アルバムオリジナル曲最後は「かあさん日和
Kiinaの歌唱はこちら↓
https://m.youtube.com/watch?v=I3aOs_Y9NAw
歌詞は歌ネットより。
https://www.uta-net.com/song/238828/
Kiinaがとても大事にしている曲で、ファンの人気も高いですよね。
カラオケ誌のインタビューで、「松井先生も水森先生もレコーディングに立ち会ってくださった。2番でグッとくるものがあって泣いてしまったら、松井先生も『いいですねえ、いいですねえ』とおっしゃられて、水森先生も『いいねえ』と。先生方と僕の想いがひとつになった作品」「氷川きよしの生涯大事な一曲になると思う」と答えています。
初回限定盤のアルバムには渋谷の54階のビルの屋上から撮影したMVが付いています。
この年のクリコンのアンコール、水色のオーバーコートで登場したKiinaは一番の冒頭から涙涙でこの歌を熱唱しました。
やばい!
DVD観てたら、あの時の感動を思い出して、また泣けてきちゃった!
Kiinaの涙で濡れた笑顔があんまり綺麗で。
そんな大事な「かあさん日和」ですが、最初に歌詞を読んだ時から私が密かに疑問に思っていたことがありました。
この歌の中のお母さんは、いったいお幾つなんでしょう?
どうして九段の大鳥居→靖国神社を見たいと思っていたのでしょう?
「ゆりかもめに乗ってみようか?」と言っているので、時代設定は現代ですし、主人公はKiinaと同じ30前後だとすると、お母さんは50歳台だと思うのですが。50代の方が何故に靖国神社?と。
「お母さんと一緒に靖国神社に参拝」と言えば、思い出す曲があります。島倉千代子さんの名曲「東京だョおっ母さん」です。
この中に、戦死したお兄さんが祀られている靖国神社にお母さんを案内するシーンがありましたね。
もう一曲、島倉さんより1か月前に発表された三橋美智也さんの「東京見物」という曲があって、こちらは、やはり戦死したお兄さんの代わりに弟がお母さんに東京を案内する内容になっています。
どちらも発売されたのは昭和32年。戦争で一家の大事な働き手を失って、残された家族が必死に生活をして年老いた母親に東京見物をさせてあげるのには、10年という歳月が必要だったのでしょう。
島倉さんの「東京だョおっ母さん」の観光ルートは、二重橋(皇居)→九段坂(靖国神社)→浅草。三橋美智也さんの「東京見物」は、二重橋→上野公園→靖国神社。
それから50年経ったKiinaの「かあさん日和」は、数寄屋橋→銀座→九段坂(靖国神社)→千鳥ヶ淵→浅草→上野公園です。
もしかしたら「かあさん日和」には「東京だョおっ母さん」へのオマージュの意味が込められていて、時代は平成であっても、回るルートを変えたくなかったのかもしれない。「平成版『東京だョおっ母さん』」として、靖国神社に由縁の誰かが祀られているのでなくても、九段坂は外せなかったのかもしれません。
MVのKiinaは鮮やかなブルーのチェックのシャツを着て青空の下で歌っていますが、銀座も千鳥ヶ淵も浅草も、セピアがかったモノクロの写真になっています。
昭和でも平成でも、そして令和になっても、親が子を思い子が親を思う心は変わりません。
溢れ出る涙のまま「かあさん 僕からプレゼント」と両手を差し出したKiinaの笑顔を思い出しては、また涙涙です。