父は、嫉妬妄想から妻の「浮気」妄想に囚われ、暴力を振るうようになり緊急入院した。
妄想は記憶となり、医師からも「妄想は短期、単発で一過性ですが、記憶だと、患者には事実なので、浮気を過去のことなど許した状況やもっと脳のダメージが大きくなり浮気の記憶も失われないと・・・」と言われた。
退院時には、まだ記憶として残っていることから、グループホーム入居後も母の面会は見合わせていた。
父の老化や認知症状は春頃からグンと進み、「これなら大丈夫か?」と4月に久々に母を面会させた。
面会後、母側に暴力を振るわれていたころの恐怖心がまだ残っていることや母側に父の行動をたしなめる言葉や動作が多く、父にとってもマイナス影響が多いことから「無理せず、会いたい時だけでいいのでは?」と母が会いたいと自己申告するまで、あえて声をかけなかった。
それから、約2か月が過ぎた。
母の方から「面会したい」と言ってきたので、連れて行った。
父の様子は、大分落ち着き、涙でグチャグチャになることもなかった。
母の体調を気遣う言葉も聞かれた。
相変わらず、話しながらでも着替え動作は続き、意味もなくシャツやズボンを脱ぎ始める。
私と妻は、季節も初夏を迎えたので冬物と夏物、施設から指定のあった着衣の取り換えなど父の衣替えや整理しながらその様子を見ていた。
父は、いつもより調子が良く、動作も落ち着いていた。
反対に母は、父と何を話していいのかわからない様子で、我々の衣替えを手伝おうとする。
やはり、何度も繰り返す父の服を脱ぐ行為が気になってしかたないのか、制止、注意から手を押さえつけたり、言葉がきつくなってくる。
頃合いを見て、面会を打ち切った。
面会時間は45分程度だった。
帰りの車内で母が、
「あんたたち無理してあんな長い時間付き合わなくてよかったのに。いつもの5分か10分くらいでよかったのに。長い時間付き合わせて悪かったね」
という。
我々だけのいつもの面会は90分から2時間、それ以上だ。あえて言うことでもないので黙っていた。
しきりに「もう、私一人で面会しても大丈夫だろうか?」と聞く。
「どうぞ」と答えた。
かつては休みの度に面会しなければならないことに苦痛もあり「おばあちゃんと交代で面会できれば少しは休めるんだが・・・」と思っていたが、2か月前の面会時にそれもあきらめた。
母が、認知症患者を刺激しない対処など出来るはずもないことがわかったから・・・。
ただ、父と母のダブルで面倒見ることになる「母の父の面会同行」は月1程度で止めておいてもらいたいものだ。
我々だけの面会の4倍疲れる。
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