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聖千秋著『四百四病の外』全2巻感想。クビにしたい側とされる側のストーカー気質ラブコメ

聖千秋著『四百四病の外』全2巻のあらすじとネタバレ感想。
悪評の宝庫の数学教師に解雇処分の決定を下そうと文科省から派遣された役人。
クビにしたい側とされる側のストーカー気質ラブコメ。

『四百四病の外』全2巻

著者:聖千秋 『四百四病の外』
■著者:聖千秋
■カバーデザイン:川谷康久
■発行:株式会社集英社



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『四百四病の外』登場人物

『四百四病の外』全2巻あらすじ・ネタバレ感想




『四百四病の外』登場人物 

●浅尾モモ(あさお・もも)
 24歳。文科省企画課の役人
 汚部屋の住人
 青にプロポーズされるが……

●森野 青(もりの・しょう)
 28歳。イケメン。マンション保有
 悪評の宝庫の高校数学教師
 モモに一目惚れ

●モモの友達・ナナオとカリナ

●青の叔母
●青の叔母の子・しゅうくん
●青の叔母の夫
●吉見 結(よしみ・ゆい)
 青の叔母の夫の妹で高校生
 入院中で青が勉強をみている
●青の祖母
●森野翠砕(もりの・すいさい)
 青の祖父で有名な陶芸家
 (2巻登場)

●企画課の課長
 モモの憧れで目標
 森野翠砕のファン

●青のストーカー
 大学時代の元カノ
 実は別の男と婚約中



『四百四病の外』1巻あらすじ・感想 

●あらすじ
一等航空整備士として航空会社に2年勤務した経歴を持ちながら現在は高校の数学教師をしている森野青(もりの・しょう)。
彼は悪評の宝庫だった。
遅刻欠勤に男女間のトラブル、裏口入学の斡旋とろくでもない。
国を担う子供達を守る為、ダメ教師をクビにしようと文科省から派遣されてきた浅尾モモは青を前に初っ端から刺々しい態度をとる。


ところが、青はモモに積極的に話しかけ結婚しているか確認したりメールアドレスを聞いてきたりする。
おまけに遠方から通うモモの為に、駅から2分で家賃は相場の半分以下という驚きの掘り出し物マンションまで見つけてくる。
青を警戒しながらも窓から見える月が気に入ったモモは賃貸契約をする。
ところが、そこは青が家主のマンションだった。


青の行動にヘタしたら殺されるかも、と恐怖を覚えたモモは慌ててマンションを解約しようとする。
その晩、マンションの前にはパトカーが駐まり大勢の人が集まっていた。
人垣の向こうには青と警察に保護され泣いている女性の姿が……。


●感想
「四百四病」とは人がかかるあらゆる病気のことで「四百四病の外」とはそれ以外、つまり「恋の病」「恋わずらい」をさす。
恋わずらいとは実にやっかいで少しずつ尋常ではなくなる。
青の大学時代の元カノは当時からずっと青につきまとっている。
モモが3ヶ月間青の高校へ派遣されることになったろくでもない情報も、元を辿れば青の元カノに行き着くのだ。


モモも多くの教師は真面目に働いていることは分かっている。
親とかPTAとか教育委員会とか、今の先生達は働きにくいことだろう。
テレビのニュースに取り上げられるようなスカな教師なんてほんの一滴のシミみたいなものだろうが、対応が悪いとシミが広がって色々巻き込んで大事になるのが学校という場所なのかもしれない。


課長のような鉄の女を目指しているモモだが実生活は汚部屋の住人だった。
酷い部屋だという意識はあるが片付けられない。
全部ときめくから捨てられない。
分かる~、私もそうだもん(笑´∀`)
そんなモモの部屋の状態を目の当たりにしても青の気持ちは冷めない。
一目惚れってそこまで何でもOKで許せるもんか?
たいしたもんだわ、私なら引くわ。


青は見た目の良さが災いして周囲に勝手なイメージを作り上げられる被害者なのだが、誤解を解く努力を放棄している。
一方モモは
「理不尽な
ことは
泣きわめいてでも
道路で
大の字に
なってでも
わかって
もらうまで
主張し
続けます!!」
(109ページから引用)
と自分を曲げないタイプだ。
そんなモモも青を知るほど心のバリケードが少しずつ撤去されていく。


私だったら誤解が解けて、イケメンでお金持ちの男性って部分だけ見れば、青が自分に一目惚れしてくれた状態に大喜びする。
マンション一棟持ってる28歳なんてしめしめだ。
でも、モモは出会ったばかりで積極的に好意を示す青を怖いと思う。


どうにか青から逃げたいモモは、ひょんなことから青のストーカーから聞いた女房気取り作戦を実行し嫌われようとする。
が、無理だった、もう何をやっても無理だった。
青が諦めるどころかむしろより一層どっぷりハマった。
好きでもない女の女房気取りは迷惑だが好きな女なら嬉しいに決まっている。
だいたいあの汚部屋を見ても嫌いになっていないのだから。


そんな中、モモが辿り着いたのは
「あの男 絶対受け付けない!!」 
(194ページから引用)だった( ̄∇ ̄)
著者:聖千秋 『四百四病の外』



『四百四病の外』2巻あらすじ・感想 

●あらすじ
青のことを何度も相談している友達のナナオとカリナから、ほんとにキライなら逃げる方法はいくらでもあると冷たく突き放されてしまったモモ。
仕事でも厳しい現実を突きつけられる。
問題教師・森野青の素行を調査していたのがモモだけではなかったどころか実は自分こそが適性検査の対象だったことを知りショックを受ける。
モモは来月から滋賀県庁へ行くよう言い渡される。


自分自身にがっかりして何だか淋しくなってしまったモモは、青に1ヶ月だけのお付き合いをお願いする。
だが、困ったことに青が何をしてもモモの琴線にちっとも触れなくて……。


●感想
28ページで青が
「教師って
想像以上に
孤独なんですよ
解放される
時間も
まったく
ないんですよね」
とモモに話す。
何だか学校の先生が気の毒に思える台詞だった。


見た目ヨシ、頭ヨシ、しかもお金持ち。
大抵の女性からしたら青は優良物件だと言えるが、モモの中に青に対して好きだという感情が湧いてこない。
ところが青が輩を追い払ったことでモモの中に恋心が芽生える。
寝癖だらけのボサボサ頭でも平気だったモモが御髪を整えるようになり、料理をふるまおうとしたりする。


しまいには青の動向が気になって仕方がなくなり、ついには用事も無いのに青が勤務する高校へ顔を見に行ったり彼の後をつけたりしてしまう。
完全にストーカーだ。
冷静に考えれば、有給をとって1日に何件も青にメールを送りつけている自分の行動が異常に思える。
おかしな真似ばかりしてしまう自分自身が怖くてたまらなくなったモモは、青に黙ってマンションを引き払い姿を消す。


私も会社の昼休みに若かりし頃の恋バナを同僚達と楽しんでいると、今はしっかり者の女性が、大学生の頃は隣近所の人に警察を呼んだ方が良いかしらと心配されるような真似をしていたと言うので驚いたことがある。
私の同僚は彼氏のマンションへ行って、部屋のドアをどんどん叩いたり大声で罵詈雑言叫んだりしたそうだ。
美人で良きママの彼女が、とても今は言えない言葉を涙とともに垂れ流していたなんて想像できなかった。
当時の彼女は、青のストーカー元カノと同じ心理状態だったのだろうな。


モモはそうなる前に姿を消した。
例えばメールの返事をなかなかもらえなかったりすると苛々がつのって腹立ち紛れに1通、また1通と送ってしまう。
相手の都合を考えられなくなり、私のことは好きじゃないのかもとか浮気してるのかもとか悪いように考えてそれを確かめる為に見張ったり尾行したりするんだと思う。


私の同僚は、1ヶ月ほど会わない期間をもうけたらしい。
1ヶ月後、会った瞬間「え?こんな程度の男?」とを思ったらしい。
マンション前で泣き叫ぶほどの執着心は感じなかったそうだ。
『四百四病の外』2巻でも青のストーカーとなった元カノは、青に謝られたことで正気を取り戻す。
憑き物が憑くのも「え?そんなことで?」と思うようなことがきっかけなのだが、憑きものが落ちるのも「え?そんなことで?」程度のことだった。


青のストーカーには男性もいてまさに制御不能。
恋愛経験豊富な青だけど、モモに関しては弱気。
でも、私は青が好きだな。
彼はちょっと言葉が足りないのだ。
そして、モモはちょっと頑なすぎ。
素直じゃないとこじれるよね?
そんな2人も最後は…ふふふ…( ´艸`)
著者:聖千秋 『四百四病の外』

☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆

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