「万家の陰謀」
不機嫌な衛無忌の後をついていく莘月。その後ろにいた兵が足をひねったふりをし、駆け寄った莘月と気づかない無忌は離れてしまう。
無忌は司馬烈が勧めた道を行く。その先で隠れていた昭陽公主の息子・万昂が筒を投げ煙幕を出す。
李佶は突然現れた女に襲われる。剣で応戦する李佶。それを少し離れた場所から目にした無忌は、女の着ていた衣装から莘月だと勘違いしてしまう。
無忌は偽の莘月に剣を向ける李佶に向かって矢を放ち、その矢は李佶の急所に刺さる。急いで2人のもとへ向かった無忌は、女が莘月ではなかったことに気づく。その場から急いで去って行く女。
無忌を追いかけていた莘月は、途中で司馬烈を見かけ嫌な予感がする。急いで司馬烈が来たほうへ向かうと、矢が刺さり倒れている李佶と、鹿の大群に迫られる無忌の姿が。
莘月の衣装を見た李佶は、なぜ無忌が矢を放ったのか悟る。
「何があったの?」と言う莘月。無忌は群れから遠ざけようと「逃げろ」と言うが、莘月は一緒にいると離れない。李佶をなるべく隅に運んだ莘月は、傷の手当てをしようとする。「その馬鹿なところがあなたの美徳だ」と莘月に言った李佶は「治療しても無駄だ。衛将軍が射た矢は、たとえ殺す気がなくても急所を外さない」と咳き込む。「秦湘が待っているのよ。彼女を残して逝かないで」と言う莘月。
「浅はかだわ。重臣を殺せば死罪になるのよ」と莘月は無忌に言う。そんな莘月に「衛将軍を責めるな。私たちは謀られたんだ」と言う李佶。突然、女に襲われ応戦した、あなたの装いを見て、ようやく謎が解けたと。李佶は1つ頼みがある、秦湘のことを許してやれと莘月に言う。莘月は「限度があるわ。でも、できるだけ辛抱する」と約束する。
李佶は最後の力で自らの血を使い“湘”と外套に書きながら死んでしまう。
司馬烈は無忌が李佶を射ましたと陛下に報告。驚いた秦湘はよろめく。無忌たちが鹿の群れの中にいる事を知った陛下は、甘泉宮の守衛を動かすことを決め、万謙も救助へ向かう。
万謙たちに助けられ、無忌は李佶の遺体と共に陛下のもとへ。衝撃を受けた秦湘は、幕営へ運ばれていく。怒った陛下は釈明を無忌に求めるが、万家の陰謀だと分かっている無忌は、莘月をそちと共に殺すと陛下に脅されても何も言わない。無忌を殺すことができない陛下は、李佶は鹿と接触して死んだということにする。
李佶が死んで以来、無忌は親族や陛下に一切意見を言わなくなる。寡黙になった無忌が孤独を感じないよう、そばにいる莘月。
無忌は陳雁光や趙猛山たちに、私の配下に留まれば冷遇されると話す。しかし陳雁光たちは、別の将軍に鞍替えする気はないと無忌に言う。永遠に将軍の部下だと。
つらい秦湘は李佶の好きだった曲を琴で弾く。そのそばには秦元棋がいた。そこに「陛下がお会いしたいと仰せです」と知らせがくる。「お断りして」と言う秦湘。
秦元棋は寝所の前にいた陛下に「妹は病が重く、体が弱っております。どうかお許しを」と頭を下げる。李佶は湘夫人と駢の恩人、だが死んだ者のことで、なぜ体調を崩すほど思い悩む必要がある?何としても会いたいと言う陛下。しかし秦元棋は説得しても秦湘が首を縦に振らないと話す。
無忌を弾劾する上表を目にする陛下。李佶が不慮の死として片付けられたことに、多くの臣下が納得していなかった。果断を下さなければ、皆の怒りが陛下へ向かうかもしれないと言われ、陛下は無忌を辺境の悠都に派遣させることを決める。
無忌の左遷に「これで万氏の敵は消えましたな」と喜ぶ司馬瓉。しかし昭陽公主は「忘れないで。無忌には忠誠を尽くす部下がいるわ」と言う。いつか無忌が都に戻れば、彼らの力で再び台頭するかもしれないと。
万謙は甘泉山でお前たちが周到に計画して無忌を陥れたのか?と万昂を問い詰める。「もちろんです」と答える万昂。怒った万謙に昭陽公主は「あなたは義に厚くて情が深いわ。だからこそ、あなたに嫁ぐと決めたの。その性格は今だに変わらない。でもね、そのせいで万氏の繁栄を守るための根回しはいつも私の役目だったわ。分かってるの?今が絶好の機会だと忘れないで」と言う。無忌が都を去れば万氏は団結して形勢を逆転できると。万謙は無忌の家族に手を出すなと頼み、その場を後にする。
無忌は駢を藩王に封じるよう上奏する。藩王になれば都を離れざるを得なくなり、皇太子争いからも脱落することとなる。それが万氏ためにできる最後のことだと莘月に話す無忌。
陛下は無忌の上奏を裁可する気はなかった。しかし司馬瓉は再考を求め、昭陽公主も無数の臣下が藩王の件に賛成していると説得する。反対の声は一切ないと。「無忌め。悠都へ旅立つ前に、このような難題を出すとは」と言う陛下。それでも陛下は了承しない。
秦湘に招かれ、莘月は皇后と会う無忌と一緒に宮中へ行く。付き添うと言う無忌に「大丈夫」と返し、莘月は1人で秦湘と会う。
寝所。隣に座らせた莘月を見ながら「あなたは相変わらず自由奔放ね。私はもうじき命が尽きそうよ」と言う秦湘。衰弱している秦湘を心配し「悩みを捨てれば回復するわ」と莘月は励ます。これまで復讐のために多くを犠牲にしてきた秦湘は「結局、得たものは失ったものより少ない」と言う。莘月は「得るとか失うとかどうでもいいわ。この数年で悟ったの。復讐を続ければ自滅してしまうものよ。私は恨みを忘れて幸せな記憶だけを残したい」と話す。人の一生はわずか数十年、やりたいことをすべて楽しもうとしても時間が足りない、だから恨むより目の前の幸せを大切にするべきだと。秦湘が咳き込み、莘月は手巾を渡す。
「そう言えるのは恵まれてるからよ。でも決して忘れられない恨みもあるわ。もしも衛無忌が殺されたら?あなたは恨みを忘れて敵討ちを諦められる?きっと命を懸けて復讐するはずよ」と言う秦湘。莘月は、李佶の死は無忌も関わってる、ごめんなさい、と謝る。しかし秦湘は手を下したのは無忌でも、黒幕は別にいると分かっていた。「李佶の遺言は?」と秦湘に聞かれ、李佶がが“湘”と血で書いた布を渡す莘月。それを握りしめ涙を流した秦湘は、水鉢の中へその布を入れ、流れ出た血に自分の血を落とす。
藩王の件は私からも陛下に頼むわ、私だって大切な息子を建安の権力争いから遠ざけたい、と言う秦湘。秦湘は南朝と羯族がまた戦うことになったら、かつての友情に免じて衛将軍に罪なき砂漠の民に情けをかけ守ってくれるよう頼んでほしいと話す。もし戦になったら必ず約束は守ると言う莘月。
秦湘は愛する人と一緒に牧歌を聞きたかった、自由な空の下で飲む清流の水はどんな美酒にも優るわ、夜になったら、たき火のそばで歌って踊るの、昼は日の光をあびて愛する人と一緒に羊の番をする、白い雲が浮かぶ青空はどこまでも広がってるの、と話しだす。莘月は静かに寝所を後にする。
無忌は陛下に嬗も悠都へ同行させてほしいと頼む。しかし陛下は体の弱い嬗には侍医のいる宮中のほうが安全だと言い、同行を許さない。それを聞いていた万昂が「私も随行させてください」と頼み、陛下は認める。
話しを聞いた莘月は「万昂は何を企んでいるのかしら」と無忌に話す。悠都はかつておじ上が奪還した土地だ、民は南朝に帰順していて守備といっても特にすることはない、と無忌は言う。そして心配する莘月に「古ダヌキ抜きの万昂など、恐れるに足りん」と言う無忌。莘月は無忌の手を取ると「甘く見ずに気をつけてね」と言う。そんな莘月に「じきに子供に会える。嫌なことは考えるな」と言うと、無忌は莘月の額に口づけする。
衛無忌が用意のために行ってしまい“子供を迎えに行けば九爺様にも会うわ。もう1年経つのね。元気かしら”と莘月は思う。
悠都へ行く途中、なぜ司馬烈まで一緒にいるのか莘月は無忌に聞く。「李佶の死の責任を取らされたんだ」と答える無忌。
莘月が「無忌」と言い、無忌は休憩を取ることにする。
いつか都に戻れば、もっと身の危険が増しそうだと思う莘月。無忌は先のことより、目の前の景色を楽しもうと言う。
ーつづくー
とうとう李佶がΣ( ̄ロ ̄lll)
こんな形で死んでしまうなんて…(;_;)
無忌を陥れるにしてもひどすぎる。
最後まで李佶は秦湘の心配して(;д;)
李佶が無忌を恨んでいないのが救いだけど…。
無忌と莘月は都から離れることになったけど、これで終わりじゃないよね…。
万昂も司馬烈も一緒だしヾ(・ω・`;)ノ
李佶が“湘”と書いたのは外套じゃないのかも…。
でも、李佶が着ていたものだと思う。(おい)
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何回もチャンスがあったのに。。。
李将軍の最期は本当に悲しかったですが、
李将軍的には自分の秦湘への想いを貫いた
一生だったことが良かったはず、
と思いたいです。。。
无忌は无忌で難しい立場になってしまいました。
昭陽公主、恐るべしです。
司馬烈も気になりますし、どうなるのでしょう???
李佶を射ってしまうなんて・・・
もう少し冷静かと思ってたら、シン月の言うように違った意味で浅はかだと思いました。
シン月のことになると冷静では居られないのね。
李佶も嵌められたことを悟って
最期まで衛無忌を庇い、秦湘を想って逝ってしまいました(T_T)
秦湘は復讐もできず(というか何もせず)、ただ李佶を犠牲にしただけでて何だったの?
無忌が嵌められたと庇う辺りやっぱり李将軍って悪い人じゃなかった…
好きになった相手が悪かった…でも幸せだったんでしょうね。
秦湘には同情もできません。
今さら、ですよね。
嘆き過ぎて陛下が変に思わないのかの方が心配です。
都を離れることになったシン月と無忌だけど子どもは連れて行けなかったし…
司馬烈はもちろん万昂が怪しすぎる(ーー;)
32話のコメントねこさんより先~と思ってたのに越されちゃった(*≧∀≦*)