【登場人物】
錦覓(きんべき)…楊紫(ヤン・ズー) 花女神の娘
旭鳳(きょくほう)/熠王…鄧倫(ダン・ルン) 天帝の息子
潤玉(じゅんぎょく)…羅云熙(レオ・ロー) 天帝の息子 旭鳳の兄
鎏英(りゅうえい)…陳钰琪(チェン・ユーチー) 魔界の王女
穂禾(すいか)/郡主…王一菲(ワン・イーフェイ) 鳥族王女
「父上、なぜここに?」と南平侯に言う穂禾。南平侯は「穂禾、こちらに来るのだ」と言う。穂禾は馬から降りると、剣を持ったまま熠王の前でかばうように立つ。同じく馬から降りた南平侯は「なぜ、お前に気の無い男に、そこまでこだわる」と言う。その気なら、とうに娶っているはずだと。穂禾はうつむいている熠王の顔を見ると「まずは兵をお退きに」と言う。「退け」と命じる南平侯。
歩き出した穂禾は、南平侯の前でくると手から剣を離す。笑った南平侯は「熠王、これで分かっただろう。娘は貴様など…」と言い始める。しかし最後まで言う前に穂禾が短剣で南平侯を刺してしまう。「父上、今までのご恩は忘れません。よい父親でした。でも従兄上には遠く及びません。父上はただの凡人に過ぎぬのです」と言う穂禾。南平侯が倒れ、斉衝が穂禾を殺そうとする。その前に斉衝を斬ってしまう熠王。
「父上が謀反を企てていたとは」と穂禾は涙を流す。熠王はそんな穂禾を抱き寄せる。
熠王と共に幕営に戻ってきた秦潼が「休憩も取らず、お戻りに?」と聞く。熠王が返事をする前に穂禾が来る。秦潼は熠王に言われ、馬の準備をするため出て行く。
「父上はもういません。今の私には従兄上だけが頼りです」と言う穂禾。熠王は淮梧のために父を殺めた穂禾に「今後、何かあれば手助けしよう」と話す。穂禾は熠王に抱きつき「なぜ私を娶ってくれないのですか。受け入れてくれぬなら生きる意味はありません」と言う。熠王は「私には想い人が。君を受け入れられぬ」と謝る。今後は君のことを実の妹だと思おう、と。
穂禾は泣きながら「想い人とは錦覓ですか?」と聞く。「そうだ」と答える熠王。穂禾は「聖女とは結ばれぬ運命です。幼い頃からお慕いしていました。従兄上のために、父上さえこの手で…。なのに私を拒絶すると?」と泣きながら言う。熠王は「気持ちは嬉しい。今回の件も心から感謝している。この恩は必ず返す」と話す。今後、君が苦境に陥れば必ず助けよう、ただし婚姻には応じられないと。熠王が出ていき“錦覓。あなたの思いどおりにはさせない”と思う穂禾。
熠王が北苑山荘に戻ってくると、錦覓は小屋で筆談した時の紙を持ちながら眠っていた。熠王がその紙を取り、しばらくして錦覓が目を覚ます。「陛下?」と言う錦覓。「会いたかった」と言った熠王は「具合は?羌活は心配ないと言うが、あの者の医術は信じられぬ。君の弱った姿を見るに、ただ事ではない」と心配する。「本当に大したことありません」と言いながらも、錦覓は咳き込む。「私にはわからぬと思ってウソを?」と言う熠王。
「ウソなんてつきません。私は幼少よりのぼせやすい体質なのです。熱性の物を食すと倒れてしまいます。だから根治のための薬を作ってみたのですが、薬効を試そうとリュウガンを食べたら、薬を飲む前に倒れてしまいました」と錦覓は話す。熠王はその薬が入った小箱を開き、何粒か尋ねる。錦覓が3粒だと答え、熠王は自ら手渡す。
飲んだ錦覓は「ウソじゃなかったでしょう?少し楽になりました。これで、もう平気です」と言う。「約束しろ。二度と私を驚かすな」と言う熠王。錦覓は頷く。
錦覓は武装したままの姿で戻ってきた熠王に「とても、すてきだわ」と言う。熠王は微笑む。
ひと気のない場所で穂禾は呼びつけた仮面の男と会う。「この文を凉虢の君主に届けて。内から呼応し、淮梧を討つわ。文を読めば凉王は必ず親征する」と言う穂禾。
暮辞の気配を感じ捜していた鎏英は、穂禾と会っている所を見つける。
穂禾は「凉王が親征すれば熠王は自ら迎え撃つ。その隙に錦覓を葬り去る計画よ」と話す。滅霊箭がなくても天界に送り返し、歴劫をやり直させると。「お待ちを。滅霊箭を取り戻せと天后が仰せです。火神殿下の身を案じておられます。公主の計画をお知りになれば…」と言う仮面の男。穂禾は「では滅霊箭を持った者が熠王の元に現れ、熠王を害そうとしたら奪って錦覓を殺しなさい」と言う。
穂禾がいなくなり、鎏英は仮面の男の元へ駆けて行く。「別れも告げずに去ったのはこのため?錦覓は友人よ、私が許さない」と言う鎏英。鎏英は何も言わず行こうとする仮面の男の前に立ち「一体、何があったの?なぜ錦覓を殺そうと?悩みがあるなら言って」と話す。それでも仮面の男が行こうとし、腕をつかんだ鎏英は「錦覓を害するなら敵よ」と告げる。仮面の男が鎏英を見る。しかし「それも、よい」と言うと去ってしまう。
熠王の部屋に現れた仮面の男は、自分の血の気配に気づく。そして机の上に吊るされた滅霊箭を見つける仮面の男。仮面の男は滅霊箭を術で引き寄せて手に取ると“ここにあったのか。殿下を傷つけず幸いだ”と思う。
咳き込み喀血する錦覓に、泣きながら謝る羌活。錦覓の飲んだ3粒の無音は、清玥を抑えられる唯一の薬だったが劇薬だった。
「残された日々は少ない。私が深刻な病状だと熠王には知られたくないの。心配かけたくない」と言う錦覓。羌活は「あなたは聡明な人だと思ってた。でも本当は、こんなにバカだったのね」と言う。そこに「錦覓」と熠王の呼ぶ声が。
扉を開けて外に出た羌活は、部屋に入ろうとする熠王を止め「聖女は今、お召し替え中です」と言う。
熠王が外で待っていると錦覓が来る。武装した姿の熠王を見て「また前線に?」と聞く錦覓。熠王は「凉虢はしばらく立て直せぬと思っていた。だが、まさか凉王が親征して来るとはな」と言う。ゆえに迎え撃たねばならないと。「陛下、私は…」と言いかけた錦覓は“お帰りを待てぬやも”と心の中で思う。「ほんの数日、離れるのも嫌か?」と言う熠王。錦覓は首を横に振る。
熠王は錦覓と手をつなぎ「君は一生、私を受け入れぬと思っていたゆえ、共に王陵に入る日を待つしかないと覚悟していた。でも今では君が私を待っていてくれる。幸せすぎて、まるで夢のようだ」と話す。そして「私の妃になってくれるであろう?」と聞く熠王。錦覓は熠王を見つめたあと頷き「喜んで」と言う。
「でも誓ったはずでは?四海を統べるまでは誰も娶らぬと」と言う錦覓。熠王は「あれは臣下を黙らせるための、ただの口実だ。今は天下に知らしめたい、君が私の妃になるのだと」と話す。錦覓は「私はここでお待ちしています」と言う。
「私を娶れる陛下は幸せ者ですから側室など許しません。他の女子を見るのもダメです」と錦覓が言う。熠王は笑うと「もちろんだ。君以外の女子など目に入らぬ」と返す。
「でも陛下は私の素顔を知らない。もし醜かったら後悔するのでは?いっそのこと、今ご覧に?」と錦覓は口覆いを取ろうとする。止めた熠王は「どんなに醜くても構わぬ。君の顔を見るのは婚儀の夜のお楽しみに取っておく。その時は君はもう逃げたくても逃げられぬぞ」と言う。“許して、本当のことは言えない。安心して出征してほしい”と思う錦覓。錦覓は「ご出立を」と言うと熠王の頬に触れ、口覆いをつけたまま口づけする。
「あの日は酔っていたとはいえ失礼を。でも後悔はない」と錦覓が言う。熠王は錦覓を抱きしめる。
その様子を陰から見ていた鎏英は“錦覓、必ず暮辞を止めるわ”と思う。
熠王が戦っている時、錦覓は病に苦しんでいた。そんな錦覓を見守っていた鎏英。錦覓の部屋に来た仮面の男は鎏英がいるため錦覓に手が出せない。
暮辞の気配を感じ、鎏英が追いかける。
太鼓の音が聞こえ、羌活が「凉虢を撃退して、停戦の条約を結んだそうよ」と錦覓に話す。喜ぶ錦覓。錦覓は羌活に「熠王が戻ったら、あなたから伝えて。約束は守ったと」と話す。
気配を追いかけていた鎏英だったが、幻だったと分かり急いで錦覓の元へ戻る。
仮面の男が滅霊箭の矢を錦覓に向かって射る。しかし戻ってきた鎏英が鞭で阻止する。仮面の男と鎏英が戦い始め、弱っている錦覓を連れて逃げようとする羌活。2人が扉まできたところで仮面の男が矢を投げ、錦覓をかばった羌活に刺さる。倒れる羌活を支えながら座り込む錦覓。
仮面の男が逃げ、鎏英は追いかける。
錦覓に抱かれながら謝る羌活。羌活は「あなたといられて楽しかった。もしも来世があるなら…また友達に」と言うと亡くなる。泣きながら羌活の名を呼ぶ錦覓。その時、錦覓は肉肉との別れを思い出す。亡くなった羌活は肉肉となって体を起こす。錦覓は「肉肉、あなたなの?」と言う。
「錦覓、思い出したわ。あなたは天界では私を生き返らせるため尽力してくれた。人間界で過ごせたのもあなたのおかげ。悔いわないわ。今度こそはお別れみたいね。約束して、悲しまないと」と話すと肉肉は消えてしまう。「肉肉、逝かないで」と叫ぶ錦覓。羌活の亡骸を抱きしめながら「私は2度もあなたを死なせてしまった。なぜつなぎ留められないの」と錦覓は嘆く。そして大量に吐血した錦覓も亡くなってしまう。
鎏英は仮面の男と戦う。「錦覓を害する者は敵だと言ったはず。今日こそ、すべてを説明してもらうわ」と言う鎏英。仮面の男は「この件は追及しないでくれ。君にも危険が及ぶ」と言う。鎏英は「今さら私の心配?」と聞く。穂禾と会ったのは天后の差し金?と。「見逃せないのなら私を殺せ」と言う仮面の男。鎏英は「あなたは変わった。私たちの過去にはなんの意味もないの?」と言う。
“私たちは決して結ばれぬ。望んではいけない”と思った仮面の男は「私と魔族が不倶戴天の敵だと知った日から、私たちの思い出は意味を失ったのだ」と話す。「私たちの想いは恨みになんて負けないはず。2人で別の場所に行って、やり直しましょう」と言う鎏英。仮面の男は「私が本当に君を愛していたと?正直に言う。当時は君に一方的に思いをぶつけられ、一介の自衛である私には拒否できなかった」と言う。
鎏英が仮面の男の頬を叩く。「1発の平手打ちで君の気が済むのなら安いものだ」と言う仮面の男。鎏英は「今後、あなたが錦覓や魔族を傷つけたらあなたを敵と見なす。決して容赦しないわ」と言ってその場から離れていく。仮面の男は「私には選択肢はない。だが君には私を忘れるという選択肢が」とつぶやく。
振り返った鎏英は急いで戻るが、もう仮面の男の姿はなかった。「あなたを忘れられたら、どんなにいいか。知ってるはずよ、私にはできないと」と言う。
北苑山荘に戻って来た熠王が扉を開ける。そこには亡くなった錦覓が寝かされていた。錦覓の側へ行き座ると涙を流す熠王。熠王は錦覓を抱き「誰の仕業だ」と静かに言う。そばにいた穂禾が「人間ではない者に襲われたのです。反撃しようとしたら、消えてしまいました」と話す。「すぐ調査しろ」と熠王が秦潼に命じる。穂禾が「従兄上」と声をかけるが、熠王は「出ていけ」と怒鳴る。
ーつづくー
「ほんの数日、離れるのも嫌か?」と言う熠王。
それはあなたでしょ!と突っ込んじゃったり(≧▽≦)
そして「私を娶れる陛下は幸せ者ですから側室など許しません。他の女子を見るのもダメです」と錦覓が言った時の熠王の嬉しそうな顔!!
この笑顔がツボだった(*´艸`*)
今回は切ないシーンが多くて(ノ_・。)
錦覓にとっては2度も殺してしまったとつらい気持ちになると思うけど
でも肉肉は自分のために錦覓が天界でしてくれたことも分かっているし
短くても再会できたことを喜んでいたはず。
でも、もう二度と会えないと思うと(;д;)
錦覓まで…。
待っててくれてると思った錦覓が、戻ってきたら亡くなっていただなんて(。>﹏<。)
つらい、つらすぎる。
やっと自分を受け入れてれたと喜んでいたのに…。
熠王の涙が切なすぎる(இωஇ )
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錦覓から、キスしたのはびっくり!
そして、あの矢を身代わりに受けた肉肉は、もう天界に戻ってこれないんですよねー
あの、水神の師匠の神様が、この事をいってたんですね。それにしてもなんで、毒を錦覓に飲ませのかなー。多分、やきもち?御法度だから?その辺が分からないです。
あと、父親を刺しちゃったー天界の記憶が戻って、人間界だけの親だから?!
天界の人は、こんなに、人間に冷酷なのかなー??