流れに逆らわず
フワッと浮いていれば
いいのよ」
(66~67ページから引用)
おばあさまの時代はそれが正解だったのだろうが、モモのようなキャリア官僚じゃなくても今時の女性には引っかかる意見だなと思う。
それにしてもモモの結婚式への考えがコロコロ変わりすぎ。
おばあさまじゃなくても怒りたくなるわ。
ウェディングドレスを着た姿を職場の人や家族、親戚に見られるのが嫌だとごねて式をキャンセル。
ウェディングドレスを着た姿を職場の人や家族、親戚に見られるのが嫌だとごねて式をキャンセル。
にもかかわらず、ハワイで青と2人だけならば式を挙げると言う。
てっきりドレスを着たくないのかと思いきや
てっきりドレスを着たくないのかと思いきや
「先生しか
見てないなら
ドレスでも
モモヒキでも
なんでも
着ますよ」
(129ページから引用)
なんてシレッと言うのだ。
おまえ、ほんといい加減にしろよって感じだが青はモモの気持ちを尊重する。
さんざん我が儘をぶちかました後でモモは青のことをこんなふうに考える。
なんてシレッと言うのだ。
おまえ、ほんといい加減にしろよって感じだが青はモモの気持ちを尊重する。
さんざん我が儘をぶちかました後でモモは青のことをこんなふうに考える。
人に嫌な
ことを言わない
人の言葉を
否定しない
最初
から
ずううう――
――――
っと
変わらずやさしい
……
どういう
育ち方したのかしら
(182ページから引用)
人に嫌なことを言わない、人の言葉を否定しない。
人間できてると思うけどモモに対しては怒るべきだろう。
青の真っ直ぐなやさしさにモモは後ろめたさを感じ自分の行いを反省したりするのだが、その時は気づかずやらかすのだ。
頑なでいろんな事に不器用でうまくこませるようになるまで人の2倍は時間がかかるモモを青は責めないどころか、むしろ何があっても肯定する。
青の真っ直ぐなやさしさにモモは後ろめたさを感じ自分の行いを反省したりするのだが、その時は気づかずやらかすのだ。
頑なでいろんな事に不器用でうまくこませるようになるまで人の2倍は時間がかかるモモを青は責めないどころか、むしろ何があっても肯定する。
自分を肯定してくれる相手にヒロインがキュンとするのが王道少女漫画だが、モモは立派すぎる婚約者と一緒にいるほど自己嫌悪に陥ってしまう。
簡単にキュンキュンしてくれればうまくいくのにねぇ?
簡単にキュンキュンしてくれればうまくいくのにねぇ?
〖落花流水の情〗2巻あらすじ・感想
●あらすじ
改めて青の祖父母の家を訪ねたモモは、結婚式をキャンセルした理由を正直に話し深々と頭を下げる。
だが、青の祖母の怒りはおさまらない。
モモは説教をされている間、出された高そうで美しい和菓子を見つめながら家の格を感じていた。
その和菓子が祖母の手作りだと知ったモモは太刀打ちできないと考える。
だが、青の祖母の怒りはおさまらない。
モモは説教をされている間、出された高そうで美しい和菓子を見つめながら家の格を感じていた。
その和菓子が祖母の手作りだと知ったモモは太刀打ちできないと考える。
「今の私には、先生はもったいない」
己の身勝手さを反省したモモは青にふさわしい女性になりたくて、あえて青と距離を置く。
だが、もともと見た目が良い青の周辺に女の影がちらついて……。
だが、もともと見た目が良い青の周辺に女の影がちらついて……。
●感想
「彼女はオレが
頼み込んで
頼み込んで
やっと首を
縦に振って
くれた人なんだよ
このことに
関してだけは
口を挟まないで
ほしいんだよ」
「彼女が
好きなんです
大事な人生
だからこそ
彼女に
決めたんですよ!」
52ページでおばあさまと叔母さんに宣言する青、カッコいいわぁ。
でも、モモには青の肯定が息苦しい。
モモが知らない所でモモの友達にもよくしてくれ、身内に責められても絶対にモモの味方でいてくれる。
我が儘を言っても全部受けとめてくれる。
だけど、自分は何も返せない、それに見合うことを青にしてあげていない。
こんな自分で良いわけがない。
そんな心境になったんだろうなぁ。
72ページでモモは、
モモが知らない所でモモの友達にもよくしてくれ、身内に責められても絶対にモモの味方でいてくれる。
我が儘を言っても全部受けとめてくれる。
だけど、自分は何も返せない、それに見合うことを青にしてあげていない。
こんな自分で良いわけがない。
そんな心境になったんだろうなぁ。
72ページでモモは、
「私の息子が
こんな嫁を
連れてきたら
心配に
なります」
と口にする。
モモがこういうネガティブ発想をし始めるとなかなか止められない。
「青さんには
きっともっと
ふさわしい方が
いるでしょう」
(73ページから引用)
ついにそこまで言ってしまう。
モモは、青にふさわしい自分になれなかったら、他にふさわしい人を見つけていい、なんて言う。
そんな事言われて喜べるはずもなく、さすがの青も怒りを露わにした。
モモの性格上追いすがるなんて真似は出来ない。
ここまでくると1巻でおばあさまが言っていた「川に浮かんだ花のように男の人に流されてればいいの」という言葉に納得がいく。
モモの性格上追いすがるなんて真似は出来ない。
ここまでくると1巻でおばあさまが言っていた「川に浮かんだ花のように男の人に流されてればいいの」という言葉に納得がいく。
青とモモが距離を置いている中、青の周辺をうろうろする女・志村悠里(しむら・ゆり)が現れる。
この子の勘違いぶりが何とも……。
こうやって青はストーカーを製造してきたんだなぁ。
この子の勘違いぶりが何とも……。
こうやって青はストーカーを製造してきたんだなぁ。
〖落花流水の情〗3巻あらすじ・感想
●あらすじ
青は、ストーキングされていると言う志村悠里に一週間ほど身を隠す場所として、自分が所有するマンションを紹介する。
青が自分に気があると誤解している悠里はすっかり恋人気分だ。
青が自分に気があると誤解している悠里はすっかり恋人気分だ。
一方、モモは新しく配属されたキャリア教育課で全く働かない上司に押しつけられた仕事を人の2倍働いて片付けていた。
早朝から夜遅くまで働き、その上、青の為に料理教室通いまでしている。
そんなモモに青と悠里の隠し撮り写真がメールで送られてくる。
早朝から夜遅くまで働き、その上、青の為に料理教室通いまでしている。
そんなモモに青と悠里の隠し撮り写真がメールで送られてくる。
●感想
青にマンションを紹介された志村悠里。
私はこういう図々しい女が嫌いだ。
青がマンションを2棟持っていることや祖父が有名な陶芸家であることから、婚約者はプチ玉の輿で羨ましいなどとほざく。
仕事ヤんなったらいつでも辞められると、いーなーを連発する。
青の前でそんな品のないこと言いなさんな。
私はこういう図々しい女が嫌いだ。
青がマンションを2棟持っていることや祖父が有名な陶芸家であることから、婚約者はプチ玉の輿で羨ましいなどとほざく。
仕事ヤんなったらいつでも辞められると、いーなーを連発する。
青の前でそんな品のないこと言いなさんな。
モモは汚部屋の住人ではあるが、いくつ家を持っていてもそれは親の努力の成果で自分達のスキルに関係ないと言う。
大事なのはその家に誰がいるかだと主張。
そういう所、ちゃんとしているのだ、汚部屋の住人だけど(笑´∀`)
大事なのはその家に誰がいるかだと主張。
そういう所、ちゃんとしているのだ、汚部屋の住人だけど(笑´∀`)
1巻で電車に乗ろうとしているモモを必死に呼び止める青に対して苛立ちを感じていたモモだが、3巻ではモモが青を必死に呼び止めようとする。
人違いだったけど、やっと恋する乙女モードになったのねと思った。
ピッカピカとまではいかないまでも汚部屋の住人からは脱出し、料理もちゃんと作れるようになったモモ。
何だかんだで凄く頑張り屋なところがモモの一番の魅力だ。
それにやっぱり頭は良いのだ。
青と誰だか知らない女の写真を見て心穏やかではないが、それは自分の中で抑えて決して青を問い詰めたりしないのは賢い!
人違いだったけど、やっと恋する乙女モードになったのねと思った。
ピッカピカとまではいかないまでも汚部屋の住人からは脱出し、料理もちゃんと作れるようになったモモ。
何だかんだで凄く頑張り屋なところがモモの一番の魅力だ。
それにやっぱり頭は良いのだ。
青と誰だか知らない女の写真を見て心穏やかではないが、それは自分の中で抑えて決して青を問い詰めたりしないのは賢い!
基本的に青は普段はニコニコしていない。
優しげに目を細めるのはモモの前だけ、もしくはモモの話をしている時だけ。
モモの親友・カリナはうまいこと言う。
優しげに目を細めるのはモモの前だけ、もしくはモモの話をしている時だけ。
モモの親友・カリナはうまいこと言う。
「攻撃的なニヤついた目」(50ページから引用)
ああ、確かに男の人は意中の女性を前にするとそんな目をするわよね。
青の表情を見ているとほんとに良い人だなぁと思う。
よくぞここまで我慢してくれました。
118ページから120ページまでのモモの台詞、結構な手練手管だわね。
地獄から天国みたいな?
これは青さん、メロメロになるわ、うん。
よくぞここまで我慢してくれました。
118ページから120ページまでのモモの台詞、結構な手練手管だわね。
地獄から天国みたいな?
これは青さん、メロメロになるわ、うん。
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