センバツで、嘉手納高校を応援しながら、もっと、いまの沖縄の若い人たちのことを学ぼう!のコーナーがやってまいりました。
今日は、沖縄タイムスから、学ぼう!
[黄金人]弁当と会話乗せ週1の定期便 嘉手納高3年金城昌史さん
独居のお年寄り訪問 逆に元気をもらっている
社会 2010年2月10日 09時14分
(9時間35分前に更新)
地域のボランティアらに交じって、嘉手納高校
3年の金城昌史さん(18)=読谷村=が一人暮らしのお年寄りに弁当を届ける活動を続けている。週1回、一軒一軒を回り、弁当を手渡しながら雑談する。学校、部活、アルバイトの合間をぬっての活動だが「話すことが楽しい。逆に自分が元気をもらっている」と充実感をにじませる。(渡慶次佐和)
「寒いけど、風邪とかひいてないですか」「この前は天ぷらごちそうさまでした」「また来週来るね」
人なつっこく話し掛ける様子は、実の孫のよう。訪問を待ちかねていたお年寄りは、満面の笑顔で金城さんとのおしゃべりに花を咲かせる。
小さいころから“おばあちゃん子”で、世話好きな性格。姉、妹に囲まれて育ち「自分の場合、人としゃべっていないと苦痛」という。中学のころから福祉に興味を持ち、介護の授業や実習のある同校へ進学した。
ボランティア活動に積極的に取り組むようになったきっかけは、昨年9月からの「社会福祉演習」という授業だった。嘉手納町社会福祉協議会や同町の各区自治会が週1回無料で行う、一人暮らしのお年寄りへの弁当配達「友愛ボランティア」にクラスで参加。月1回の授業だったが「もっと続けたい」と自主的に毎週参加するようになった。
金城さんが担当する同町南区の利用者のほとんどは80代。「一生懸命で感心する。彼が来る日が待ち遠しい」「若い人とこうやって話せるのが楽しい」という利用者の声に「それを聞くと疲れも吹き飛ぶ」と笑顔を見せる。一方で「足腰が弱くなって、めったに買い物に行けない」「近くに頼れる家族や親せきがいない」など、お年寄りが抱える生活の不便さや心細さを実感するようになった。
今春、同校を卒業し本島中部の病院で介護職として勤務する。活動で得た経験を生かしつつ「介護福祉士」の資格取得を目指す。もうひとつの夢は「ヨーロッパに行くこと」。「福祉がどれぐらい充実しているのか、一度見てみたい」と目を輝かせる。
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嘉手納高校
をはじめ、学校が地域と連携してボランティア活動に取り組む実践報告会が2月17、18の両日、県総合福祉センターで開かれる。
問い合わせは県ボランティア・市民活動支援センター、電話098(884)4548。
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