「遅すぎた返事」
【登場人物】
莘月 …狼に育てられた娘
衛無忌 …皇帝の妃の甥
九爺 …医学の知識も高い御曹司
石謹言 …九爺(莫循)の側近
公主の馬車に乗せられる時、秦湘はよろけたふりをして「李佶に知らせを」とそっと侍女に言う。
秦湘から命じられた侍女は急いで湖心亭へ。そこにいた李佶に“雨が降るのでご注意を”という秦湘の伝言を伝える侍女。秦湘が公主の招きで山上の廟に行ったと聞いた李佶は、顔色を変える。
乱暴な馬車の動きに耐えられず、止めるように言う秦湘。しかし秦湘の乗った馬車には、すでに御者は乗っていなかった。それに気づいた秦湘は、お腹を押さえながら「李佶、早く来て」と苦しそうに言う。
馬に乗り必死で追いかけた李佶は、ようやく秦湘の乗った馬車に追いつく。止められない馬車に乗っている秦湘に手を伸ばす李佶。秦湘も手を伸ばすが、なかなかその手を李佶はつかむことができない。ようやく何度目かで秦湘の手をしっかりつかめた李佶は、秦湘の手を引っぱり自分の乗っている馬に乗せる。
産気づいた秦湘を宮中まで李佶は運ぶ。
駆けつけた陛下から「褒美を与えよう」と言われる李佶。秦湘は自らの命が危険になるほどの難産だったが、無事に皇子を産むことができる。
秦湘を子供と共に殺そうと企てていた昭陽公主にも、秦湘が皇子を生んだことが伝えられる。
子供を産んだばかりの秦湘は「私たちの子供を、慈しみ守ってくださいませ」と陛下に頼む。陛下は「朕は必ずそなたと子を守る。天下の最上のものを、すべて2人に与えよう」と言う。
「ご誕生、お祝い申し上げます」と陛下に言う昭陽公主。陛下は「昨晩の湘夫人(秦湘)の件は姉上の差し金か?もしそうなら姉上といえど処罰は免れぬぞ」と言う。昭陽公主は顔色1つ変えず「私には一切関係ありません。妃の1人が身ごもった湘夫人を妬み、私の名で陰謀を企てたのです。私自ら調べて、処罰を下しましょう」と答える。
「そういうことなら、これ以上は追求すまい」と昭陽公主に言う陛下。しかし、だが覚えておくがよい、そちらがいかに暗躍しようと天下を支配するのは朕だ、朕にとって万皇后と湘夫人は等しく大切な妃、また長子の趙砥と次子の趙騙も等しく尊い、そして皇太子を決めるのは朕だ、と陛下は言い放つ。
落玉坊出身の秦湘が皇子を産み、莘月や紅姑、丁玲、秦元棋、元超たちは赤いゆで卵でお祝いをする。妹が皇子の母となり、兄の私も建安で怖いものはないと言う元超。しかし秦元棋は、出産してからさらに体が弱ってしまった秦湘が心配でたまらない。丁玲は「明日、お見舞いに行かない?」と莘月に言う。気が重い莘月だったが「いいわよ」と返事をする。
宮中。秦元棋と丁玲が秦湘と会っている間、外で待っていた莘月。近くで女官が秦湘の薬を落としてしまい、怒られているのを見かける。誰もいなくなった後、莘月はかんざしを割れた器に残っていた薬につける。つけた部分だけ色が変わるかんざし。
秦元棋と丁玲と話をしていた秦湘は「そういえば莘月は?」と聞く。「一緒に来たが、呼ばれない限り部屋には入らないと」と答える秦元棋。秦湘は「彼女を呼んで」と言う。
秦元棋と丁玲に言われ、秦湘と会う莘月。そこに秦湘の薬が運ばれてくる。莘月は「薬を飲むので?」と聞く。それに答えず秦湘は薬を飲もうとし、莘月は秦湘の持っていた器を払う。器が床に落ちて割れる。「毒薬を飲んで何の意味があるの?」と莘月は言う。陛下の同情は買えても、皇太子の座は手に入らないわ、と。「これが私のできる唯一のことなの」と秦湘は言う。
会いに来るべきじゃなかったと思った莘月は、最後だと思って聞いてほしい、皇太子の座を諦めてほしい、あなたは子供に自分と同じ苦しみを与えて平気でいられる?あなたも本当に愛する人と添い遂げたいでしょう?と友人として秦湘に話す。しかし秦湘は「私たちは、もう友人じゃない」と言う。あなたは愛する人を選び私の敵になった、私たちが決別したのはあなたが譲らなかったせい、今さら後戻りできないと。莘月は「そのとおりね。私たちは互いに守るべき人がいる。守るべき立場や大切にするものが違うわ。これからは、それぞれの道を歩くのね」と悲しそうに言うと出ていく。
つらい気持ちで莘月が帰って来ると、戻ってきた衛無忌が待っていた。莘月は笑顔になり「おかえりなさい」と衛無忌に抱きつく。
落玉坊をやめた莘月は、屋敷にこもり退屈していた。なぜ商いをやめたのか衛無忌に問い詰められるが、莘月は答える事ができない。衛無忌が誘い、2人は一品居へ行く。
一品居で楽しく食事をしていた衛無忌と莘月。そこに石風と一緒に九爺が来店する。互いに気づき、見つめ合う衛無忌と九爺。衛無忌の視線の先が気になり、九爺から背を向けるように座っていた莘月が振り向く。九爺がいることがわかり、莘月は急いで衛無忌が握っている手を離そうとする。しかし、それを衛無忌が許さない。
怒る石風を止める九爺。「元気そうだ」と九爺が莘月に言い、莘月は「ありがとう」と答える。衛無忌の提案で一緒に食べることになり、衛無忌と九爺は茶で乾杯を。うつむいて隣に座っている莘月の手をにぎる衛無忌。それを見た九爺は目をそらす。「気分が悪いの。帰りたい」と莘月が言い、莘月と衛無忌は一緒に帰ることにする。しかし入り口で元超と出くわす。
莘月に話があると言いながら、もったいぶる元超。「言う勇気がないなら構わない」と莘月に言われ、元超は「妹が私の縁談を陛下に頼んでくれた。その相手はあなただ」と言う。「今の話、しかと承った」と言う衛無忌。
一品居を出た衛無忌は、莘月を連れ陛下に会うため宮中へ。
宮中では皇后付きの雲が衛無忌を待っていた。衛無忌たちを皇后の元へ連れて行く雲。
「秦元超の件を陛下に聞いてきます」と皇后に言う衛無忌。皇后は「安心なさい。陛下のお許しはまだよ」と言う。ほっとした衛無忌は陛下は私の気持ちをご存知のはず、かつて莘月のことでからかわれたこともあると話す。皇后は莘月を雲に任せ、衛無忌だけを自分の部屋へ連れて行く。
陛下は褒美として、衛無忌に妻を娶らせる気でいた。でも、それは莘月ではないと衛無忌に話す皇后。「では、断わります」と言う衛無忌に、皇后は「陛下いわく“側室なら許すが、莘月は正室にしてはならぬ”と」と言う。陛下は以前、万謙将軍に昭陽公主を娶らせたように、公主を娶らせる気だと。莘月以外の妻はいらないと言い、衛無忌は莘月を連れて屋敷へ帰る。
「皇后様は何と?」と莘月に聞かれ「おじ上を警戒した陛下は私を軍の要職に就けた。おじ上の勢力を抑え込むためだ。私に公主を娶らせると」と衛無忌は話す。かつて畢氏と王氏の外戚に対抗するため、陛下は万将軍を重要し公主を娶らせていた。「あなたにも同じ手を使う気なのね」と言う莘月。衛無忌は「私は婚姻を権力争いの道具にはしない。好きなのは君だ。正室として君を娶る」と言う。私に任せろと。簡単には一緒になれないと莘月は感じる。
「今晩は落玉坊に戻るわ」と言い、莘月は部屋を出ていく。
帰りが遅い九爺を心配し、一品居に石謹言が来る。九爺は酒を飲んでいた。
「莘月に会った」と石謹言に話す九爺。「衛無忌と一緒で?」と石謹言は言う。石謹言は、必死で捜していたことを莘月に伝えるべきだと告げる。衛無忌は卑怯にも莘月さんの居場所を隠した、真実を知れば莘月さんはきっと心を変えると。気持ちを伝えれば莘月を苦しめるだけだと九爺は思うが、石謹言は「九爺様は本心を隠して苦しんでこられた。その思いを莘月さんに知らせないのは彼女に対して失礼では?結果はどうであれ、お互いに悔いを残さないためです」と言う。
九爺は落玉坊を訪ねる。「遅くなった」と九爺が言うと「何を言ってるのか分からないわ」と言う莘月。九爺は独りよがりだったことを謝り「君の気持ちを尋ねなかった」と言う。そして「君を愛してる。愛しているんだ。心の底から愛している」と言う九爺。莘月は「もうやめて。私は無忌に嫁ぐの」と言う。契りを交わしたと。「構わない」と九爺が言うと、莘月は泣きながら「私に何を言わせたいの」と言い、行ってしまいそうになる。そんな莘月に「君が大切すぎたんだ。だから幸せにできないのが怖くて、君を遠ざけようとした」と九爺は言って止める。
九爺は足が悪いだけでなく、子が作れないことを話す。男として体は正常だが遺伝病で生まれた子は早死にしてしまう、母は子を5人生み4人を失った、母の兄弟も皆、生後すぐに死んでいる、母の苦しむ様子を見て私は誓ったのだ“同じ悲劇は起こさぬ”と、と。「子供がいなくても幸せになれるでしょう。子供を望むかどうか尋ねてくれれば…」と言う莘月。九爺は「尋ねたさ。君は“子供が欲しい”と」と答える。莘月は九爺のもとまで行くと、九爺の胸を叩きながら「どうしてよ、あんまりだわ。なぜ、あの時に理由を言ってくれなかったの。私が欲しかったのは、あなたなのよ」と言う。莘月を抱き締め「許してくれ。今までは君の涙をぬぐいもしなかった。約束するよ、もう君を悲しませない。君が戻ってくるなら私は全てを捨てる」と言う九爺。九爺は石舫をたたんで2人で遠くへ行くことまで考えていたが、そこに来た衛無忌が抱き締められている莘月を自分の元へ引き寄せ「莘月の涙は私がぬぐう」と言うと、莘月を抱きかかえて去ってしまう。
同じ寝台に横になっていた莘月と衛無忌。しかし2人とも眠れない。莘月が「私ね…」と言いかけるが、衛無忌は「何も言うな。今は聞きたくない」と止める。
ーつづくー
ますます落ち着いて、秦元棋と丁玲がよい感じになりましたね。
お互いに優しいし、いたわり合えている感じが素敵です(*´ー`*)
一品居での衛無忌の態度はひどいように見えるけど、でも、きっと衛無忌の行動は不安で仕方がないからのような気がするの。
石謹言さんが莘月の居場所を隠した衛無忌を卑怯だと言ってたよね。
それは莘月と約束したことだから仕方ないよね…。石謹言さん達は知らないことだけど。
私的には九爺が捜していることを莘月に伝えてほしかったな。
とにかく九爺がね…_(:3」∠)_
切なくて、切なくて、切なくて。
今、言う勇気があるのなら、あの時に言ってほしかったとも思うし、大切なものを失ったからその勇気が持てたとも思う。
ただ縁と考えると、全てに意味のあったことかもしれない。
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李将軍、かっこよかったのですけれど、、、
そして、とうとう九爺と再会。
戻った時もそうでしたが、流石に月兒もどう振る舞えばいいか
複雑ですよね。
九爺は周りに言われなかったら
今回の告白はなかったのかもしれませんけれど、
向き合い、次へ行くために
きっと周りは助言したのではないかな、、、と思いました。
无忌と月兒がちょっと微妙ですよね。
心配です。。。
それでも秦湘が男の子を産みました。
陛下はどうするんだろ…
とうとう九爺と再会…
九爺に気づいた時の衛無忌のニヤリとした顔、子どもっぽい気もするけどまぁ仕方ないのかなぁ
元趙登場でそれでなくても、前途多難な衛無忌とシン月の結婚にまた障害が!
なのに思わず笑っちゃった。
まるで若曦と誰かさんみたいで(*≧∀≦*)
そしてついに九爺が告白…
もうもう涙しかなくて…(;△;)
今ではなくあの時に言ってくれてれば…今さら遅いよね。たぶん。
「君が大切すぎた」
「私が欲しかったのはあなた」
辛すぎます(;△;)
抱き合う二人を引き離す衛無忌も辛いよね…
シン月どうするんだろ…
昭陽公主恐っ
それでも秦湘が男の子を産みました。
陛下はどうするんだろ…
とうとう九爺と再会…
九爺に気づいた時の衛無忌のニヤリとした顔、子どもっぽい気もするけどまぁ仕方ないのかなぁ
元趙登場でそれでなくても、前途多難な衛無忌とシン月の結婚にまた障害が!
なのに思わず笑っちゃった。
まるで若曦と誰かさんみたいで(*≧∀≦*)
そしてついに九爺が告白…
もうもう涙しかなくて…(;△;)
今ではなくあの時に言ってくれてれば…今さら遅いよね。たぶん。
「君が大切すぎた」
「私が欲しかったのはあなた」
辛すぎます(;△;)
抱き合う二人を引き離す衛無忌も辛いよね…
シン月どうするんだろ…