アルバムカバー曲6曲めは、灰田勝彦さん「東京の屋根の下」です。
https://columbia.jp/artist-info/hikawa/discography/COCP-34503-4.html
Kiinaの歌唱はこちら↓
https://m.youtube.com/watch?v=q0WjYM4Eyys
歌詞は歌ネットより。
https://www.uta-net.com/song/230989/
1948年に発表されたこの曲は、1930年フランスで封切られた映画「巴里の屋根の下」とその主題歌「パリの屋根の下」を参考に制作されたそうです。
歌詞には日比谷、上野、銀座、新宿、浅草と東京の名所が並んでいますが、実際の東京はどうだったのでしょう。場所によってはまだまだ焼け跡も残っていたかもしれませんね。
服部良一さんの洗練されたメロディーと灰田勝彦さんのソフトな歌声、目をつぶればパリに引けを取らない夢の都の東京が浮かんでくるようです。
そういえば、シベリアに抑留された兵士たちの望郷の強い想いを歌った「読み人知らず」の曲が、作曲者の吉田正さんが名乗り出たことから正式に「異国の丘」として発表されたのも、「東京の屋根の下」と同じ1948年(昭和23年)でした。国と国との間で戦争は終結していても、まだまだ戦争を終わらせることの出来ない人たちが、この国には大勢いました。
歌も人々の心も、戦争による深い傷跡と未来への明るい希望が混在する、そんな時代だったのでしょうね。
現実には、みんな今日を生きるのが精いっぱい。
だからこそ、「なんにもなくてもよい 希望の街 憧れの都」と歌の世界で夢を見たのでしょう。
そんなことを考えながらKiinaの「東京の屋根の下」を聴きました。
優しいゆったりとしたメロディー。
Kiinaもソフトに歌っていますが、本来は張りのある強い声が持ち味なので、わたし的には少し物足りなさも。
「どうしてもKiinaでなければ」というカバーとはちょっと違うかな?という気がしました。