もののふのおもひ

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最高の大河ドラマは? 前編

2019-03-17 14:15:21 | エッセイ


今年の大河ドラマ「いだてん」の視聴率が芳しくないらしい。大河ドラマといえば
戦国時代や幕末の動乱期が舞台になる事が多いので、そのような刺激的な背景が描かれているドラマを見慣れている視聴者からすれば、現代劇に近い「いだてん」は物足りなく映ってしまうのかも知れない。
昭和38年(1963)に始まった大河ドラマも今年で58回を迎える。私自身が初めて大河ドラマを観たのは昭和49年(1974)放映の「勝海舟」だった。しかし、ほとんど記憶にない。
このドラマで印象に残っているのは藤岡弘が演じた坂本龍馬暗殺のシーンである。
当時小学一年生だった私が、幕末の時代背景を理解出来るはずもない。よって、坂本龍馬がどのような人物だったか分かるはずもないのである。
それでも坂本龍馬がヒーロー的な人物であることは、何故か理解できた。何故なら龍馬を演じていたのが藤岡弘だったからである。
私たちの年代からすれば、藤岡弘といえば仮面ライダー1号に変身する青年であると認識されていた。そんな彼が悪役やカッコ悪い人間を演じるはずがない、という思い込みがあった。
こんな根拠もないことだけで、坂本龍馬は私の中でヒーローになってしまった。
結果的にそれで良かったのかも知れないが。
ところで、肝心の勝海舟は誰が演じていたのか?
私の記憶では松方弘樹だが、元々は渡哲也だったそうで、渡自身が病気で途中降板せざるを得なくなり、松方が代役になったという事情があった。
いずれにせよ、私にとっての大河ドラマは「勝海舟」で幕を開けた。
このドラマの翌年である昭和50年(1975)放映の「元禄太平記」で初めて忠臣蔵について知ることができた。昭和51年(1976)放映の「風と雲と虹と」では平安時代や平将門の存在を知った。
昭和52年(1977)放映の「花神」で再び幕末について知ることになる。この時は主人公の大村益次郎よりも、脇役の吉田松陰に惹かれた。出番は少ないが、坂本龍馬も登場する。この時は故・夏八木勲が演じていた。
子供の頃から歴史に興味を持っていた自分としては、毎週日曜日の夜8時に放映される大河ドラマが楽しみで仕方ないくらいだった。
それでも私としては不満だった。以上の4作品とも平安、江戸中期、幕末が舞台である。戦国時代に特に強い興味を持っていた自分からすれば、
「なぜ、戦国時代をやってくれないんだ!」
という気持ちだった。
(戦国時代を舞台にした大河ドラマ国盗り物語が放映されていたのは、勝海舟の前年だった。)
ところが、その望みは実現した。「花神」放映の翌年である昭和53年(1978)に放映が始まった「黄金の日日」である。
戦国の世に、大坂・堺を舞台にした壮大なスケールのドラマだった。ただし、主人公は織田信長や豊臣秀吉、徳川家康のような武将ではない。
呂宋助佐衛門こと納屋助佐衛門という豪商が主人公のドラマである。信長、秀あ吉、家康も登場するが、脇役でしかない。
商人が主人公と聞いて当初はあまり期待しなかったが、一年間ほぼ毎週観ていた自分の感想を言わせていただくと、現在に至るまで私の中でこの作品を越える作品はなかったと断言したい。
助佐衛門を演じた市川染五郎(現・松本幸四郎)も素晴らしかったが、信長を演じた高橋幸治も私の中では最高の信長だった。
最近、「黄金の日日」のDVDをついに全巻揃えた。改めて観ると色々と発見があるものだ。