【登場人物】
素素(そそ)/白浅(はくせん)/司音(しいん)…楊冪
夜華…趙又廷
折顔(せつがん)…張智堯
白真(はくしん)…于朦朧
東華帝君(とうかていくん)…高偉光
「長海への旅」
東華帝君が白鳳九を抱きかかえたまま太晨宮へ入ろうとしていると、連宋が「帝君、腕に抱いているのは?」と声をかけてくる。「誠に見てわからぬのか?」と言う東華帝君。連宋は「珍しい光景に驚いただけです。青丘のに姫君では?確かによき娘です。青丘の女子と言えば桑籍兄上に続き夜華も娶りますが、青丘の娘婿は楽ではありませんよ」と話す。そして鳳九が酔っていることに気づき「失魂果を食べたようですね」と言う連宋。東華帝君はふっと笑うと「そなたの女に尋ねよ」と言って太晨宮へ入って行く。
突然入ってきた帝君に跪く侍女たち。帝君が鳳九の寝床を聞き、場所を教えると侍女たちは外へ出て行く。
寝床に鳳九を置いて去ろうとする帝君。そんな帝君の袖をぐいっと鳳九が引っ張り、帝君の顔が鳳九の顔に近づく。「東華、東華」と寝言を言いながら鳳九は微笑む。
翌日。東華帝君に会いにきた鳳九は「昨日は帝君が私を部屋に?」と尋ねる。「そうだ」と帝君が答えると、鳳九が「酔いざましの薬を2杯飲ませてくださいましたか?」と言う。帝君は「いや、3杯だ」と答える。「他に聞きたいことは?私は朝議に出る」と帝君が言い、鳳九は「この借りは、どうお返しすれば?」と聞く。「引き続き、恩返しに追加しても構わぬぞ」と言う帝君。
鳳九が困ような顔になり「どうした、返したくないのか?」と帝君が言う。別によい、たかが3杯の酔いざましにすぎぬ、と。鳳九は「この恩も必ず返します。青丘の教えには背けないし、叔母上の顔も潰せません」と言う。「白浅は姪に、よきしつけをしたようだ」と言う帝君。頷いた鳳九は「私は若い頃の叔母上にそっくりだと言われます」と話す。帝君は「ほう、そなたが白浅に?崑崙虚にいた白浅は、そなたよりずっと横暴で、天君が送った18名の上仙さえ追い返した」と言う。
思わず「その崑崙虚の話は、叔母上から聞いてません」と言ってしまい、ハッとした鳳九は自分の口を叩く。ふっと笑い、鳳九の前まできた帝君は「司命はすでに言っておろう。東華帝君がどのような者かを」と言う。「星君によれば“四海八荒の大事以外には、一切、関心がない超然とした神仙だ”と」と言う鳳九。帝君は「ゆえに案ずることはない。私はうわさ話などせぬ神仙だ」と言う。
鳳九が「叔母上が司音であることを内緒にしてくれますか?」と聞く。「もちろんだ」と返す帝君。鳳九は「これは青丘の最大の秘密で、私も偶然小耳に。たとえ墨淵上神の…」と言いかけて口を閉じてしまう。帝君は「私や霊宝天尊は白浅といささか縁がある。白浅の輿入れ後、本人に直接聞こう」と言う。「他人には言わない約束では?」と言う鳳九。帝君は「白浅は他人か?」と言う。
素素が柴刈りから小屋へ戻ってくると厨房から煙が。驚いた素素は急いで厨房へ行く。そこには料理をする夜華の姿があった。
夜華から頼まれたまきをくべながら涙を流す素素。夜華がそばへ行くと、素素は「あなたは2年近くも留守にしていたのよ」と言う。私が老いてないか心配じゃなかったの?と。「心配だから、一緒にいられる方法を今、考えている」と言う夜華。素素は「あなたの家族は私が好きじゃないの?それとも、あなたにはもう奥さんが?」と聞く。
夜華は「私の妻はそなたしかいない」と言って素素の頬につたう涙を拭う。「もう奥さんがいたらどうしようって考えていたの」と言う素素。夜華は素素を抱きしめ「大丈夫だ。心配ない」と言う。
卓に作った料理を置き素素と夜華は食べ始める。
夜華が「また遠出をする」と言う。顔色を変え「またなの」と言う素素。夜華が「明日の朝発つ」と話し、素素が「今度はどのくらい?1年か2年?それとも10年?」と聞く。「素素」と言う夜華。素素は「私も連れていって」と頼む。
夜華が「だめだ」と返す。極めて危険な旅だと。素素は「私にとって何より怖いのはあなたと離れることよ。あなたの居場所も、いつ戻るかも分からない。こんなの、もういや」と言って夜華の元へ行く。あなたにとって私は何?妻だと思ってる?妻なら苦楽を共にすべきでしょ、と。夜華は素素の手を取り「危険にさらしたくないのだ」と言う。しかし夜華を抱きしめ「まだ分からない?危険にさらされても、あなたと一緒にいたいの」と言う素素。
夜華は決心し「支度をしろ。明朝、一緒に発とう」と言う。
翌朝。男装をした素素は川蝉を鳥籠から逃す。「これから私は遠出をするの。縁があればまた会いましょう」と素素が言う。そんな素素に夜華が玉清崑崙扇を贈る。以前、人にあげた扇子に似ていると思う素素。夜華は「扇子など皆、似たり寄ったりだ」と言ってごまかす。
夜華と素素は、時に夜華が素素を抱きかかえ険しい道のりを旅する。それでも素素は夜華と一緒にいられることに幸せを感じる。
そんな中、鮫人族が2人を襲ってくる。素素を守り、1人で大勢と戦う夜華。そこに疊風が兵を連れ現れる。
鮫人族を倒した後、夜華を見て“師匠”と驚く疊風。さらに玉清崑崙扇を持った素素が夜華に駆け寄り、疊風は“司音か?”と思う。しかし、すぐに“いや、明らかに女だし、少しも仙気がない人間だ。だが、なぜ師匠の扇子を持っているのだろう。それから、この男は師匠と瓜二つだが、師匠の仙気はない。果たして2人は何者なのだろうか”と考える。
疊風は「お二人の名は?」と尋ねる。夜華は素素をその場に待たせると、疊風を少し離れた場所へ連れて行く。
「西海水君の次子・疊風か?」と夜華が聞く。疊風が「いかにも。貴殿は…」と言うと「夜華だ」と名乗る夜華。疊風は「皇太子…」とすぐに挨拶をしようとする。それを止めた夜華は「こたびは内密で来たゆえ、身分は隠しておきたい。あの者にも秘密に」と素素を見る。頷いた疊風は「長海に来られた目的は…」と聞く。夜華が「鮫人族だ」と答え、疊風は「私も天宮の決断を待っていました」と言う。
「なぜ私の身分がお分かりに?」と言う疊風。夜華は「そなたはここ数万年、長海水君に代わり鮫人族と戦ってきたとか。また、先ほど私を師匠の墨淵上神だと勘違いした」と話す。見事な観察力に、疊風は敬服する。
疊風は玉清崑崙扇をどう手に入れたのか聞く。「人間界に落ち、離鏡の手に渡ったあと私が取り戻したのだ」と言う夜華。夜華は自分のことは“殿下”ではなく“華夜(かや)”と呼んでくれと言う。
疊風は「この先が長海の水晶宮で、ここからもう人間界ではなく仙界です」と夜華と素素に話す。
素素は夜華と疊風の長話が気になり「あの身なりからすると、きっと高貴な方のはず。あなたを大将軍として招きたいとか?」と夜華に聞く。笑った夜華は「芝居の見過ぎだ」と返す。上仙がただの人間の私を重んじるか、と。素素は疊風が上仙だと聞いて驚く。疊風が「“仙界の1日は人間界の1年。ここで1日過ごせば人間界では四季が巡る”言う。「以前、芝居で見たわ。神仙て途方もなく長寿なのよね」と素素が言う。疊風は「長寿だから何だと?この7万年、ずっとある者を捜しているが手がかりさえない」と話す。
臙脂は離怨のために隠れ家を用意していた。離鏡に見つからない場所で腰を落ち着けようと離怨に言う臙脂。しかし離鏡を許せない離怨が、長海へ行く手はずを整えていたことを臙脂は知る。臙脂に「私は最も安全な場所に身を置きたいだけだ。知っているだろう。私は昔、離鏡のも母親を殺した。奴が私の逃亡を知れば追っ手をよこすに違いない。母上の一族以外に頼れる者がいるか?」と離怨は言う。
「私にとって大切な兄上たちが争うような事態だけは絶対に見たくないの」と言う臙脂。「分かっている」と離怨は言うが、その直後、金猊獣が長年の臙脂の腹心を殺してしまう。問い詰める臙脂に「万一、われわれの行く先をあの者たちに漏らされたら、臙脂様は殺されずとも私と離怨様は八つ裂きにされます」と言う金猊獣。臙脂は一緒に育った者たちが裏切るはずがないと言う。しかし離怨は「この世に腹心など存在しない。かつて私は“腹心”とやらに裏切られ、7万年も捕らわれていた」と声を荒げる。
長海。疊風はおじの長海水君に挨拶をし、夜華と素素が自分の友だと紹介する。
部屋に入ると、素素に「疊風と話をしてくる。外に出るときは、必ず銅鏡を持っていけ」と言う夜華。道に迷ったら困るからと。
素素が外を歩いていると、鮫人族の首領に嫁がされるのではと泣いている緑袖(りょくしゅう)と「嫁ぐ姫はお一人だけ。王女様ではなく、姉君かもしれません」と慰めている侍女の話し声が聞こえてくる。姉上は抜け目がないから、きっと今頃、私を嫁がせるよう父上を説得してるわ」と言う緑袖。
素素は隠れて話を聞くことにする。
侍女は「では西海水君の長子に嫁いでは?」と言う。緑袖は「でも、あの方は病がちよ」と返す。「ならば次子の疊風様は?」と言う侍女。緑袖は「疊風殿はいい方だし、墨淵上神の一番弟子でもある。ただ…」と躊躇する。侍女が「天宮へ嫁ぎたいのですか?一面識もない皇太子殿下を、なぜ、それほどお慕いに?」と聞く。「素晴らしい方だもの。仏門と道教を修めた慈航真人に師事し、元始天尊の最後の弟子でもいらっしゃる」と言う緑袖。
侍女も「ええ、殿下が誕生した時、天から金色の光が差したうえ、東荒の俊疾山の五彩鳥72羽が天に昇り81日間も天宮を巡って舞ったのですよね」と言い、思わず素素はくすっと笑ってしまう。気づいた緑袖が「誰?」と言う。ハッとした素素の口を手で塞ぎ、夜華はそっとその場から素素を連れて行く。
笑う素素に「盗み聞きがそんなに面白いのか?」と夜華が聞く。素素はあの王女様の話がすごく楽しかったの。王女様は鮫人族に嫁ぎたくないから疊風さまに嫁ごうと考えたけど、天宮の皇太子も捨て難い。どちらも王女様を何とも思ってないのに。特に皇太子の話になると、すごく熱がこもってた。そんなに有名な方なの?」と言う。「四海八荒にたった1人しかいないからな」と答える夜華。
素素は「王女様ともあろう方が、面識もない殿方に恋するなんて。天宮の皇太子はよほど魅力的なのね」と言う。「そなたも興味あるのか?」と尋ねる夜華。素素が「やきもち?」と聞くと、夜華は「いいや。ただ、その皇太子に比べて私には何もない」と答える。夜華の腕に手を絡め、肩にもたれた素素は「あなたを嫌ったりしないわ」と言う。
夜華が礼を言い「本当にいい所ね。でも海水の香りしかしないわ。花の香りがない。桃の花を嗅ぎたいわ」と言う素素。
夜華が「ある場所では桃の花が一年中咲いている」と話す。「どこ?」とも素素が聞く。夜華は素素の目を閉じさせ、しばらくしてから「目を開けていいよ」と言う。素素が目を開けると、そこは桃の花が咲き乱れた場所だった。
「これは幻かしら」と言う素素。夜華は「いいや」と答える。ここは青丘の十里桃林、ある者が時をかけこの桃林を育てた、その者はいつも暇で桃の花の世話か酒造りしかしていない、と。
素素が「お気楽なのね」と言う。「羨ましいか?」と言う夜華。素素は「いいえ。私たちも俊疾山でお気楽だったわ。毎日、特にやることがなくて、料理や鳥の話をしていた」と話す。夜華は「ああ、羨むことはない」と言う。素素が「ここの人はあなたの友?」と聞く。夜華は首を横に振り「何度か会っただけだ」と答える。「今日はいる?」と言う素素。夜華は「いないようだ。実はその者がいないから、そなたを連れてきた」と言う。
酒壺を持ちながら「この桃花酔って本当に美味しいわね」と素素が言う。素素は勝手に他人の酒を飲んだことを心配するが「大丈夫だ。今後、その者には会わない」と言う夜華。素素が「じゃあ十里桃林は今日で見納めね」と残念そうに言う。夜華は「これから私が植えるよ」と話す。「10里植えてね」と言う素素。夜華は頷く。
眠ってしまった素素を夜華が抱きかかえて長海へ運ぶ。寝台に素素を寝かせた夜華は、靴に桃の花びらが付いていることに気づく。手に取り、夜華はその花びらを消してしまう。
夜華が外に出ると疊風がいた。歩きながら「お二人の様子を見るに、あの者は女子ですね」と言う疊風。夜華は「いかにも」と答える。疊風は詮索つもりはないが、戦が近い今、人間の女子がここにいては危険だと忠告する。夜華は「私もそう考えていた。あの女子の存在すら隠しておきたい」と話す。疊風は他言しないと約束する。
「ところで、おじ上は鮫人族との戦をどうしても避けたいようです」と疊風が話す。夜華は「長海水君に早く決断させる手だてはないか?」と聞く。疊風が「ありますが…」と言う。
悩んでいる緑袖に侍女は疊風を勧める。「でも、あの方は日頃、剣を振るばかりの武骨者よ。それに出会って数万年になるけど、私に気がない様子だわ。どうやって、この数日で?」と話す緑袖。侍女は姉君のもとから手に入れたという美容の秘薬を取り出し「朝露で作られた鮮葉玉露ですよ。お試しください」と渡す。女は美貌さえ磨けば何だってできると。そこに疊風と夜華が。
疊風に挨拶をした緑袖は、隣にいた夜華を見てひと目で気になってしまう。「この方は…」と言う緑袖に、疊風は「私の友だ」と話す。名前は華夜だと。
天界。東華帝君と囲碁をしながら「父は“来月3日に婚儀を行う”と」と言う連宋。「随分と急だな」と東華帝君が返すと、連宋は「縁談にまた支障が出ることを恐れたのやも」と言う。白浅が2人目の許婚を失う前に輿入れさせたいのでは ?と。それを聞いた鳳九が器をどんっと置き「叔母上は四海八荒で一番の美女なんですよ。叔母上の方が縁談を望まないかもしれません」と言う。
連宋は「私の負けは決まっていたが、おかげで助かったよ」と話す。鳳九は器を碁盤の上に置いてしまったことに気づく。すぐに器を取る鳳九。ため息をついた帝君は「婚儀の日取りについて、青丘の返答は?」と聞く。連宋は「まだありません」と答える。
白浅の行方がまだ分からず、天界へどう答えればいいのか分からない白止たち。白止は「「いっそのこと断ろう」と言うが、折顔は「なりません。われら2人が賛成した縁談です。訳もなく破談にすれば避難されます」と言う。「確かに天族との縁談が相次いでお流れになれば、四海八荒で白浅に求婚する者がいなくなり、白浅は生涯独り身に」と言う白真。折顔は「こう説明しては?“白浅は擎蒼を封印した際、傷を負っため今も洞窟に籠って療養している。婚儀は待ってほしい”と」と提案する。「いい方法だけれど、いつまで時を稼げるかしら」と心配する白浅母。折顔は「かつて1000年も眠り続けた私のように、白浅もどこかで寝ているだけやも。必ず見つかります」と励ます。
夜華と素素の後をずっとつけていた緑袖。
「中には傷兵が大勢いる。ここで待っていろ」と言うと夜華だけ行ってしまう。それを見ていた緑袖がすぐに素素に話しかけてくる。「1つ聞くけど、華夜殿は独り身かしら?」と緑袖が言う。「すでに妻がいると聞きました」と答える素素。その相手が人間だと知り、緑袖は「私が嫁げば華夜殿は人間でなくなる」と言い出す。私が仙力を与えれば華夜殿は神仙になれる、ただ私は王女で正室にしかなれないから人間の妻は離縁せざるを得ない、と。
「人間は粗末に扱ってもいいと?」とうつむきながら言う素素。緑袖は「いいえ、人間を見下しているわけではないの。ただ掟があって、あの方が神仙になったら人間の妻とは一緒にいられない。神仙と人間は違うもの」と話す。素素は「本人がどう考えるのやら」と言う。緑袖は自信満々に「神仙になりたいはずよ」と言い切る。
ーつづくー
酔った鳳九がナイスな行動を(ฅ´ω`ฅ)
絶対、東華帝君もあれはドキドキしたはず!!
それにしても恩返しする前に借りがどんどん増えていってるような(*≧ω≦*)
そして連宋も相変わらず面白い。
扇子で自分をペシッてやる姿も好き(≧▽≦)
扇子といえば、玉清崑崙扇が再び司音(白浅/素素)の手に。
やっぱり白浅の手に戻ってくる運命ということなのかな。
今度は夜華からの贈り物だし、人にあげたりしないよね(๑>◡<๑)
緑袖て…( ̄▼ ̄|||)
どこから「神仙になりたいはず」と言う自信が出てくるのか…。
初めは鮫人族の首領に嫁がされるのは可哀想だって思ったけど、イライラキャラの登場かも。
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#ヤンミー #マークチャオ #三生三世十里桃花 #あらすじ
折顔上神の心配事も減るはずなのに。。。
その一方で、鳳九はマイペースで羨ましいです。
帝君はどれぐらい本気なのでしょうね。
楽しんでいるのかどうなのか、
そのあたりが面白いです。
そして、連宋たち(敢えて)も。
「そなたの女」というたとえに爆笑していました!
緑袖・・・姐姐も書かれているように、気になります。。。