てっきりてっくり

あっという間に1日が終わっちゃう

鋼鉄都市 アシモフ

2006年02月10日 | 読書
今まで未読でした。

遠未来の地球。宇宙に進出し積極的に植民政策を取る地球人と、そのときに遭遇した植民地で育った人類(宇宙人)は対立し、その結果、地球人は負け、地球に閉じ込められることになりました。
地球人は、高度に進化した都市(ドームかな?それとも地下都市?原題がThe Caves of Steelだから、地下都市かな。)で、階級社会を作り上げ生活しています。
そんなとき、宇宙人居住区で、宇宙人が熱線銃で殺されるという事件が起きました。
刑事である主人公と宇宙人ロボットがコンビを組み、この殺人事件解明に乗り出します。

というお話。


読んでいて、この宇宙人ロボットが、映画「アイ、ロボット」のサミーに思えてきてしかたがありませんでした。
小説中の説明によると全然違うのに。それに、洋服だって着てるのに。
それが原因で、変な方に考えが行ってしまい、結末はちょっと意外でした。
映画って、怖いです。

あとから考えてみると、どうして気付かなかったのか不思議なぐらい犯人がわかりやすい話なのになぁ。
単なる後知恵かもしれないけど。


それにしても、この鋼鉄都市、嫌な世界です。
逼塞した社会を描きたかったから、こんな階級社会にしたのでしょうが、本当にいやな世界です。
あ、でも、いまどきの社会風潮を考えると、最低の階級でも生きていくことはできるから楽でいいや~と考える人もいるかも。
階級によって、ゲームやネットができる時間が限定されるとか、特定の階級以上じゃないとできない面白いゲームがあるっていうと、話が別になってくるのかな。

主人公の奥さんの思考回路が理解不能で、ちょっとイライラさせられたけど、他は普通に楽しめました。


初版は1953年。
ハヤカワ文庫初版が昭和54年です。
翻訳は福島正美。

アイザック・アシモフ 鋼鉄都市
The Caves of Steel