有「で、『最後の浅右衛門』」
リ「どんな話しなんすか?」
有「おもろい小説やった」
リ「ほう。どんな?」
有「いや……なんせ、一気に読めたな」
リ「で、どんな話し?」
有「どんなて。話しの中身を説明するの?」
リ「して下さいよ」
有「それ、難しいなぁ」
リ「例えば、浅右衛門がどんな大活躍をしたとか」
有「あぁ」
リ「あるでしょ?」
有「ないんや」
リ「は?」
有「いや、だから、ないんや」
リ「ないわけないでしょ」
有「出て来んのや」
リ「誰が?」
有「浅右衛門」
リ「兄さん」
有「ん?」
リ「医者行きますか?」
有「いや、だからやな、タイトルは『最後の浅右衛門』なんやけど、主人公はその弟子で、ほぼその主人公の話しなんや」
リ「じゃあ、浅右衛門は?」
有「主人公の回想シーンの中でチラッと」
リ「チラッと?」
有「そもそも、この話し、まだ未完なんや」
リ「未完?」
有「うん。まだ、前半終了っちゅうかんじ?」
リ「では、後半戦で浅右衛門大活躍」
有「かもしれんな」
リ「ふーん」
有「実際な、明治になっても山田浅右衛門いう人は、死刑執行人として、新政府に雇われてたらしい」
リ「明治になっても首斬りを?」
有「それが残酷やっちゅう事で絞首刑になってくわけ」
リ「今もそうですよね」
有「まぁ、人の手で斬るのが残酷やから、外国にあるあの機械…」
リ「ギロチン?」
有「そう。それを取り入れようという話しもあったらしい」
リ「なんか、どっちが残酷なんだか…」
有「そんなんや」
リ「え?」
有「浅右衛門は政府に機械を使って執行する方が情がなく、非人道的な刑だと主張したらしいんや」
リ「ふむふむ」
有「この芝居の朝右衛門さんも、ちょっと死刑廃止論者みたいなとこあるやん?」
リ「言ってますよね」
有「やっぱり、人の死に何度も直面すると色んな事を考えるんやろなぁ」
リ「そりゃ、実際直面していない私達がこの芝居の稽古するだけで色々考えますもん」
有「色々考えるなぁ」
リ「兄さん!!!」
有「何?」
リ「考えてばかりもいられない!」
有「おう!そやった。明日初日や」
リ「集中しないと、ケガしますよ」
有「ホンマや、ホンマ」
リ「明日もヨロシクお願いします!」
有「おう!」
写真一枚目は兄さんの鏡前。
こちらは、犬さんの鏡前。
鏡前にも個性がありますね。
さて、明日は厚木公演初日です!
明日は特別企画として『首斬り朝』の原作者、小池一夫先生と横内さんのアフタートークショーがあります。
そちらもご期待下さい☆