ジジイの鉄槌

認知症で要介護1の実父!施設介護のよもやま話しです。
仕方なく成年後見人になり、その後要介護5へ…

そんなぁ~

2014-03-19 | 認知症よもやま話

新聞に『認知症 欠席裁判で敗訴―自宅競売に』と記事が載った。

内容は、
認知症の父が通販などで無駄買いし、その支払いを銀行引き落とししたいが、本人が銀行預金を全額引き出すため引き落としができない⇒これらの負債がたまり裁判へ⇒自宅競売になったが親族が裁判所へ事情説明⇒競売の取り下げ
競売告知を知る不動産会社が、この土地が共同所有であることを知り、共同所有者に土地所有権売却を依頼⇒共同所有者は売却⇒認知症の方へ残りの所有権売却を要請⇒断られる
不動産会社が提訴⇒裁判所は通常通り作業(裁判通知郵送)⇒認知症の方は郵便物を受理(記憶にない)⇒裁判当日欠席=不動産会社の全面勝訴

この認知症の父は同居する息子さんと二人暮らし。この息子さんは精神障害2級だそうです。

新聞では「成年後見人を立てていたら防げたのではないか」的な表現があった。
確かにそうだろうが、誰が「あなた認知症ですよ。先ずは病院へ。次にあなたの財産を別な方が管理しますよ」って言うんだろう?
近所の人?
遠くの親戚?
「成年後見人申請」の前提として『認知症本人を病院に連れて行く』ことが必要です。
後見人申請には裁判官が承認するに足りる「診断書」が必要で、しかも診断書は、裁判所の所定用紙で提出となり、場合によっては認知症鑑定もおこなうそうです。ですから、少なくても本人を病院へ連れて行かねばなりません。
認知症の方の多くは、そのための病院へ行きたがりませんし、齢で物忘れが増えたくらいのことは思っていますが、自分が認知症である認知はありませんから、身内や行政などの担当者が、かなり一生懸命本人を説得しないと病院なんて行きません。

我が家でも、最初に病院へ連れて行くために2~3時間の説得が必要でした。
独居老人や夫婦で認知症発症している場合や今回のケース。
この作業を誰がするのでしょう?
親族ですか?
近所の方ですか?
町内会などの世話役や民生委員ですか?
地域支援センタースタッフですか?
事故にあってからの警察ですか?

この最初の関門がクリアできないのではないでしょうか?

我が家のご近所の独居老人が、ゴミだしができなくなり、服装が乱れ、外出時にも不穏行動があり「認知症では?」と、町内会班長が町内会役員へ、役員から民生委員へと繋ぎましたが、ご親族への連絡までしかできませんでした。
ご親族もご対応されないようで、既に2年以上経過していますが、改善されません。
この方は、まだマイカーを運転されていますが、既に車はボコボコになっています。


詳しい話しを知らないので、この件はこれで終了しますが、何か簡単に「認知症」を考えているようにも思うし、気軽に誰でもが「成年後見人」になれ、絶大な権利行使できるように思われるのに疑問を感じます。

恐らく新聞に載ったことで「このお父さん」を支援してくれる弁護士や団体が現れるでしょう。
でも、新聞に載らなかったら「このお父さん」は家を取られ、息子さんを抱え・・・。
それを考えると気が滅入ります。


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