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〖花菱夫妻の退魔帖 四〗あらすじ・ネタバレ感想!仇の手がかりが掴めたか

〖花菱夫妻の退魔帖 四〗あらすじ・ネタバレ感想。
鈴子にとって仇である“松印”の手がかりが掴めそう。
一連の出来事の背後には燈火教が……?

〖花菱夫妻の退魔帖 四〗

『花菱夫妻の退魔帖 四』 あらすじ・ネタバレ感想 tataraworks
■著者:白川紺子
■カバーデザイン:ウチカワデザイン
■カバーイラスト:斎賀時人
■発行:株式会社光文社
■発売日:2024年7月10日



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〖花菱夫妻の退魔帖 四〗登場人物

〖花菱夫妻の退魔帖 四〗あらすじ・ネタバレ感想




〖花菱夫妻の退魔帖 四〗登場人物

<花菱家>
花菱鈴子 はなびしすずこ 
 瀧川侯爵家末娘で母は侯爵家の元女中
 浅草貧民窟の『千里眼少女』
 お印は【花】17歳
 淡路の君に選ばれ花菱孝冬に嫁いだ
花菱孝冬 はなびしたかふゆ 
 神職華族花菱家の次男で現当主
 複雑な生い立ちで一時養子に出さた
 淡路島の島神神社の宮司
 [薫英堂]の社長でもある
 淡路の君という怨霊が憑いている
淡路の君 あわじのきみ 
 花菱家に取り憑いている上臈の怨霊
 霊を喰らう

<花菱家の使用人>
由良慎一郎 ゆらしんいちろう 
 20代の家従で老成している青年
 元は孝冬の兄・実秋に仕えていた
 花菱家が運営する[花祥養育園]出身
 津島わかとは幼馴染み
津島 つしま わか
 二巻~登場。鈴子の小間使い
 由良と同じ[花祥養育園]出身
 由良を「慎ちゃん」と呼ぶ
タカ たか 
 鈴子のお付き
 鈴子と共に瀧川家から花菱家へ移る
御子柴 みこしば 
 家令
田鶴 たづ 
 二巻~登場した女中頭
 元は孝冬の母の御付女中
 鈴子に津島わかを小間使いに推薦
宇佐見 うさみ 
 二巻~登場。運転手。40過ぎ

<瀧川家>
千津 ちづ 
 瀧川侯爵の妾で瀧川の屋敷に住む
 嘉見と双子の娘・雪子、朝子の母
 元芸妓だが没落した公家華族の出身
雪子 ゆきこ 朝子 あさこ 
 鈴子の異母姉で双子。既に嫁いでいる
 鈴子とは10歳ほど歳が離れている
 鈴子をたいへん可愛がっている
嘉忠 よしただ 
 瀧川侯爵の亡くなった本妻の子
 跡取りで官庁勤め
 週末にのみ屋敷に帰ってくる
 四巻で見合い話が持ち上がる
嘉見 よしみ 
 瀧川侯爵と千津の息子で官庁勤め
 週末に屋敷に戻ってくる

<そのほか>
多幡清充 たばたきよみつ 
 [鴻心霊学会]の出版部勤務
 人として鈴子に好感を抱いている
五十嵐睦巳 いがらしむつみ 
 孝冬が横浜に住んでいた頃の昔なじみ
 職業は新聞記者
 “むつみ”と呼ばれたくない
鴻善次郎 おおとりぜんじろう 
 謎多き老人で織物業を営んでいる
 [鴻心霊学会]代表
 宗教[燈火教]と関わりがある
鴻八千代 おおとりやちよ 
 鴻善次郎の妻で千里眼
 花菱家の淡路の君のことを知っている
 [燈火教]の創始者・丹羽の娘
南条弘通 なんじょうひろみち 
 本名は 南条宏 なんじょうひろし 
 ゆすりたかりをはたらいていた
 4、5年前に死んでいる
 自らを華族で“松印”だと吹聴



〖花菱夫妻の退魔帖 四〗あらすじ

●神の居ぬ間に
八月の宵、花菱家を訪れたのは貴族院議員の秘書・中嶋である。
中嶋は仕えている議員から破格の家賃で楡子爵の旧邸を借りている。
だが、その家の玄関からは、昼下がりの暑い最中血の匂いが漂ってくる。
玄関に行くと、上から下まで血まみれの女が立っている。
秘書仲間に尋ねると、その家は幽霊屋敷として有名な家だと言う。
旗本屋敷を楡子爵が買い、それを中嶋の先生が買ったのだが、中嶋が幽霊が出ることを知らぬのをいいことに押しつけたようだ。


●鬼灯の影
花菱孝冬は、帰宅途中で昔なじみの五十嵐睦巳に会う。
記者の五十嵐に、鴻善次郎について調べてもらっていたのだ。
五十嵐の話によると、鴻は政界にも随分と食い込んでいるらしい。
実は五十嵐にも孝冬に頼みたいことがあった。
千駄木の一角に、棚橋武男という退役軍人の屋敷がある。
武男は病死しており今は妻の伊登子とわずかな使用人が住んでいる。
その伊登子の部屋の障子に、武男の妾・えいの影が写ると言う。


●初恋金魚
姉の朝子から鈴子に菓子折とともに、今度の日曜に赤坂の瀧川邸に来てほしいと文が届いた。
行ってみると、長男・嘉忠に縁談話が持ち上がっていると言う。

一方、留守番の孝冬を訪ねて来たのは曽根丈吉という男だ。
丈吉は日本橋の美術商で卑俗な感じのしない四十がらみの紳士だ。
丈吉が住んでいる小石川の家の近所に女の幽霊が現れる。
幽霊は丈吉が金魚売りの頃の客で元旗本の内藤家の娘・早苗ではないかと考え孝冬を頼ってきたのだ。
孝冬と五十嵐が調べると、早苗は叔母の落合益枝に騙されたことが判明。
そして、益枝と組んで強請たかりを行っていた南条と言う男が実は……。



〖花菱夫妻の退魔帖 四〗ネタバレ感想

1話目の『神の居ぬ間に』の楡子爵ってのがクズ中のクズなのだ。
謎が解き明かされていくにつけ、コイツ本当にどうしようもないなと腹が立ってくる。
楡子爵は長州の下級藩士だったが維新後に子爵を授かり、以来一度も国許に帰らなかった。
彼は東京で若く美しい芸妓を娶ったが実は国許に妻子がいた。


ここまでは百歩譲って昔だからよくある話だと思える。
昔は嫁いだからと言って大事にしてもらえるとは限らなかったし、妾がいるのも当たり前であった。
そうは言っても夫として最低限果たさなければならない責任があるだろう。
が、楡子爵は国許の家族に全く送金もせずほったらかしだったのだ。


そんなに簡単に苦楽をともにした妻と子のことを忘れ去れるものなのか?
しかも、妻2人の亡骸の始末も、特に国許の妻の方は動物の死骸でも隠すかのような扱いだった。
子爵として大きな屋敷に住んで若くて綺麗な嫁をもらって有頂天だったのに、苦労がにじみ出ている国許の古女房なんて見たくもなかったのだろうか?
若い妻の方は医者を言いくるめて病死にしたから葬式もして、古い妻の遺体は弔われる事もなくあの屋敷の敷地で朽ちたのかと思うと何とも暗澹たる話だ。


さて、今回は鈴子が鴻八千代とよく顔をあわせる。
八千代は、鈴子と孝冬にとっては敵になるかもしれない燈火教の関係者だ。
八千代は燈火教の創始者・丹羽の娘だが、現在の燈火教の代表で丹羽の弟子だった久津見とはさほど親しくはなく、燈火教とは距離を置いていると言う。
だが彼女の話を鵜呑みにしていいものか、本当のことを言っているようで本心は別にあるようにも感じられる。


年の功だろうか。
とにかく腹の内を探るなどできそうにない人物が八千代だ。
彼女を頼りにしている貴族のご婦人も多く、鈴子が八千代の対応を誤れば権力者から敵視されかねない。
八千代はとても優しそうにも見える一方で底が知れなくて怖い。
夫の鴻善次郎より八千代の方がずっと厄介に思える。


そして、例の“松印”の人物。
華族の親戚と言っていたのが最終的に自分自身が“松印”と呼ばれる華族だと吹聴していた南条と言う男。
こいつも紛れもないクズなので話半分どころか十分の一くらいで聞いていて丁度良いくらい信用ならない。
それでも、鈴子の大事な恩人たちを葬った“松印”に近づいたことに間違いないだろう。
だが、その相手はとても力がある華族のような気がするなあ。
『花菱夫妻の退魔帖 四』 あらすじ・ネタバレ感想 tataraworks

☆。・:*:☆。・:*:☆。・:*:☆。

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